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【社会人留学2年目(交換留学中)】 異文化の中での気づきとつながり~Week2~

こんにちは!

日々のオペレーションに必要なものが揃い、キャンパス内でお気に入りの場所も見つけ、ジムに通う習慣もできたことで、ヘルシンキでの生活がますます日常に溶け込んできたように感じています。

凍った湖の前を歩き、カフェにいきました✨

先日、スペインで働いている日本人の友人と久しぶりにキャッチアップするなかで気づいたのですが、フィンランドのシンプルでありながら洗練されたデザインに囲まれる日々は、審美眼を鍛えるだけでなく、整然とした、秩序ある街並み(落ちているゴミが少なく感じられる上、ゴミがむき出しで置かれていることもありません)の中で生活していると、フラストレーションを感じることがほとんどありません。自然に加え、美しいものに囲まれる環境は、ウェルビーイング(身体的、精神的、社会的な健康状態が満たされている状態)に寄与し、幸せを感じやすいという研究結果もあることを思い出しました。

Country Comparison tool (https://www.theculturefactor.com/country-comparison-tool)

異文化理解の権威であるホフステッドが生んだカルチャーマップで、フィンランド、オーストラリア、そして日本を比較してみました。これは国全体の平均値を示すものであり、個人や環境によって異なる点があるため、必ずしも自分の肌感覚と一致しない部分もあります。また、私自身の価値観が日本の結果とはずれていると感じる部分も含まれています。それでも、Indulgence(余暇を楽しむ)という指標で、オーストラリアが最も高く、日本が最も低い、その中間にフィンランドが位置するという結果には納得感がありました。

あくまで私の経験の範囲内ですが、フィンランドの方々の勤勉さやカスタマーサービスの質は、日本に近いと感じることがあります。ただし、「お客様最優先」という考え方ではなく、自分の役割や制約の範囲内で一生懸命対応するという印象です。例えば、ジムの入会手続きを行った際、たまたま受付に列ができていたのですが、営業時間終了15分前になると、私の後ろの後ろにいた人に「今日は受付できないので、また後日にお願い」と伝えていました。そして、きっちり5時に受付業務を終えていました。もしこれが日本だったら、列があまりにも長い場合を除き、数人程度であれば営業時間を多少延長してでも、時間内に並び始めたという事実を考慮して対応する場合が多いように思います。

余談ですが、ジムや習い事を始めるとき、またネイルや美容院、整体などの施術を受けるとき、日本の手続きは本当に面倒だなと思うようになりました(笑)日本では、契約内容や注意事項について対面で読み合わせをしたり、なぜ始めたのか、どうなりたいのかなどを細かく聞くカウンセリングがつきものですが、オーストラリアではそのような経験をしたことは一切ありません。質問すれば答えてくれますが、向こうから事細かに説明されることもなく、サインを求められることもありません。ネイルなどでもカウンセリングはなく、前もってリクエストを書いていても、それに目を通されている様子はありません。。ちなみに、予約時間を過ぎてもお店に人の気配がなく電話してみると「渋滞に巻き込まれていてまだしばらくかかりそう」と言われたことは何度もあります(笑)

フィンランドではどうだったかというと、ジムに入会する際に対面での手続きは必要でしたが、それは身分証明書を確認するのが目的だったため、数分で終わりました。地元の方であれば、すべてオンラインで手続きが完結する仕組みになっています。テニスも、空いている時間枠にオンラインで申し込む形式で、指定した場所に行けばすぐにプレーが始められるような簡素なシステムです。

さらに話がそれますが、メルボルンで最も著名なスクールでテニスをしていたとき、スクールの都合で当日にレッスン形態が変わったり、別のグループと合体したりすることがしょっちゅうありました。もちろん、それに対して誰も文句を言わず、私も最初こそびっくりしたものの、そういうものだと受け入れて気にしなくなりました。日本だったら、事前の契約内容と違うという理由でクレーム入れる人がいそうだな、、、と思いました。

日本的な丁寧さは、まさにホフステッドの言うところの「高いUncertainty Avoidance(不確実性回避)」の表れなのだろうと感じます。予測できないことやリスクを最小限にするために、細部にまで気を配る文化が根底にあるのだと思います。

ヘルシンキの中心街

前段が長くなってしまいましたが(笑)、最近、とても素敵な出会いがあり、心からわくわくするような会話を楽しむ機会がありました。二人とも、チューター(交換留学生をサポートしてくれる現地の学生)に「私と同じ専攻の人を紹介してほしい」とお願いして紹介してもらった方々で、快く時間を割いてくれました。

私は今、アカウンティング(会計)に関連する授業を取っているので、同じ専攻の学生と知り合う機会がこれまでなく、同じ興味分野を共有できる相手と話せるのが嬉しいなと思っていたのですが、実際に会ってみると、二人とも聡明で、人としてとても魅力的で、聞きたいことが次々と湧いてきました。また、二人も私に興味を持ってくれて、たくさん質問してくれたおかげで、カリキュラムや授業の話をする間もなく、2~3時間ノンストップで話し込んでしまいました。共感できることが多く、会ったその日にすでに心が通じたように感じました。

一人はフィンランド人のEです。彼は幼い頃から好奇心旺盛で、その好奇心を満たすためか、自然と主流ではない困難な選択肢を自ら選んできた人です。私が「チャレンジがないとつまらないし、刺激が足りない」と話した際、彼が深く共感してくれたのがとても印象的でした。彼は思慮深く、多様なテーマについて自身の経験に基づいた意見を持っており、その洞察力は鋭いものの、必ずしも批判的ではなく温かみのある視点を兼ね備えています。オープンマインドでオーセンティックな人だと思いました。

アアルト大学の学生は環境をうまく活用し、起業を志す学生が多い傾向にあります(学生の約8割が起業に関心があると答えたアンケートがあります*画像参照)。そのマインドセットはどのように育つのかと、日本の状況も伝えながら尋ねたところ、次のように答えてくれました。「日本では移民がほとんどいないため、異なる視点に触れる機会が圧倒的に少ないのではないでしょうか。異なる視点を持つ人々と関わる中で感性が刺激されていくものだと思います。また、教育現場では教師と生徒の関係が対等であることが重要です。教師(教授)は生徒からのチャレンジを歓迎する姿勢を持つべきだと思います」。

もう一人は、学部からアアルト大学に通うベトナム人のKです。私より9歳年下ですが、その落ち着いた雰囲気から年齢差を全く感じさせません。彼女は良い意味で他人に流されず、しっかりとした自分の軸を持ちながら、向上心に溢れ、とても勉強熱心な印象を受けました。人事、特に人材開発の仕事に興味があるそうで、私が過去の経験を話したとき、丁寧に話を聞いてくれる真摯な姿勢には深く感心しました。

英語はネイティブレベルな上に、フランス語も流暢で、さらには現地就職の可能性を開くためにフィンランド語も学んでいるとのこと。同じアジア出身の身として心から感心しました。「私たちの共通点は、生涯学習を大切にしているところだね。私はココほどドラスティックではないけど、この授業ではこうやって貢献しようと決めて臨んでいるんだ」と言ってくれたのが、とても嬉しかったです。彼女はよく「The beauty of this is…」と言いながら、経験から本質的なエッセンスを切り取って話してくれます。その視点がとても素敵で、私も彼女のような視点を持ちたいと影響を受けました。

友達とシェアしたサーモンパイ。
フィンランドのサーモンは美味しい❤

以前にも書きましたが、私は社交的で、昔から友達は多い方でした。しかし、ストレングスファインダーでいうところの「親密性」が高く、さらに歳を重ねるごとに内向的な傾向が強くなっています。大人数でもテーマがあればいくらでも話せますが、テーマのないスモールトークには苦手意識があり、特に状況と設定によっては、ジャッジメンタルな雰囲気がただようネットワーキングイベントには、好んで参加することはありません。

ビジネススクールに通っているため、ネットワークイベントは頻繁に開催されていますが、メルボルンでは、そういった場にはできるだけ参加を避けるようにしてきました。その代わり、授業やプロジェクトなど、具体的な目的がある場で人と会い、しっかりと関係を築くことを重視し、そこから深い友情へと発展させてきました。こちらに来てから、心機一転、不得手なこともあらためてやってみようと思い、いくつかのイベントに参加してみました。もちろん、そこで得られた良い気づきや出会いもありましたが、やはり疲労感が大きかったのも事実です。。そんな中で、自分らしいスタイルに立ち戻ろうと思っていた矢先に、今回の二人との素敵な出会いがありました。つないでくれたチューターにも心から感謝の気持ちです。

なんと日本人のバリスタさんに会いました!
共通のお友達もいてびっくり。
とびきり美味しいフラホワ、ありがとうございました💓

先週に引き続き、授業に対する満足度は非常に高いです。ビジネススクールで習うようなことは自分で学べるという考え方もあり、私も同意できる部分はありますが、授業後、明らかに事前のリーディング課題で理解したレベル以上に深い理解、幅広い視点を得られた実感があります。教授の豊富な経験を引き出す意欲的な学生達も素晴らしい。私も、積極的に発言するようにしています。

特に印象的だったのは、概念に対して共通の理解を持つ重要性について学んだことです。ケースを基にKey Success Factorsについて議論する場面がありましたが、参加者それぞれが異なる理解を持っていました。教授によれば、Key Success Factorsとは「ビジネスにおいて誰が勝者となるかを決定づける要素」であり、「もしビジネスが上手くいかなければ、それはこれらの要素が勝者にアドバンテージを与えられていない」というものだそうです。この経験を通じて、共通の理解がなければメッセージは届かないこと、そして「これはこういう意味だ」と共通認識を確認することの重要性を改めて実感しました。

この話題に触れたとき、過去の自分の経験を思い出しました。一社目に入社してすぐ、地方の現場で研修を受けた際に、当時の人事戦略の中心となって久しい「エンゲージメント」や「ダイバーシティ」とは何かを問われ、驚いたことがありました。また、社内で飛び交うさまざまな専門用語に対して、私自身があいまいな理解や誤った認識をしていたことも少なくありませんでした。

一方で、アカデミアの場では概念に対して明確な定義を持つことが求められます。私も少しずつその経験を積む中で、言葉の意味をしっかりと考える習慣が身につきました。この習慣は、ビジネスの場だけでなく、さまざまな場面で大きな助けとなると感じています。

それでは、よい一週間になりますように^^


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