ポートレート撮影その1「撮影を楽しむこと!」
皆さん、こんにちは。伊達市の橘内です。
広報写真に役に立つ撮影方法などの技術や思い、心構えなどをお伝えする3回目となります。
2回目で広報写真の本題のような「表紙」をいろいろとお伝えしました。その中で、次回はポートレート撮影(人物撮影)と予告したとおり、ポートレート 撮影をお伝えしたいと思います。
広報紙に掲載する写真って人を撮影する機会が多いと思います。もちろんまちの自然風景を使うこともあると思いますが、圧倒的に人がメインで撮影していると思います。そして、ポートレート撮影っていつも同じ構図になったり、表情を出すのに苦労したりと悩むと思います。また、自然光や人工の光の加減や、ストロボの使い方など、光でも悩むことが多いと思います。
その苦手意識を少しでも解消するためには「撮影を楽しむこと」が大事です。
先月、プロカメラマンが無料で撮影してくれる「I LOVE DATE 写真撮影会」を開催しました。そのカメラマンは、伊達市内で写真スタジオを経営されている方で家族写真、スタジオ撮影のカリスマカメラマンの馬場さん。現在、伊達な宣伝部長をやられているつながりから実現した企画でした。撮影では撮られる側も、撮る側も笑顔があふれてめちゃくちゃ楽しそうでした。馬場さん曰くは「撮影そのものを楽しんで、喜びや感動を味わえるのが僕の撮影だから。まぁ、私も撮影そのものを楽しむし笑。」と話してました。実際、撮影終了後に「楽しかった〜、また撮ってほしい」という声が聞かれました。(撮影の楽しそうな写真は掲載できなくてすみません。)
前置きが長くなりましたが、タイトルにもあるように撮影を楽しんでほしいと思います。撮る側が楽しくないと良い写真は撮れません。まずは、気の合う仲間でもいいですし、話を聞いてくれる後輩でもいいので、市内のスポットなどで撮影会をすることをお勧めします。私もこの投稿のために、自分の勉強のために撮影会をやってみました。今思うと撮影はめっちゃ楽しかったです。改めて撮影は楽しんだ方がいい写真は撮れると感じていますが、そのポートレート撮影でいくつか参考になればと思うことをお伝えします。
1 光の当たり方でどう変わるの?
皆さんも、光がどちらから被写体に当たっているか、気にしながら日々撮影されているかと思います。光には、太陽の自然光でも朝夕と日中では違うし、室内の人工的な光もあります。色も違えば、明るさも違いますし、被写体に光がどちらから当たっているかでかなり雰囲気が変わっていきます。
まずは基本に戻って、光の当たる向きを考えてみましょう。
①順光
被写体に対して正面から光が当たることです。一見、一番良さそうな感じですが、夏など光が強い時は眩しいからしかめっ面になったり、目元に影ができてしまうのでとても扱いが難しいです。
②サイド光
被写体に対して左右どちらからの方向から光が当たることです。私の中では万能型と思っています。影が必ずできますが広報紙で使う写真って、左右どちらかに少し向いていたり、紙面の左右のどちら側に配置するかで、その影がアクセントになって立体感を生み出しちょうどいい感じとなります。簡単に雰囲気の良い写真が撮れる光です。
③逆光
被写体の後ろから光が当たることです。当たる光の明るさによって、被写体が真っ黒で影しか写らないなど、扱いがとても難しい光です。でも、ストロボを当てたり、レフ板を被写体の前に置いたり、工夫すると頭の周りがいい感じにキラキラと輝き、髪のディテールをきれいに写し出してドラマティックな写真が撮れる光です。
光の当て方の効果①
光の当て方の効果②
室内での光の当て方の参考例
2 ポージングってどうしたらいいの?
ポートレート撮影の悩みと言ったら、「笑顔を引き出す」「撮影場所(背景)」と同じくらい「ポージング」をどうしたらいいのか悩むことないですか?毎回同じようなポージングになりやすいですよね。写真で伝えたいことが明確ならポージングもすぐに決まりますが、「明るく」「かわいい」「かっこよく」など抽象的なイメージの場合はなかなか決まらないと思います。
ポージングのポイントは
手足の場所を工夫する
立つ、座るを決める
視線の向きを工夫する
2人以上は並び方を工夫する
小道具を使う
ポージング参考例①
ポイントは、手を伸ばす・顔に触れる・窓や壁などに触れたり。立ち姿は足の位置に気をつけて平行に立たないようにどちらかを伸ばす・クロスさせる。
ポージング参考例②
ポイントは、見つめる時の目の表情。でもポージング以上に見つめる先に何かありそうだと連想される構図とシチュエーションかも笑。かっこよくは男らしさ。余談になるますが、立つより座ったり、しゃがんだ方が表情が緩みますので、硬い表情の時はしゃがんで撮影をお勧めします。
ポージング参考例③
ポイントは、2人が並ぶ位置。高さの違い、遠近の違いを使ってその2人の立ち位置を決めてポージングを考えます。
ポージング参考例(番外編小道具)
ポイントは、何もありません笑。小道具を使うと自然とモデルの表情を緩める効果があります。そしてポージングも決まります。
3 撮影する高さはどうするの?
基本的には、相手の目線の高さに合わせること。それが自然体の写真となり、誰がみても違和感のない受け入れやすい写真です。広報紙の中では誰にでも違和感のない目線の高さに合わせて撮影することを基本としてください。小さな子どもなら膝を下ろして低い位置から撮影してください。広報紙の中で紙面の上に配置する、下に配置するなどあらかじめ決めているときには、それに合わせて上に撮影するなら下から撮影したもの、下に配置する場合には上から撮影したものと、より効果が出す方法もあります。基本である目線の高さをベースに撮影する高さを変えて見ると雰囲気の違うものが撮影できるのでポートレート では、高さを工夫してみてください。
撮影の高さによる違い
4 やってはいけない撮影
ポートレート撮影では、NGとなる撮影がいくつかあります。基本と言われているのが、首切り、頭刺し、目刺しと言われる3つのパターンです。この写真は広報紙でも絶対に使わないようにしてください。
NG写真
5 最後に
ポートレート撮影で一番大事なことは、カメラに近い側の目にピントが合っていることです。特に日本人は、相手の顔の中で目を見て観察します。極論でいけば目で笑っているのか、楽しいのか、悲しいのか判断しています。日本人がマスクを外さないで生活できるのは目で判断ができるからかもしれないですね。
いろいろと書きましたが、広報紙の紙面づくりや取材と一緒で撮影の上達は経験です。場数を踏むこと、慣れること、そして楽しむことができるようになれば自然と思い描いた写真に近づけると思います。
6 次回
書き切れなかったものがたくさんあるので、また次回もポートレートについてお伝えしようと思います。焦点距離や構図、カメラの設定などをお伝えしていけたらと思いますので次回もお楽しみに〜。
こんなテーマをやってとか、こんなことを教えてほしいとかあったらぜひぜひお声を聞かせてください。伊達市の橘内でした〜。