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心の病気を予防する!ストレスコーピングの重要性

「今日、あの取引先にアポの予定か・・・。遠いし、面倒なんだよな」
「なんであの人にネチネチ言われないといけないの?知らんがな!」
「ニュース見ても、老後の年金問題とか、事故のニュースばっかり・・・」

私たちの現代社会は、かつてないほどのスピードと複雑さで変化し続けて、日々、様々なストレスに晒され続けている状態ですね。辛すぎる・・・。

これらのストレスは、心身に大きな負担をかけ、うつ病や不安障害など、心の病気を引き起こす可能性を高めてしまいます。

ストレスを感じると、

・自律神経の乱れ
・心拍数や血圧が上昇
・筋肉の緊張など

身体的な反応が現れ、感情的にも不安やイライラ、怒りを感じやすくなります。

これらの状態が長期化すると、免疫力が低下し、様々な病気にかかりやすくなり、心の健康にも悪影響を及ぼしかねません。

ストレス自体は必ずしも悪いものではありません。
適度なストレスは、私たちを成長させ、目標達成の原動力となることもあります。

重要なのは、ストレスと上手く付き合うこと、つまりストレスコーピングです。

この記事では「ストレスコーピングの重要さ」について書いています。

・イライラしていて余裕がない方
・いつも「自分のこと」は後回しにしている方
・すぐに自分のことを責めてしまう人

現状の私も含めてのことですが、一緒に確認していきましょう。



ストレスコーピングとは?

ストレスコーピングとは、ストレスに直面したときにうまく対処する方法のことです。心身に与える悪影響を軽減するための様々な方法を指します。

上手にストレスをコントロールし、心身のバランスを保つことができることによって、単にストレスを解消するだけでなく、ストレスに対する抵抗力を高め、積極的に人生を送ることが目的です。

日々のストレスを解消するための行動を習慣化することで、私たちは困難な状況にも柔軟に対応できるようになり、心の安定を得ることができます。


ストレスコーピングの方法

ストレスコーピングの方法には、大きく分けて<問題解決型><情動焦点型>の2種類があります。

1.問題解決型

ストレスコーピングの1つに<問題解決型>があります。
ストレスの原因となる問題そのものを解決しようとする方法です。

例えば、

・仕事で抱えている課題について上司に相談する。
・人間関係のトラブルを話し合いで解決する
・つるんでいる友達と関係を断つ
・転職する(金銭、人間関係など)

ことが挙げられます。

時に「後悔はしない」という心と決断が必要ですが、ストレスの元凶となっている出来事自体を解決する方法です。


問題解決型の例え話(職場の人間関係で悩んでいる社員の場合)

○登場人物:・H太(会社員)・先輩A ・上司 ・人事部

H太さんは、職場の先輩Aからパワハラを受けており、仕事に行くのが憂鬱でした。

H太さんは、パワハラの具体的な内容を記録し、自分の感情を整理した上で放置することは許されない問題であると判断し、まず直属の上司に相談した。

「まぁH太の言うことは理解はするが、先輩Aが抜けられても困るから・・・」と言う理由で、H太の話に真摯に向き合ってくれない様子だった。

「上司に言っても埒があかないな・・・」と感じたH太。

確たる証拠を持ち、人事部に相談することにしました。

H太は、
「今まで上司に恩があったので、何とか穏便に済まそうと思っていました。これ以上、先輩Aからパワハラが続くようであるなら、法的措置も含めて検討します。」


いざとなったら辞める覚悟。心構えをしていたH太に譲る気はない。

ことの重大さをようやく理解した人事部。
先輩Aに対して処分が下った上で、パワハラは改善され、H太は安心して仕事に取り組めるようになりました。


問題解決のプロセスの説明(問題解決型)

1.現状把握
H田は、自分の感情の整理とともに、パワハラの具体的な内容を記録した。

2.問題の優先付け
放置することは許されない問題であると判断し、解決することを最優先とした。

3.解決策の検討
・上司に相談する:まず、直属の上司に相談し、状況を説明をした。
・人事部に相談する:上司に相談したが解決しそうにないと判断。人事部に相談。
・弁護士に相談する:パワハラが深刻な場合、弁護士に相談する心構え。

4.行動する
H太は、まずは上司に相談し、状況を説明しました。上司に相談したが、解決しそうにないと判断したので、人事部に相談を持ちかけた。
人事部は、ことの重大さに気づき、先輩Aの処分とパワハラの改善に尽力してくれた。

5.評価
H太は、安心して業務に取り組めるようになった。


2.情動焦点型

ストレスによって生じる感情(不安、怒りなど)に焦点を当て、その感情をコントロールする方法です。

例えば

・深呼吸をして落ち着かせる
・瞑想を行い、心の振れ幅を一定に保つようにする
・リラックスできる音楽を聴く
・汗を流す運動をする
・趣味に没頭して忘れる

などが挙げられます。

自分に合った方法を見つけることが大切です。


情動焦点型の例え話(夜遅くまで仕事が続き、睡眠不足と疲労困憊の状態)

○登場人物:D美

「全然思うように進まない・・・自分の時間すら、まともに取れない」
D美さんは、夜遅くまで仕事をしていたので、家のことが何もでいない状態になり悩んでいました。

朝、中々起きることができなくなったため、自分の身支度に追われ、睡眠不足や疲労感が常につきまとい、仕事も以前だったらミスしないようなことでミスをすることが多くなってきている。

ただでさえ、目まぐるしく動く日常の中で、D美はイライラしやすくなっていました。夜遅くまで仕事の繰り返し・・・休日は家事に追われて1日が終わる・・・。

ある日、「今日もようやく終わった」と、1日が終わった実感とともに残ったわずかな時間。D美は、何気なくひらいたYouTubeで「ウォーキングの効果」を再度認識させられた。

「このままダラダラ同じような日々を繰り返すのも嫌だな・・・」
「ウォーキングしたら、少しは変わってくるのかな・・・」

自問自答をしながら、その日は寝床についた。

後日

相変わらず慌ただしく日常は続くが、D美は以前には全く考えもしなかったウォーキングを取り入れたのだ。夜遅くは危険なので、以前よりも早起きして。
最初は15分程度から始めたが、続けていくと少しずつ心身のリラックス効果を実感する。

以前だったら、不安や苛立ちで寝つきが悪いことが多かったのだが、今は寝付きもいい。

次第に体調も改善し、仕事のパフォーマンスも少しずつだが向上してきている実感が湧いている。

また、明るくなってきたD美は、友人と話す時間を増やし、悩みを共有することで、心の安定を取り戻しつつある。

少しずつではあるが、D美は前向きに歩み始める。


問題解決のプロセスの説明(情動焦点型)

1.ストレスの認識
D美は[仕事と育児の両立が難しいと言う状況]で、[睡眠不足]や[疲労感][イライラしている]といった強いストレスを感じていた。

2.感情のコントロール
・ウォーキング
軽い運動でありながら、D美に気分転換になる効果があった。

・友人との会話
悩みを共有することで、孤独感が解消し、心が安定しだしてきた。

3.ストレス軽減効果
ウォーキングや友人との会話を通して、D美は心身のリラックス効果を実感し、仕事のパフォーマンスも向上した。


自分に合ったストレスコーピングを見つける

自分に合ったストレスコーピングを見つけるためには、様々な方法を試してみる必要があります。

・瞑想
・ウォーキング
・読書
・日記
・音楽鑑賞など

興味のあることを少しずつ始めてみましょう。

専門家(カウンセラー、精神科医など)に相談することも有効です。
あなたの状況を客観的に分析し、あなたに合ったストレスコーピングの方法を選んでください。

最近では、スマートフォンアプリで手軽にストレスチェックやリラクゼーションをサポートしてくれるものも増えてきています。自分に合ったアプリを活用することも、ストレスコーピングをサポートしてくれる手助けになるでしょう。


ストレスコーピングの長期的な効果

ストレスコーピングを継続的に行うことで、様々なメリットが得られます。
ここでは3点ほど紹介します。

①心のレジリエンスを高める
②生活の質が向上
③心の病気を予防する

以下より解説していきます。

①心のレジリエンス(回復力)を高める

心の回復力を高めることが、ストレスに対する抵抗力を高め、困難な状況にも柔軟に対応できるようになります。

・仕事で大きな商談が控えているとき
・人間関係で悩んでいる時
・予期せぬトラブルに見舞われた時など

時には、大きなストレスを抱える状況があるでしょう。
その際には感情的な反応より、冷静な対応が求められるはずです。

普段から心の回復に、自分の時間を割くことによってストレスがかかる状況にも対応できます。

②生活の質の向上する

生活の質が向上することによって

・睡眠の質が向上
・集中力が高まる
・人間関係の円滑化

ストレスが軽減されることで、容易に想定されるプラスの効果です。

時に困難な出来事に遭遇したり、面倒くさいことが連続したりすることもあるかもしれません。

「避けるわけにはいかない」場合、どちらが捗るのかは聞くまでもないことでしょう。自分の健康や精神状態、人間関係に至るまで向上する効果は、バカにできないものがあります。

③心の病気を予防する

ストレスが慢性化すると、うつ病や不安障害などの心の病気を引き起こすリスクが高まります。

心の病気を予防するメカニズムは主に

・ストレスホルモンの分泌抑制
・自律神経のバランスを整える
・「不安」「悲しみ」などの負の感情のコントロール

などです。

リラックスできる状態にする行動こそが、心の病気を予防する鍵となります。

人から勧められたものでもリラックスできれば、それに越したことはありませんが、あくまで自分に合った方法を探すことが大切です。


まとめ

ストレスは、現代社会において誰もが避けて通ることのできないものです。

しかし、ストレスコーピングを学ぶことで、私たちはストレスと上手に付き合い、心身の健康を維持することができます。

この記事では、ストレスコーピングの重要性と具体的な方法について解説しました。

①ストレスコーピングには[問題解決型]と[情動焦点型]の2種類がある。
②[問題解決型]は、ストレスの原因となる問題そのものを解決する方法。
③[情動焦点型]は、ストレスによって生じる感情に焦点を当て、その感情を
        コントロールする方法。
④自分に合った(状況、状態など)方法を探す必要がある。
⑤長期的な視野や継続的に行うことが、ストレスを改善するのに大切である。

ぜひ、あなたも自分に合ったストレスコーピング方法を見つけ、より豊かな人生を送ってください。

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