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【後編】イギリスの地方都市からパリに旅行してみた【2023年夏】

中編はこちらから

この記事は、昨年2023年8月30日~9月3日に行ったパリ旅行の記録を、インターネット某所にて実況形式で掲載していたもの(※現在は削除されています)にもろもろ加筆修正してお送りするものです。
旅の情報はすべて2023年8・9月時点のものです。ポンド・ユーロ→円の換算も当時のレートで行っています。


4日目 ヴェルサイユ、パリ観光➂

ベルサイユはたいへんな人ですこと

9月2日、旅の4日目です。
今日はパリに行くなら絶対に行きたいと思っていたヴェルサイユです!

ヴェルサイユはパリ近郊にあります。調べたら色々な行き方があるみたいで直前まで迷っていましたが、今回は高速郊外鉄道(RER)に乗っていくことにしました。
パリ北駅からヴェルサイユまではだいたい1時間くらいです。

この旅で終始パリの交通料金体系がよくわかっていなかった私は、郊外に出るのが不安すぎてとりあえず一番確実に辿りつけそうな紙切符を買いました。

人に聞いても結局よくわからんかった、パリ交通

午前8時、サン-ミシェル・ノートル-ダム (Saint-Michel Notre-Dame) 駅に到着。ここからRERのC線に乗ってヴェルサイユ・シャトー・リヴ・ゴーシュ (Versailles Château Rive Gauche) 駅に向かいます。

近代的でかっこいい駅

ヴェルサイユ行きの列車が来ました。二階建て。

やや年季の入っていそうな車体ですが、日本語で「ヴェルサイユ宮殿行き」の案内!やっぱり昔から日本人観光客が多いんですね。

童心を忘れたくないので迷わず二階に上がります。

おヴェルサイユな車内

パリ市内は昔ながらの街並みがそのまま残っていましたが、逆に郊外は現代的な建物が多いですね。雰囲気が全然違って面白い。

午前8時50分、ヴェルサイユ・シャトー・リヴ・ゴーシュ駅到着。

宮殿付近には他にも2つぐらい駅があります

ここはもうヴェルサイユ宮殿に行く人しか降りないっぽいです。ここから宮殿までは歩いて15分ほどかかりますが、すでに人の波が出来ているので付いて行くだけ。

つ、着きました…!!
こんなに煌びやかな宮殿なのに暗雲が立ち込めて悪の根城みたいになってる。

遠くからでもわかる金キラ具合

朝一で来たのに入場待ちの人の列がすごいです!これはあのセリフを言うしかない

「きょうはベルサイユはたいへんな人ですこと」!!!!

初めてベルばらスタンプを正しく使えたことに喜ぶ図

エンジンかかってきたのでワクワクで中に入ります。午前9時過ぎです。

悪趣味なほど金キラだ!!!

ヴェルサイユには公式の専用アプリを入れていきました。マップはもちろん、かなり詳しい音声ガイド(日本語あり)も入っています。

アプリのマップを見ながら中に入っていきますが、ガイドを聞きながらなのと人がたくさんいるのとで、なかなか思うように進めません。
(ガイドはちょっと時間がなくて途中から飛ばし気味で聞いていました…)

中は本当に「地上にこんなに煌びやかな建物が他にあるか!?」というぐらい豪勢の極みでした。
これは庶民からしたら革命起こしたくもなる。

まずは王室関連のお部屋がたくさん並んでいるエリア。

美術品って本来こういうところにあるものなんだな…
間近で見る調度品、年季が入って味が出てる
天井ぜんぶこんな感じ
「太陽王」ルイ14世の像
ルイ14世の儀式室(le salon de mercure) 王様ベッドすぎる
教科書で見るルイ14世の絵だ!!!

たくさんの部屋を見学して、次はいよいよ鏡の間です。

すご~~~い!!!すご~~いしか言えない。
本当にここに来るとお姫様になった気分です。

私も名前と苗字の間に「ド」を入れたくなる。

もんくがあったらいつでもベルサイユへいらっしゃい!
たいへんな人ですこと…

鏡の間を出ると、お次はマリー・アントワネットのお部屋。

Princess…
アントワネット様

下の写真のキャビネット横の壁に入った切込みは、革命の暴徒が乗り込んできた際にアントワネットが逃げ出した秘密の扉だそうです。

ウホウホ言いながら撮った
ママン・レーヌ(お母様王妃)だ!

ヴェルサイユ宮殿と言えば、やはりアンシャン・レジーム期の貴族の華やかな暮らしや革命のイメージが強いですが、ナポレオン関連の部屋や展示もたくさんありました。

ダヴィッドの《ナポレオンの戴冠》

《ナポレオンの戴冠》はルーヴルにもありますが、こちらはルーヴル版とは1箇所違う点があるそうです。
下に4人並んだ女性のドレス、ルーヴルでは全員白なのですがヴェルサイユ版では1人だけピンクになっています。

違いを付けた理由は諸説あるみたいですが、服の色が違う人はナポレオンの妹・ポーリーヌだそうです

宮殿、本当に広くてどこをどこまで見たのかわからなくなる。

こういうところももっとじっくり見たかった…

今日も予定はギチギチなので、惜しいですが足早に宮殿部分の見学を終えました。午前11時過ぎです。
お昼はパッと食べられるものにしよう!と思って宮殿内のカフェに入りましたが、スタッフ不足みたいでお会計が長蛇の列でした。

キッシュと暑いのでコーラ。この日は30度くらいあった

Liminal Spaceに迷い込む

午後は庭園の方を回ります。
ヴェルサイユは宮殿だけでも広大ですが、庭園はその何倍もあります。
パリ・オリンピックだとちょうど馬術や近代五種で使われていましたね。贅沢なロケーションすぎる。

フランス式庭園
庭園側から見た宮殿

この日は庭園でイベントがあるとかで、庭園だけの入場料を€12払いました。イベントがない日は宮殿と同様にミュージアム・パスで入ることができたみたいです。

※正確に言うと、「庭園 (仏:Jardin, 英:Garden)」というのは宮殿の正面にあるフランス式庭園のことで、周囲のエリアは「公園 (仏:Parc, 英:Park)」などと呼び分けているようです。ややこしいのでこの記事では全部「庭園」で通します。

綺麗なお庭だ〜!

庭園内にはいくつか移動手段があり、レンタサイクルを使っている人が結構いました。
私も自転車借りれば良かったと心から悔いるのはこの数十分後です。

綺麗なお庭だなあ。

ん?なんか…

なんか縮尺おかしくない?

人間と庭ってこういうサイズ感だっけ?

なんか全部デカない?

庭園の中にはいくつか建物が点在しており、それらを回っていきます。
私は最初の目的地までミニトレインに乗りました。

がっくがく揺れる

この辺で違和感に気付きます。
おかしい。目に映るすべてのものがデカいです。生垣も池もなにもかも。

人間じゃないものが住んでる屋敷だと言われた方が納得できる。上位存在の庭

人間小さくない?

人知れず震えていたらミニトレインが目的地に着きました。

最初の目的地はグラン・トリアノン。ルイ14世の命で、宮殿本館に対しての離宮のような位置付けで作られたそうです。
内装はもちろん豪華ですが、オフィシャルな場である宮殿よりずっと小さくて、貴人のプライベートなお屋敷といった雰囲気です。

今写真貼って気付いたけどこの部屋の床ヒョウ柄だ!?
この部屋すごく好き、お洒落
周りの花々も本当に綺麗。晴れて良かった

グラン・トリアノンを出ると、良いお天気で緑も綺麗で、美しい景色が広がっていました。
せっかくなので庭園内の他のスポットを徒歩で巡ることにします。
これが地獄への入口だった。

オォン…

とにかく広い。
さっきも書いたけど巨人の庭みたいで道の広さも生垣の高さも寸尺がおかしい。
炎のゴブレットのクィディッチ大会で最後やらされる迷路みたいな感じ。

急に現れるクソデカ噴水

こんな景色がずっと続く。
頭おかしくなる。

backroomsかな?

さらに宮殿から離れるほど電波が悪くなります
何ここ、山奥?もしかして圏外になろうとしてる?

電波が悪いと言うことは、Googleマップを開いても正確な現在地が表示されないということです。
迷子です。

行きたい場所に全然辿りつかない。周りはひたすら続く緑の小径。
気付いたら人っ子一人いない。鳥さえもいない。
怖い。

軽く絶望しながら彷徨っていると、ようやく案内板が見えてきました。
You are here!みたいな表示を見ると、自分が思ってたんと全然違う場所にいます。どここれ。

案内板の前で茫然と立ち尽くしていたら、中年の女性2人組が傍にやって来ました。
久しぶりに見る人間です。

参考:久々に人間を見つけてはしゃぐ山奥の怪異
(星野桂『D.Gray-man』②)

彼女たちも迷っていたようで、同じように私を見て人類の生き残りを見つけたみたいな反応をしていました。
そうだよ。本物の人間だよ(ハグ)

話しかけてくれたので少しお喋りしました。おふたりはメキシコ出身で、1人はパリ在住とのこと。もう1人は休暇でフランスに遊びに来たそうです。
彼女たちが案内板の地図で大雑把な方向を把握してくれたので(私は無理でした)一緒に回ることになりました。
助かった。このままどこにも辿りつけずに遭難するかと思った。

3人でしばらく歩いていると牧場のように柵で囲われたエリアが見えてきました。

生命だ…!

豚さんヤギさん羊さん鶏さんなんでもいます。やったーー!かわいい!

ヴェルサイユほかほかファーム

「王妃の村里」と呼ばれるエリアに辿りついたようです。
華やかな宮殿とは対照的な、牧歌的で素朴な魅力があります。

ここ、あれですよね…!宮殿が嫌すぎてアントワネットが引きこもって農業やってた場所…!ベルばらで読んだやつだ!

建物の中は入れないっぽい

暑すぎてこのエリアにあった売店で水を買いました。€3(約470円)。お姫様プライス。

王妃の村里を出てもうしばらく歩くと「愛の神殿」が見えてきました。ここはアントワネットがフェルゼンと密会してた場所ではないのか!?

アムールを感じる

ここ写真で見てたときは公園の東屋ぐらいのイメージだったんですが、実際見てみたら全然デカかったです。ヴェルサイユサイズ。

人間小さくない?(2回目)

ベルばらを読んでいたときは「どうして貴族はこんなにたくさん貴族が集まっている場所で逢引をするのか」と疑問に思っていたのですが、そりゃこんなけ広けりゃバレへんやろ!ってなるわな。

愛の神殿からもう少し歩くと「プチ・トリアノン」が見えてきました。
アントワネットが宮殿を逃れて滞在していた離宮です。
(先ほどの王妃の村里や愛の神殿も「プチ・トリアノン」の敷地の一部みたいです)

内部はグラン・トリアノンよりもさらにこじんまりした感じです。

ザ・プリンセスのおうち!って感じ
アントワネットといえばの肖像画
これがミステリの洋館でしか見ない「遊戯室」か…
かわいらしいチャペル
外から見たプチ・トリアノン

ここは結構狭くて人が多かったので、見学している間にメキシコ人のおふたりとははぐれてしまいました。
とっても良い人たちだったので、記念に写真とか一緒に撮ってもらえばよかったな…

プチ・トリアノンを出たらそろそろ帰る時間です。
帰りのミニトレインに乗って宮殿前まで戻ります。

まじで遭難者出てない?大丈夫?っていう広さ

今日は夕方からパリでオペラ座のツアーを予約していたので、それに間に合うよう15時頃にヴェルサイユを出ました。
公園ではピクニックをしている人もいましたし、建物ももう少しじっくり見られたらなという感じだったので、丸一日ゆっくりしてても楽しめる場所だと思います。

宮殿入口にあるルイ14世の像。帰りもお見送りしてくれます
ヴェルサイユ・シャトー・リヴ・ゴーシュ駅に帰着

ヴェルサイユ、本当に楽しかったのですが、実は下調べも含めてここが一番大変でした。何もかも複雑でよくわからない。
まず最寄り駅3つぐらいあるし、パリからの行き方も色々あるし、ミュージアム・パスで入れる範囲もよくわからない。宮殿だけなの?庭園も行けるの?
日によって庭園に入れたり入れなかったりする。ミュージアム・パスで庭園まで行ける日とそうじゃない日がある。
あと中も広くて普通に迷う。私どこまで見た?この部屋どうしたら行けるの?
庭園は広いなんてもんじゃない。遭難する。ここで遭難できる自信がある。
準備段階も含めて結構へとへとになりますので、自力で行こうとしている方はご注意ください。
でもそういう苦労があってこそ個人旅行は楽しいんですけどね。

オペラ座(オペラ・ガルニエ)

16時頃、パリに戻ってきました。オペラ座(オペラ・ガルニエ)のガイドツアーに行きます。

残念ながら工事中で、オペラ座の正面は丸々足場に覆われていました(執筆現在も工事中みたいです)。

2日目に前を通った時撮った写真なので曇りです

工事の影響だったのか公式ホームページで普通の入場券が買えず、この時はガイドツアー(英語)付きの入場券を買ったのですが、行ってみたら普通に入っている人もいました。なんだったんだろう。

中に入ってガイドの機器をもらいます。

とりあえずここで待っててね〜という感じだった
天井、よく見ると設計者シャルル・ガルニエ (Charles Garnier) の文字

ツアーは1時間半。フランス語訛りのお兄さんが説明してくれました。
(語頭の"h"を落として発音していることに最初気付かず、知らない単語がたくさん出てくるなと思っていました…)
でも丁寧かつ明快な説明で、とても良いガイドさんでした。
オペラ座が出来た頃のダンサーと観客の関係や、観客のトイレ事情など興味深いことを色々教えてくれました。

公演がない時間なので客席に座らせてくれた
2階席のみんな〜⁉️

オペラ座自体、人から勧められたからというだけで最初はあまり興味はなかったのですが、このガイドツアーがとても面白くてあっという間に1時間半経ってしまいました。
内装も想像していたよりずっと美しくて、閉館だよ!と追い出されるまで見入ってしまいました。

シャガールが描いた客席の天井画
きんっきらきん…
ここ歩いたらもうスターでしょ
東方正教会のモザイク画みたいな美しい装飾

満足度120%だったので売店に寄って自分用のお土産を色々買いました。来てよかったオペラ・ガルニエ。
せっかくなので次に来るときはバレエとか見たいですね。高そうだけど。

お買い物

18時頃オペラ座を出て、周囲をお散歩します。
まず姉に頼まれていたお買い物です。フラゴナール (Fragonard) という香水のショップに行きました。場所はオペラ座から歩いて2分くらい。

パリの香水屋さんってハードル高そうだな、と震えていたのですが、入ってみると手に取りやすい価格のオードトワレなんかもありました。思わず自分用も購入。

これで€20くらい。お店も可愛かったんですけど写真撮り忘れました…

続いてギャルリー・ラファイエット・オスマン (Galeries Lafayette Haussmann) という百貨店にやって来ました。パリでは有名な老舗デパートです。

足!

ここで何か買うほどの財力はなかったので、雰囲気を味わうに留めました。
中央の天井がとても美しいです。ここは季節によって飾り付けが変わるそうです。楽しいね。

ここの屋上テラス、無料で入れて景色がすごく良いよ!とおすすめしてもらいました。
混んでたので私はやめましたが、行く機会のある方はぜひ。

パリ市内散策

この日は夜に凱旋門に登ろうと決めていたので、それまでの時間は行けたら行こうと思っていた場所巡りです。

地下鉄に乗ってバスティーユ広場まで来ました。
ここは1789年7月14日にバスティーユ牢獄の襲撃があった場所です。

7月14日は革命記念日として、今でもフランスの人たちにとっては1年で一番大事な日と認識されていますね。

牢獄の痕跡が残っているわけではありませんが、中央の像には1830年の7月革命(1815年に復活した王政を再び打倒した市民革命)を記念する碑が刻まれています。

台座部分に"27 28 29 JUILLET 1830"の碑

ポジティブな歴史であれネガティブな歴史であれ、こういう人間の歩みを形あるものとして留めておこうという営みを目にすると涙腺が緩みがちです。

すぐ隣にはオペラ・バスティーユ(新しいオペラ座)があります。

ガルニエ宮と対照的にモダンでかっこいい!
よい水辺 こういうところでボーッとしたい

ちょっと自分でもなんでこんな非効率な動き方をしたのかよくわかりませんが、当時の写真フォルダを見返すに、このあと地下鉄でバスティーユからもう一度オペラ・ガルニエの方に戻ったようです。
多分じわじわと凱旋門に近付くようにしたかったんだと思います。
いかに計画性のない旅をしていたのかがわかります。

前だけ通ったマドレーヌ寺院
コンコルド広場再訪。容赦なくラグビーカラーに染められている

20時半、お腹が空いて倒れそうなので夕食にします。
周りにあまりお店がなかったので、かなり勇気を出して高級そうな構えのお店に入りました。
ここに入るのに10分くらい店の周辺をうろうろしてしまって店員さんに心配そうな目で見られました。

半テラス席に通してくれた。涼しくて気持ち良い

私の目から見るとフランスのお店はどこも高級そうに見えるのですが、ここは「ブラッスリー」で、昨日お昼を食べた「ビストロ」よりむしろカジュアルなランクのお店みたいです。
ブルボン宮殿(現・国民議会議事堂)の裏という立地にビビりました。

給仕をしてくれたロマンスグレーのおじさまは英語を話さないみたいでした。地元の人が多い店なのかも。
しかし嫌な顔はされず、ジェスチャーや絵で一生懸命コミュニケーションを取ってくれました。優しい…

奥のフランス国旗が掛かってるのがブルボン宮

なんとなく以前から憧れがあった「バケツに入ったムール貝」(絶対に正式名称ではない)を注文します。
白ワインとニンニクが効いてて最高のお味でした!付け合わせのポテトもカリッとしてて美味しい。

貝殻をトングにするやつ、やってみたかったんだ…

凱旋門に登る

エトワール凱旋門は23時まで開いているということで、夜景を見にやって来ました。
この時点で22時15分くらいだったので、入場時間ギリギリです。

凱旋門はロータリー式交差点に囲まれているので地下道から入ります

50m近くの高さを階段で一気に上がります。休憩できるところがないのでかなりしんどいです。

上階には小さな展示スペースがありました。みんなここで息整えてる。

門の真下の映像が映るモニター

ようやく一番上に出てきました。ちょっと寒い!
そしてやっぱり綺麗!!!!

月も綺麗な夜

昼間の方が都市計画の整然とした美を実感できるのかもしれませんが、夜景の美しさは言わずもがなですね。

ずーっと動き続ける車の列、見てて飽きない

高いところはあまり得意ではないのですが、ここは降りるのが惜しいくらい美しかったです。

閉館時間が来たので下に降りて凱旋門の足元から出てきました。

あまりにもデカい…

凱旋門の足元には第一次大戦で命を落とした無名戦士の墓があります。

毎晩火を灯してるのかな

凱旋門からの帰り、乗るバスがわからなくて結構歩くことになってしまいました。夜の街を歩くのは神経も使うのでかなり疲れます。
無事に宿に戻り、しっかり休みます。

4日目、オペラ座以降のルートはこんな感じです。無駄な移動が多い。

5日目 最後のパリ観光、そしてイングランドに帰る

荷物どうする問題

9月3日です。いよいよ最終日がやって来ました。
昨日までで相当疲労が溜まっていたので今朝はゆっくり休んで、午前9時半頃に宿をチェックアウトします。

初日の記事で「パリで現金は使わなかった」と書いてしまったのですが、実はここで現金を失ったことが響いてきました。
身軽になるために宿に荷物を預けようとしたところ、有料ロッカーしかなく、しかも現金しか受け付けないと言われてしまったのです。
大箱のドミトリーだったからか、フロントに預けるという選択肢はないみたいで…安い宿はこういうことがあるので難しいですね。

ただ、こういう時のためにBounceというアプリを入れていました。

コレだ!

最近は日本でもこういうアプリありますが、コインロッカーがあまりないヨーロッパでは以前からよく使われています(Bounce以外にもあります)。
コインロッカー代わりに、個人商店などで有料で荷物を預かってくれるサービスです。
パリほどの観光都市なら街中のいたるところに預り所があるので、幸い私もすぐに預け先を見つけることができました。支払いもオンラインで済むので現金がなくても大丈夫です。助かった…
(ただしサービスの質はお店の人によります。私はイギリスの某都市でこれを使ったとき、荷物をピックアップしに行ったら対応をかなり後回しにされ、危うく帰りの電車に乗り遅れそうになりました)

モンマルトル

無事に荷物も預けられたので、パリの北部にあるモンマルトルという地区に向かいます。午前10時前。

メトロ(地下鉄)のAnvers駅

モンマルトルはフランスを代表する芸術家たちが若き日を過ごした街として知られていて、今でも若いアーティストが集う活気ある街です。
そしてフランス映画『アメリ』の舞台でもあります。
私はここに来るためにパリ旅行直前に『アメリ』を予習してきました。

今回最初に行くのはサクレ・クール寺院。パリの街を見下ろす高台の上に建つ大きな寺院です。

奥に見える白い建物がサクレ・クール寺院。
左のメリーゴーランドは『アメリ』で何度も出てきたやつですね…!

モンマルトルの特にこの辺りはあまり治安が良くないと聞いていました。
たしかに謎の用紙にサインさせようとする勢力やミサンガ売りの人々がいましたが、そんなに強引な人はいませんでした。
ただ観光客が多いのでスリには注意したほうが良さそうです。

サクレ・クールまでは階段が続くので、ちょっと大変です。
正面から見たサクレ・クール、綺麗!白亜の城という感じ。

階段の途中から見下ろした街並

遠くからだと遠近感が狂ってよくわかりませんが、寺院の真ん前まで来るとそのデカさがわかります。

でっか~~い!!

寺院の正面に立って振り返ると、パリの街を一望できます。

入場は無料でした。
ちょうど日曜日で信徒の方がたくさんお祈りに来られていたので、内部の写真はちょこっとにしておきます。

でも中も本当に美しくて大きくて聖らかな場所だったので、ぜひ行ってみてください…!

サクレ・クール寺院を出て、モンマルトルを散策します。
お土産屋さんやカフェの他にも、似顔絵描きや画商が集まっていて独特な雰囲気のある街です。

急にフォトジェニックな景色が現れる
こういう小さな美術館がいくつもあった
坂が多い…!
街角のアートを眺めながら語らう人たち
パックマンの敵
拙者こういうテラス席に占領された隘路大好き侍

モンマルトルには、3日目にオルセーで見たルノワールの代表作《ムーラン・ド・ラ・ギャレット》の「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」がありました。
現役なんだ!

下の写真はゴッホが弟のテオと一緒に住んでいたと言われているアパルトマン。
周り誰もいなくて本当にここかな?と半信半疑でしたが合ってるっぽい。

そしてもう一つ、モンマルトルで行きたかったのがここです!

おわかりいただけるだろうか…

『アメリ』を観た人ならわかると思うのですが、主人公アメリが働いているカフェ(のロケ地)「カフェ・デ・ドゥー・ムーラン」です!

映画そのまますぎ…!

これはちょっと感動。

ちゃんとアメリのポスターも貼ってある!

このお店では映画にちなんでクレーム・ブリュレを頼むのがセオリーらしいのですが、メニューから見つけられず適当なものを頼んでしまいました。

フルグラみたいななにか(美味しかった)

周りを見たらみんな普通に頼んでいたので、ちゃんと店員さんに聞けばよかったです。

モンマルトルにはあの有名な老舗キャバレー「ムーラン・ルージュ」もあります。
オリンピックの開会式ではここのキャストさんたちが踊ってましたね。

いつか行ってみたいな~

国立近代美術館(ポンピドゥー・センター)

正午過ぎにモンマルトルを出て、ポンピドゥー・センターというところにやって来ました。
3日目に散歩で行き着いたサントゥスタッシュ教会の近くです。

coolな建物

こちらは複合施設ですが、中に国立近代美術館が入っています。
この日は第1日曜日だったのでパリ市内のほとんどのミュージアムが入場無料でした(この日のルーヴルとかめちゃくちゃ混むらしいです)。
国立近代美術館もこの日は無料で、人がたくさん来ていました。

ここに来た目的は藤田嗣治(レオナール・フジタ)の絵を見ることだったのですが、展示室をいくつ回ってもない…
スタッフさんに尋ねたら「今は一枚も展示室に出してない」ということでした。残念。

短い時間でしたが、シャガールなどの絵を堪能します。鶏さんかわいい。

シャガール《エッフェル塔の新郎新婦》
展示室の構造もユニークで面白かった

ポンピドゥー・センター自体も近未来的でクールな建物だったので、また機会があったら近代美術館以外も回ってみたいと思います。

美術館の外のテラス
ポンピドゥー・センターの向かいにいた化け物。怖い

最終日のルートはこんな感じです。

ずっと最寄り駅として使ってた北駅、今までの地図よりかなり北にありました

そしてイングランドに帰る

そろそろイングランドに帰る時がやって来てしまいました。
第1日曜日はシャンゼリゼ通りも歩行者天国になるので本当は行ってみたかったのですが、ここからシャンゼリゼ通りまで行ってると確実に帰りのユーロスターに乗り遅れるのでグッと我慢します。
(でも20秒くらいどうしようか迷いました)

預けていた荷物をピックアップし、北駅に戻ってきました。
まだまだ行き足りないところはたくさんありますが、きっといつかまた戻ってこられることを信じてパリとはお別れです。

北駅のユーロスター乗り場入口

行きと同様にセキュリティチェックとパスポートコントロールを通ります。
混みすぎててちゃんと間に合うか怖い。実はこの時点で発車時刻まで40分くらいです。
正直ポンピドゥー・センターに行ってたのもかなりの暴挙なくらいギリギリで滑り込んでいます。

何とか間に合ってユーロスターに乗り込みました。へとへと。

ユーロスターはディズニーランド・パリにも乗り入れているので、車内にはお土産のぬいぐるみをギュッと抱きしめた子供たちがたくさんいてなんだか泣きそうになってしまいました。ノスタルジー

めちゃ混みの売店でわけもわからず買った遅めの昼食、最後のフランスの食事がこれってちょっと悲しい。

イギリスでも買えそうな謎パスタ

またユーロスターに揺られて2時間半。

イギリス時間で16時半、無事にロンドンのセント・パンクラス駅に帰ってきました。
英語の世界に戻ってきて一安心です。

帰りに通ったキングス・クロス駅には「君もヴォルデモート卿とろう!」的なレゴのフォトスポットがありました。

ヴォ卿生き生きしてる

ロンドンで遊んでいきたい気持ちもやまやまですが、荷物もあるのでエクセターに戻ります。

行きはサウスウェスタン鉄道(SWR)を使いましたが、帰りはグレートウェスタン鉄道(GWR)で帰ります。こちらの方が早いです。

GWRが出るパディントン駅に着きました。くまのパディントンがお出迎えしてくれます。かわいいね。

パディントン駅
みんな遠慮して座らないベンチ

GWRのこのタイプの車体は日立製作所が作ったものらしいです。心なしか新幹線に似ています。
これと同じタイプがスコットランドとロンドンを結ぶ線でも走っており、その列車には「AZUMA」という日本語の名前が付いています(と鉄オタの友人に教えてもらいました)。

パディントン駅のマークス&スペンサー(スーパー)で買ったお弁当とおビールで旅を〆ます。

ロンドンの地ビール、美味しい

GWR、車内もちょっと新幹線に似てる気がしなくもありません。
座席の上にどこからどこの区間まで予約された席か表示されてるのですが(これ日本にもほしい)、GWRに関して言えば、ほとんどの人は指定通りの席に座ってない気がします。なんなんだ。

車窓からの景色。
古代ローマの浴場跡で有名なバースの駅ですが、そのくらいの観光地でも駅はこの程度の規模感。
良き田舎、イングランド。

ほぼ無人駅

牛さんと夕日…
良き田舎イングランド…

エモすぎて泣きそう(酔ってる)

長旅を終えてExeter St David's駅に帰ってきました。

これで4泊5日のパリ旅行も終わりです。

日本に帰ってきてしまった今では、この見慣れた片田舎の駅もめちゃくちゃ懐かしくて物思いに耽ってしまいます。

約1年前の旅をまとめた記事のため、細かい部分は記憶違いもあるかもしれませんが、私にとっても良い振り返りになりました。
円安と物価高でヤバいですが、また気軽に旅行に行ける時が来たらいいなと思います。

ミュージアム・パスを買おう

最後ですが、旅の始めに購入したミュージアム・パスでいくら得したのかをまとめてみたいと思います。
※入場料や換算レートはすべて2023年9月時点のものになります

オンライン手数料も含めて€73.15(96時間有効)で購入

結果は約8200円の得になりました。
第1日曜日が被らなければ計算上はもうちょっと得します。なかなか良いですね。

パリに行ったらミュージアム・パスを買おう。



当初は前・後編にサクッと収めるつもりだったのですが、書いているうちに卒論ぐらいのボリュームになってしまいました。

最後までお付き合いくださった方、本当にありがとうございました。
なにかの参考になるかはわかりませんが、お楽しみいただけたなら嬉しいです。

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