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稲刈り コンバインとバインダー 稲架の芸術

稲刈りの季節です。

今は、コンバインという機械で刈り取ることが多いです。
コンバインを使えば、4列、いや、大きいものでは10列以上をいっぺんに刈り取ることができます。
基本的に、車のように機械に乗って操縦しますから、歩きにくい田んぼを歩く必要もないですし、スピードも自転車くらいの速さで作業をすることができます。

しかし、小さな田んぼでぼちぼち稲作している人たちの中には、バインダーという機械で、のんびり刈り取る人たちがあります。
バインダーは、基本的に、一列ずつ刈っていきます。刈り取る速度は、後ろをついて歩いて操縦しますから、のんびり散歩するようなペースです。

コンバインは、刈り取ったあと、機械の中で、もみとわらに分けられ、わらは粉砕されて田んぼに撒かれます。
もみは、乾燥機へかけられて、もみを外す機械へ通し、精米されていきます。

一方、バインダーで、刈ると、もみは、わらについたままある程度の大きさで、紐で括られます。バインドされるんですね。
これを、稲架(はさ)というものにかけて行き、乾燥機の代わりに天日干しをするのです。
このとき、もみが下に来るものですから、茎の部分の旨味ももみに落ちてくると言われています。
また、天日で干しますから、乾燥機で急いで乾かしたものとは、全く別の美味しさがあります。
私は、甘みの質が異なっていると思います。天日干しは、やはり太陽の暖かさを感じる甘みを感じます。乾燥機は、トゲトゲしい甘さを感じます。


稲架で天日干ししたあとは、脱穀機で、もみとわらに分けます。
わらは、昔は売れましたが、今は、買ってくれる業者はありません。
ですので、手作業で、わらを切って田んぼに撒きます。
コンバインと比べると、労力は何倍もかかります。

コンバインは素晴らしい発明です。

しかし、私は、バインダーでぼちぼちやっていこうと思います。

その理由は、美しさです。

稲架の美しさは、芸術だと思います。

稲架掛けは大変な作業だと思いますが、芸術作品を作っているような、そんな楽しさも感じられる作業です。

稲架掛けの景色を見られるのは、この時期だけ。

みなさんも、少し気に留めて見てください。

真っ青な空の下、稲が刈り取られた田んぼに、整然と稲が掛けられている姿を。

バインダーで稲作をしている人は、年々減ってきています。

10年後にはもう、見られない景色かもしれません。

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