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詩:浪費

電池が切れるように眠りに落ちて
目覚めると首の左側が痛い、固いソファのせいだ
歪んだ背骨、治らない猫背
まるで性格を写したような身体と生活習慣

飲み干せなかったプロテインの残り
つきっぱなしのテレビの液晶が写すグーグルChromeの色鮮やかな壁紙
いつか買うため机に貼った「VANSスリッポン7,700円」のメモ書き
隣の乾燥室では空気清浄機が控え目に鳴ってる

朝日が漏れるカーテン 焚かれたお香から登る南国風の香り 
家の横は158号線 車が地面を蹴り風を切る音が響く
健康な人々はすでに活動を始めていて
上の部屋からは掃除機が鳴り出した
少し遅れて動き出す1日
普通には追いつけないのは生まれつき
合わせる事による快感よりも不快感の方が勝る感覚は
何度目を覚ましても変わることなどなく

12時になり食べ出す朝食
1時間もすればまた来るまどろみを予想しつつ
村上春樹3ページもめくれば眠気が強まる
再び目覚めた外は薄闇がかり始める夕方
また明日から始まる 平日の忙しなさと
2日間与えられていた自由を またもや浪費したという後悔が 少しずつ爛れていくように胸の深くに堆積してゆく


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