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【社会人留学】 Week6~Connecting the dots~

こんにちは!メルボルンでは春の訪れを感じるようになりました・・・と思ったのも束の間、ふたたびダウンジャケットを着るような寒さの厳しい日もあり、メルボルンらしさ(一日のなかに四季があるといわれています)を全身で味わっています。

Week6の振り返りに入るまえに、大変嬉しいことがありましたので、そのご報告から。
國學院大學さんご後援のもと開催されていた、「学び直し」をテーマにしたコンテストの入賞作品に選んでいただくことができました。

多数の応募作品の中で目に留めていただいたこと、「私の学ぶことに対する思いは、好きなことに取り組む人たちにパワーを与えるはず」と言っていただいたことに私自身が大変勇気づけられ、励まされる気持ちになりました。
人生の転機が直接的なきっかけとなり始めた大学院生活ですが、こちらに来て約2か月が経つ今、あらためて、これまでの人生の数々の点と点が繋がった結果生まれた、必然的な選択だったのだと感じています。
昔からの友人、大学院で出会った友人からも「(大学院進学は)私らしい選択だね」と言ってもらえることも本当に自信になります。まずは、社会人大学院留学という、大胆とも受け取られる挑戦を「人生最高の選択」にできるように、感性を研ぎ澄ませ、あらゆる経験からよくまなびよく振り返りながら、日々を過ごしていきたいと思います。そして、ライフキャリアを通じて、オーセンティックな私らしさを探求しつづけていきたいと思います。どんなときも私の味方でいてくださり、手を差し伸べてくださるみなさまに心からの感謝を申し上げます。

それでは、大学院生活の振り返りをしたいと思います。前々回の投稿で触れた「意思決定」に関して、綴ろうと思います。
以前ご紹介した、バリュークリエーションというマーケティングの授業をWeek3が終了した時点でドロップアウトし、夏休み中に履修することにしました。(私の周囲にも同様の選択をした人は複数人います)理由は、好成績を維持し奨学金を受給し続けるため、各科目に対するエンゲージメントを高め内容をより深く理解するためです。
前者について、25%の学費免除を受け続けるためには、毎学期一定以上の成績を取らなければなりません。Week3が終了した時点の感触や先輩方との会話を踏まえると、それはそれなりに高いハードルだということがわかりました。High Distinctionといわれる最高成績(80%以上)のもつ価値は非常に重く、あるクラスでは、最高成績をつけるにあたり複数人の教授が相互チェックし討議の上で確定するほどです。
私にとっては、ファイナンスやビジネス分析など門外漢かつ不得手の数学を扱うので、おそらく今期が最も成績を取りづらいと想定すると、授業を減らし、より多くの時間を不得手の科目に投下することが得策だと考えました。この決断にいたるまでにさまざまな葛藤がありました。授業を減らすことイコール妥協ではないかと悔しい気持ちになったり、グループに迷惑をかけてしまうのではと悩んだり、ドロップアウトする時点ではすでに9時間分の授業を受け、加えてグループプレゼンテーション、さらに約9時間の予習復習を行っていたことからそれを活かせないのは勿体ないなという感情も持ちました。ですが、自分が優先すべき原点に立ち返ったとき、ドロップアウトは最善の選択に思えました。
信頼するクラスメイトは、ビザ要件に問題がないか一緒に調べてくれました。他の友人も、"You are really good at adjusting direction on time to make yourself on the right track.(ココは、タイムリーに上手に軌道修正しているね)" と励ましてくれました。
在メルボルンの親友Mが言ってくれた「こういう決断ができるのは、ここ数年の経験があったからこそだなぁって思って、しみじみした。どんな決断でも私は常に味方だよ。焦らず、無理せずが一番!!」という心のこもったメッセージや、本当の姉のような存在で大好きなRさんがくださった「ドロップアウトという経験値もついて、枠が広がっているね。将来マネージャーになったときに悩んでいる人がいたら、その経験が糧になるね」という視点にも心から励まされました。
何が言いたいかというと、やはり、人生はチーム戦だということです。おかげさまで、ドロップアウトにまつわるネガティブな気持ちはなくなり、他の3科目に集中できています。授業が一つ減ったことで精神的ゆとりはできましたが、学期も後半戦に突入し、いずれの授業も益々難易度があがっているので、残念ながら、楽になった感覚は全くありません。。この決断を活かすためにも、まずはしっかりと成績を取れるように尽力します!

今週も、マネジメントコンピテンシーの授業を振り返りたいと思います。
Week6では、"Motivation"がテーマでした。米国の留学時も含めてみっちりと学んだ内容ですが、ビジネスの文脈で考えると、新たな発見も多くありました。ポイントを以下に記します。

1)外的モチベーションは、内的モチベーションを殺す可能性がある。そのため、報酬設計には工夫が必要

2)"Recognition / Validation(認めること)"は、報酬と並んで重要:ある実験では、仕事のアウトプットが無視されること(認めてもらえないこと)は、その場でアウトプットをシュレッダーで裁断されることと同程度にモチベーションの低下を引き起こすことが証明されています

3)人はそれぞれ異なるモチベーション、ニーズ、バリューを求めている:①達成感を求める人(よりよい仕事、問題解決に重きを置く)
②つながりを求める人(周囲との良好な関係構築に重きを置く)
③パワーを求める人(影響力の行使、責任の発揮に重きを置く)
→ 報酬にはバラエティー(カスタマイゼーション)が必要

4)不公平な対応は、モチベーションの低下を引き起こす可能性がある:オペラント条件付けの実験では、報酬としてナッツを受け取った猿が、隣でぶどうを受け取った猿に対して怒る姿を捕らえています。これを現実世界で考えると、同じ仕事をしたAさんとBさんに異なる報酬が与えられた場合、受け取った報酬が低いBさんは、以降、努力して良いアウトプットを出そうとしなくなる(悪い意味でアウトプットを調整する)可能性が示唆されます

5)報酬が全てではない:金銭的報酬には限界があるとことを理解する例として教授の実体験が参考になりました。教授がリーダーとしてプロジェクトに取り組んでいた際、メンバーの急な体調不良によって締切を守ることが困難になってしまったそうです。教授はその仕事に強い信念を持っていたためひどく落胆したそうですが、そこにCEOが来て、「あなたのプロジェクトは非常に意義のあるもので心から応援したい。私が手伝おう」と言って、手を貸してくれたそうです。CEOが自分の仕事を支持してくれたこと、協力体制が生まれるポジティブな職場環境に対して、強くモチベートされたそうです。私にも同様に報酬以外の側面で強く動機付けされてきた経験がありますし(むしろ金銭的報酬に動機づけされることの方が少ない)、皆さんにもあるのではと思います。

次に、①Expectancy Theory (期待理論)と ②Temporal Motivation Theory (時間的動機付け理論・・・無理やり日本語にしました) の観点から、目標設定のありかたについて検討しました。
①人は望む結果を獲得する期待を感じたときにモチベーションが高まりますが、②結果を得るまでに長く時間がかかる場合や、さらに短期的な結果を得ることに傾倒しやすい場合(個人差あり)にはモチベーションが低下する、というのがこれらの理論が説明することです。
授業では、①を高めるために、個人レベルでできること(自己効力感、自己コントロールの向上等)と組織レベルで対応すべきこと(サポート体制の構築、リソースの提供等)を検討しつつ、②を回避するためには、”スモールウィン(小さな成功を積み重ねていく)” や "エネルギーマネジメント" が有用であると学びました。

最後に、ロールプレイを行いました。それぞれが部下役・上司役・オブザーバー役として、15分の評価面接を行いました。私は上司役でした。マネジメント経験はありませんが、人事の実務経験や、産業カウンリングやキャリアコンサルタントを取得する過程での学習経験を活かすことができました。オブザーバー役・Mからは、「共感的に傾聴できていて、ラポール形成ができている。一方で、もう少し問題解決に焦点を当てた方がよい。ステップごとに部下が何をすべきかをより細かく確認すると良い。部下は、なぜ自分がその問題に陥っているのか、分析を深めると尚良い。」と、大変ためになるフィードバックをもらいました。仲間から学ぶ経験はとても貴重ですね。

余談ですが、マネジメントコンピテンシーは、約400人が7~8講座に分かれて受講しており、3人の教授が担当しています。教授は、学部の授業も含め他の授業も受け持っているため大変忙しい状況だと思われますが、登録している3つの授業の中で唯一、学期の折り返し地点でアンケートを実施してくれました。その中で、「よりクラスメイトと関わる機会が欲しい」という誰かの意見をもとに、早速ロールプレイを授業に取り入れたそうです。授業の質、教授のハイレベルなコミットメントにはいつも感動しています。

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。よい週末を★



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