【1982】化石燃料や原子力は絶えず失業を生み出す傾向がある
【1982年の卒論回顧】代替エネルギー開発におけるソフト・エネルギー・パス理論の有効性(4)
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第四に、ハード・エネルギー・パスは、輸送施設、貯蔵庫など大がかりな投資を必要とする。さらにはこれらの施設は、リード・タイムが長いうえ、あまりに大規模であるため技術者を疎外し、資本集約型の技術によるため絶えず失業を生み出す傾向がある。
これに対してソフト・エネルギー・パスとは、効率のよい技術によって、大幅に削減されたエネルギーの需要を、太陽熱、風力、小規模水力、バイオマスといったソフト・エネルギーで、需要の質と規模にあわせてまかなおうとするものである。
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すなわち、経済的な節約技術による対応で、機能を損なわずにエネルギー需要を徹底的に削減すること、再生可能な自然エネルギーを積極的に利用すること、移行期には石炭を中心として化石燃料資源を効率的に利用することといえる。
この需要削減はライフスタイルの変遷なしでも行うことが技術的に可能で、一般に考えられているような、エネルギー需要の増大と経済成長のつながりを断ち切ることが可能である。
(つづく)マガジン「ソフト・エネルギー・パス理論の有効性」に編綴
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