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【号外】現代風の金継ぎ的陶器修理に挑戦してみた!①

より簡単で忖度なく普段遣いするための金継ぎ。

年季の入った普段遣いのカップが今回のクランケ
こちらは上達した際の候補。手前のは相当難易度高そう

今回は予告通り、初めての金継ぎを
ご覧いただこうかと。
ですがその前に、今回は
あくまでも金継ぎ「風」であること、
そしてなぜその手法を選んだのかを
ご説明しておかないと。

あいつがやってる金継ぎはインチキだ!
なんて後ろ指さされないようにね。

金継ぎについていろいろと調べたのですが、
どうやら素人で、なおかつ修理したものを
バンバン普通に使う気である私にとって、
本格的な金継ぎは文字通り本格すぎるようで。

まずはとにかく、用意しなければならない
道具や材料が多いこと(=高コスト)。
私は金継ぎを趣味にしたいわけではなく、
必要に迫られて手持ちの器の一部を
修理したいだけなので。
あまりコスパ&タイパの悪い作業は
したくない、というのが本音。

次に本気の金継ぎは膠(ニカワ)で
接着するのですが、
ご承知のとおり、膠は天然素材。
こと安全性、という観点で言えば、
料理や飲物を盛り付ける器の修理には
適していますが、逆に強度があまりない、
という難点があります。

修復後の器をただ愛でるだけならいいのですが、
私はこれまで通りガンガンに使う気満々。w
なので膠では少し心もとないなー、
という懸念がありました。

とはいえ、化学合成された接着剤では、
食器として使うには抵抗感があり。

手軽さと強度、そして安全性。
それらをすべて兼ね備えた金継ぎ的手法が
今回のやり方、というわけです。

デフラグさんの科学的実証手法をそのまま採用。

もちろん、そんな夢のような手法を
私が編み出せるはずは1ミリも無く、
あれこれ調べてたどり着いたのがこちら、
デフラグさんのブログ記事でした。

いろいろなサイトを見て回ったところ、
素人にとってこれ以上に簡単かつ
普段遣いが可能な強度を持ち、
しかも接着剤の安全性もクリアしている
手法はなかった、というのがワタシ的結論。

とにかく、簡単、強力、リーズナブル
さらに食品に対して安全で、
食洗機、電子レンジOKな工法は
コレしかねー!ということ。

あくまでも個人の見解ですが、
もし他に優れた方法があったとしても
当分変えるつもりはありません。w

それぐらいよく考えられた方法だと
思います。
デフラグさん、心より感謝です!

まず魔法のボンドによる接着+欠け部分の充填。

左から魔法のボンド、お手軽すぎる金色塗料、たぶん使わない筆
本日のクランケはこちら。縁の欠けとヒビという軽症
よく見ると細々と縁が欠けております

今日は初めての作業ということで、
比較的症状の軽いものからトライしようかと。
ヒビが1箇所、欠けも小さな器から始めます。

まずヒビをふさぐため、
ヒビがある外側の部分を削っていきます。
これは少しでも接着面を稼ぐための作業。
やらなくても良いかも知れませんが、
器の硬さを体感する意味も込めてやってみます。

が、やはり焼成された器は硬いですねー。
手近なカッターでやってみましたが、
あまり大きく削ることはできませんでした。
※カッターによる作業はデフラグさん非推奨、
つまり完全自己責任による作業

またここで出た削りカス、つまり器自体の粉は、
ボンドの強度を増すための補助材として
使用するので、捨てずに集めておきます。

接着面を確保するために器外側のヒビ両側を削ります
だんだんヒビの部分が白く広がっているのがおわかりかと
分かりづらいのですが、ヒビの両側を削り終えたトコロ

そしていよいよボンドによる接着&盛り上げ作業。
フランクリンのタイトボンドⅢを使用します。
誤解を恐れずに言えば、
ベージュ色の木工用ボンド、のような使用感です。

実はこのボンドはアメリカ製。
その美点はリーズナブルさ、扱いやすさに加え、
優れた接着強度や耐熱性、耐水性。
そして何より特筆すべきなのは
アメリカの公的国家機関FDA(米国食品医薬品局)
による食品安全性承認を取得している
点。

つまり熱にさらされ、食品や飲み物に触れる
可能性が高い陶器のリペアに最適だということ。
日本製にも類似商品はありますが、
同様の認証を取っている商品はありません。
※すべてデフラグさんの受け売りですw

このボンドを容器に取り、先ほど削った
器の粉を補強材として混ぜ合わせます。
こういうときにプチトマトの容器が大活躍。w

欠けや穴が大きなときには
別途陶器のかけらを粉砕したものや
セラミックパウダーなどを混ぜて
パテ状にすればより安心です。
※そのへんの話は次回以降にお話します

細かい作業には爪楊枝などを
使用すればOK。
ボンドは硬化後少し収縮するので
やや盛り気味に塗るぐらいで大丈夫。
乾いてから修正するし、上から金彩するので
なんとでも誤魔化せるかなと。w

やや盛り過ぎぐらいでOK!気長に完全硬化を。

(元プチトマトの)容器にボンドを取り、削った粉と混ぜ合わせます
削り終えたヒビにボンドを押し込んでいきます
小さく欠けた縁にもボンドを盛り上げるように塗布します
内側からも塗布。ボンドは乾くと痩せるのでやや多めに、盛り上げるように
接着し終えたら24時間以上の乾燥・硬化が絶必。はみ出た部分は後でなんとかしますw

これでボンドでの接着&重点作業は完了。
このあとの完全硬化タイムが重要です。
最低でも24時間、まる一日以上
放置しておけば安心かと。

少々はみ出し、盛り上がり過ぎな感じですが、
これも味かな?と良きように
解釈しております、はい。w

というわけで、本日はここまで。
硬化後の修正や金彩、さらに焼付けなどは
次回以降にご紹介します。

ではでは、続きをお楽しみに!

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