【中編】イギリスの地方都市からパリに旅行してみた【2023年夏】
前編はこちらから
この記事は、昨年2023年8月30日~9月3日に行ったパリ旅行の記録を、インターネット某所にて実況形式で掲載していたもの(※現在は削除されています)にもろもろ加筆修正してお送りするものです。
旅の情報はすべて2023年8・9月時点のものです。ポンド・ユーロ→円の換算も当時のレートで行っています。
3日目 パリ観光② 美術館ハシゴデー
オランジュリー美術館
9月1日です。今日は結果的に美術館を3つハシゴすることになりました。熱出そう。
まずはモネの《睡蓮》で有名なオランジュリー美術館です。北駅から地下鉄で向かいます。
パリの地下鉄も出来てから100年以上経っていますが、ロンドンの地下鉄よりホームも車内も広くて綺麗な感じがします。
オランジュリーもミュージアム・パスで入れますが、時間指定予約の枠がすべて埋まっていたので朝一で並ぶつもりで8時半にやって来ました。
9時開館なのですがどうやら勇み足だったようです。誰もいません。
見学は長丁場を覚悟していったのですが、結構こじんまりとした美術館でした。じっくり見ても1時間ぐらいです。
中は意外と現代的なデザインです。朝一だったからか、ゆったり鑑賞できました。
入ってすぐ、モネの《睡蓮》専用の展示室があります。
この美術館はやはり《睡蓮》が目玉なのですが、下の階に展示されている他の画家たちの絵も良かったです。
ここはミュージアムショップも良かったです。日本の美術館にもありそうなグッズのラインナップでした。お土産に良いかも。
オランジュリーの隣には、フランス革命の頃には処刑場だったコンコルド広場があります。
この時はラグビーW杯の準備で全く入れませんでした。辛うじてオベリスクが見えます。今もオリンピックの会場になってますね。
この時点では夕方にルーヴル美術館の予約があるだけで、あとはノープランでした。ぶらぶらしながらどうしようか考えているところです。
ルーヴル周辺散策
前日にも行ったテュイルリー庭園を通ってルーヴルの前まで散歩します。
ルーヴルと庭園の間にはカルーゼル凱旋門というエレガントな凱旋門があるのですが、工事中のためハリボテのすがたにされています。かわいそう。
本来ならこの門からルーヴルのピラミッドが見通せるそうです。
そこからルーヴルの前を通り、パレ・ロワイヤルに向かいます。
ベルばらに出てきたやつだ!
パレ・ロワイヤルの周りは、カフェやアパレルショップや雑貨屋が立ち並ぶおしゃれプレイスになっていました。
フランス国立図書館(BnF)
行こうか迷っていた場所があったのですが、ちょうど近くまで来たので寄ってみることにします。
パレ・ロワイヤルのすぐ北にあるフランス国立図書館(Bibliothèque nationale de France, 通称BnF)です。
用があるのは図書館そのものではなく、図書館付属の博物館です。
おそらくあまり外国人観光客は来ないところなのではないかと思います。
というのも、中に入ったら英語の案内が一切なかったからです。
ここはミュージアム・パスの対象ではないので、とりあえずチケットを買うために売り場のおばさまに英語で声を掛けます。
私が英語を発した瞬間に全力拒否を示されました。
辛うじて彼女が「英語話せる人呼んでくる」的なことを言っているのは聞き取れたので、そのまま待ちます。
なんというか私も焦ってるけど多分私よりおばさまの方が数倍パニクってるっぽい。
入口をくぐるとき英語で挨拶してくれたスタッフの女性が慌てて飛んできて、なんとかチケットは買えました。
フランス語の単位取ったはずなのに「チケットください」ごときの日常会話も出てこなかった自分を恥じました。びっくりさせてごめんね。
BnFの博物館には古代ギリシア陶器のコレクションがあります。壺が好きなので見に来ました。
古代の展示品が多いですが、それ以降の時代のものもあります。
博物館側から図書館の内部も見ることができます。かっこい~!
一人飯をする
博物館を出て13時、お腹が空いたのでお昼にします。
「ビストロを名乗る店なら一人でも入れる」という友人の言葉を信じ、Googleマップで適当なところを探してみます。
良さげなお店あった、けどやっぱり怖い…
店の前で挙動不審でいたら、お店の人から声を掛けてくれました。日本語で話しかけてこられたので観光客ウェルカムな店っぽいです。
外国人観光客にやたら声掛けてくる店員さん、いつもはちょっと苦手なのですが、このときはありがたみを噛みしめました。
周りを見るとテラス席で一人ワインを嗜んでいるおじさまもいます。意外と一人飯する人いるんだな。
店員さんが持ってきてくれたボードから「カルパッチョ」という文字だけを見てそれを注文しました。
お魚だと思ってたら運ばれてきたのは牛肉のカルパッチョでした。初めて食べたけど美味しかったです
ギャルリー・ヴィヴィエンヌ
近くにあったギャルリー・ヴィヴィエンヌ (Galerie Vivienne) というショッピング街です。
ここにも観光客向けの飲食店たくさんあったので、ここで食べても良かったかもしれない。
ここのおもちゃ屋さんにあった鶏のぬいぐるみがとても可愛くて、買おうか迷って結局やめてしまいました。いまだに後悔しています。
あてもない散歩、思わぬ出会い
ギャルリー・ヴィヴィエンヌを出てあてもなく彷徨います。
16時予約のルーヴルまでまだ2時間ほどあります。
この辺りは金融街っぽい雰囲気です。
証券取引所までやって来ました。
時間的に微妙だったので中には入りませんでしたが、この中にある美術館の設計は安藤忠雄が手掛けたそうで、当時の密着ドキュメンタリーを見たような記憶があります。行ってみたかったです。
そこからさらに放浪を続けます。
急に開けた場所に出て、めちゃくちゃ大きな建物が目の前に現れました。
何かわからないけど自由に入れそうなので入ってみます。
うおおお……!!!!
巨大かつ荘厳なゴシック様式の教会。
Googleマップで調べると「サントゥスタッシュ教会 (Église Saint Eustache)」という名前が出てきました。
気ままな散歩でこんなに美しい場所に出会えるとは思ってもいなかったので、しばらく茫然としてしまいました。
目的地が決まっている旅も良いですが、やはり偶然辿りついた場所の美しさは忘れがたいです。こういう出会いを求めて旅してるところある。
サントゥスタッシュ教会を出て、すぐ横のショッピングセンターみたいなところに入りました。
フランス旅行の便利スポットとしてよく名前を聞くモノプリ (Monoprix) に行ってみます。スーパーとホームセンターが合体したみたいな店。
ずっと北駅のドミトリーに泊まっているのですが、実は荷物を入れるスペースに鍵が付いておらず(スタッフに聞いたら自分で用意してね!と言われた)、今日の今日まで荷物を無防備に放り出していたので、ここで南京錠を買います。
あとフランス土産の定番、モノプリのエコバッグも買いました。
迷宮ルーヴル
16時になりました。いよいよパリ旅行のボスと言っても過言ではないルーヴル美術館を倒しに行きます。
子供の頃からずっと来たかった場所です。
16時入場のタイムスロットを予約してあります。この日の閉館時間は21:45でしたので、6時間近く滞在できることになります。
しかし一説によればルーヴル美術館の全展示物を真面目に見ていくと1週間はかかるそうです。1週間分の6時間。塵。
入口となるピラミッドの周りにはとんでもね~数の人が並んでいます。
ははぁ、時間指定予約してないとこうなるんだな。
と思い近寄って行ったらこれ(↑)が予約ありの人の列でした。世界一の美術館、ナメてた。
10分ほど待たされましたがなんとか入館できました。ピラミッドの下、こうなってるんだ…!
ここだけ見ると美術館というより空港か何かみたいです。スケールでかい。
入館してまず向かったのはスタバです。
というのも今日はすでにミュージアムを2つ回ってきています。もうへとへとです。
(後からiPhoneの歩数計を確認しましたが、このパリ旅行では毎日30,000歩以上歩いていました)
あと泊まってるドミトリー、同室の人のマナーは良いんですが1階にディスコが併設されていて、それが毎晩午前1時ぐらいまでドゥンドゥンしてるんです。4階の私たちの部屋まで響いてきます。それであんまり眠れてないです。
このままルーヴル城を回り始めると途中で失神しかねないので、スタバで英気を養いつつどういうルートで攻略するか作戦を立てます。
とはいえ6時間って結構長いじゃんと思っていたので、この時点でわりと余裕ぶっこいてます。これが後々響いてきます。
しっかり休憩して探索開始です。
おそらくルーヴル攻略の参考にされたい方もいるかもしれないので、ここで詳し道順を説明できたらよかったのですが、いかんせん自分でもよくわかりません。
何せ本当に城(もともと宮殿)なので、果てしなくデカいし入り組んでるし、しかも展示入れ替えや保全などの目的で通行止めになっている通路もあるしで、ガイドブックやマップを見ながら慎重に進んでも自分が今どこにいるか全然わからないのです。
というわけで、見たものの中でも印象に残ったものだけダイジェストでお伝えします。
ちなみにこの日は古代エジプトの展示室がほとんど閉まっていました。残念。
半地階~1階は古代のものが多め。
2・3階は誰もが知ってる名画が集まる階。
本当は絵画ももっとじっくり見たかったのですが、ここまで来るのに迷いまくって2階に上がれたのは20時半くらいでした。
話に聞いて覚悟はしてたけど、予想してたより遥かに迷宮度が高い、ルーヴル
本物だ~~!!モナ・リザ!!
この作品だけは数メートル先までしか近寄れないようになってる
この辺り、何でもないみたいにダ・ヴィンチとかドラクロワとか教科書に絶対載ってる絵画が展示されてて怖い。宝物庫。濃い。
ここで急に自分の気が狂って目に入るもの全て壊すモンスターになったらどうしようと怖くなります。
フェルメールは《レースを編む女》も見たかったのですが、ちょうどランスの別館に貸し出していたようで見ることができませんでした。
時間がなさすぎて《モナ・リザ》以降はめちゃくちゃ駆け足で巡ってます。勿体なさすぎる…
最後の最後にナポレオン3世の部屋を見にきました。閉館20分前とかだったのでスタッフからの圧がすごいです。牧羊犬に追われる羊みたいに一部屋ずつ追い出されながら鑑賞しました。
帰りはルーヴル美術館の地下ショッピングセンター「カルーゼル・デュ・ルーヴル」の出入口から出てきました。
さすがに閉店時間だったのでどこも開いていませんでしたが、気になるショップがたくさんあって素通りするのは悲しかったです。お土産探しにぴったりだと思います。
夜のルーヴル、美しい。
ルーヴル美術館、展示物そのものももちろん素晴らしいのですが、ルーヴルという建物そのものにも凄みがありました。展示物の価値の説得力が増す。
もしまた機会があったら、次は1日しっかり時間を取って行きたいですね。
疲労困憊どころではないためこのまま直帰しようと思ったのですが、せっかくなのでどこかでご飯を食べようと周辺を探します。
22時頃ですがまだまだ全然混んでいるカフェを見つけました。
お客さんも店員さんもタバコすぱすぱで不健康そうです。こういうのが良いんだよ。
おビールとチーズたっぷりのペンネみたいなやつを注文しました。
23時半頃ドミトリーに戻ってきました。北駅の周りはやっぱりちょっと雰囲気コワめなので気を付けて帰ります。
3日目のお散歩ルートはこんな感じです。
後編に続く
なにがなんでも前・後編にまとめるつもりだったのですが、写真も含めたらあまりにも長大になりそうだったので泣く泣く前・中・後編に分けました。
次回でようやく終わりです。4日目はパリを出てヴェルサイユに行きます!
後編はこちらから
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