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#2 ミシュラン一つ星「L’Archeste」・伊藤良明さん🇫🇷にインタビュー。



おま誰?


初めまして!
私は、海外で働く日本人の方に直接お会いし、その方達の”海外での生き様”を発信している大学生です!現在ヨーロッパ一周を目標に奮闘中。
そのほか、旅行でタメになる情報も発信中です。
インスタグラムにも投稿してるので、覗いてみてください。
https://www.instagram.com/holaaa___1026/



さあ、第2回目も

IN Paris! 🇫🇷

今回はオープンして5ヶ月という早さでミシュラン一つ星を獲得した
「L’Archeste(ラルケスト)」の伊藤良明さんに直接お会いし、インタビューさせてもらいました。



「L’Archeste(ラルケスト)」の伊藤良明さん


「L’Archeste(ラルケスト)」

https://www.archeste.fr/ja/


伊藤さん

伊藤良明 
千葉県出身。千葉・東京学館浦安高等学校からエコール 辻 東京の辻フランス・イタリア料理マスターカレッジに進学。1996年に卒業後、フランス料理店『レストランひらまつ』を中心とする飲食店グループ、株式会社ひらまつに就職。東京・原宿や福岡・博多、東京・広尾の店舗で修業を積み、2002年4月からパリ店へ。1年半の研修を経て、北海道・札幌の新店舗立ち上げに参画。2004年10月、16区に移転したパリ店へ異動し、ほどなくシェフとなり、教育にも尽力。2014年7月末に退職し、独立準備を進め、2016年9月、パリに『ラルケスト』を開業。

https://professions-of.jp/contents/?id=210730221


ぜひ最後まで読んでください!


フレンチを目指すきっかけ

”目指した理由は左利き?!”


ーまず、フランス料理を目指したきっかけはなんだったんですか?

小さい頃、「料理の達人」に憧れたんだよね。
住んでた千葉の船橋は田舎でさ、外食いいってもせいぜいファミレス。
でも、フレンチって全く知らない世界で、帽子も高いし笑。
なんかかっこよくて憧れて、すごい興味を注がれた。

ー確かに、全く違う世界ですもんね。

あとは、自分が左利きだった。

ーえ?左利き?

当時、日本食で働くとね、右利きに直されるんですよ。
和包丁は基本右用だけなんで。
やっぱり、右に直されるのが僕の時代の常なんです。

ーへー!

でも、左利きなのに、なんで治さなきゃいけないんだろ。
別に左でいいじゃねえか、って思ってて。

ー確かに笑

だったら洋食がいいなって。右でやって、どっかで限界を感じるのも嫌だし。

ーなるほど。

で、フレンチを目指そうと思ったね。

学生時代の話

”母への1番の恩返し”


ー当時は、大学とかは行かれたんですか?

行かなかった。
母親には、「大学行ったら?大学行った上で考えたら?」って言われてたけど。

ーやっぱりそうですよね。

僕は大学に行くことが必要ないと思ってた。その当時はね。笑

ー必要ない?

大学の4年間は確かに大事かもしれないけど、
自分は料理人になる。って決めてたから。

料理人になるなら、早く現場入って修行したほうがいいなって。
高い金で、親の脛かじってやる意味がないと思ってた。

ーじゃあ、料理学校に行かれたんですか?

料理学校も行かなくて良いと思ってた。

ーえー!

俺は片親で、子供の頃から育ててもらってたから。

自分がしっかり一流の世界で、第一声でやってることが、1番の母親への恩返しというか、親孝行かな。ってのが自分なりに思ってて。
それはもう高校生から思ってたね。

今考えたら、浅はかな部分もあったとは思うけど。
そのためには何をするか、ってのを一番に選んでたかな。

ーなるほど。

でも、母親にせめて専門は行けって言われて、結局1年は行ったね。
1年なら良いかと思って。笑

で、19の時に現場に入った。

フランスでの経験

”文句言ってる暇はない”


ーその現場はどうでしたか?

そこは朝の5時から深夜2時までの、いわゆるブラック企業で。
でも、ここを越えないと先にはいけない。
その働き方とかは、自分がトップになった時に自分で改革してけばいいなって。
今考える必要ないなって思ってた。


ーでも、しんどくなかったんですか?

しんどい時ももちろんあった。
当時は、彼女大事だったし。

彼女はクラブに行きたい!遊びたい!
でも自分にはそんな体力ないし。

ーそうですよね。

で、彼女とも別れて。
でも、そこはもう諦めるしかないな。て思ってた。

ー諦める。

母親への恩返しと、自分の選択肢を広げるために、文句言ってる暇ないなって思ってた。自分は勉強嫌いだし、頭悪いし。でも、その分誰よりも必要なことはやりました。

ーなるほど。

伊藤さんの働き方

”料理は手段”

だから意外に僕、シェフによっては料理すごい好き好き!でやってる人もいるんですよ。ご飯食べ行くと、これは何が入ってるのか質問したりだの。

ーはいはい。

僕、そういうの嫌なんです。笑

ーなんでですか!笑

ご飯食べるときは、その一緒に行く人と楽しむ。
それが一番大事。

料理も正直、僕にとったら手段なんです。

ー手段?

そう。喜んでもらうことが僕好きで。

人に喜んでもらうことが自分の生きがいだって、
料理を始めて、初めて感じた感覚で。

食べた人が喜んでくれて、また来たい!って感謝して、ここを出ていく。こんな素敵な職業ってないなって思えた。

ーへー!

特に、このガストンの世界は決して安くはない。
しょっちゅう来る人は本当に限られてて。逆に、大事な誕生日の時に奮発してとか、いろんなシチュエーションで来る人がいる。
だからこそ、その人たちの気持ちとか、期待を越えたいって思える中で勝負できる。その上で、喜んでくれて、あわよくば感動してもらえることが可能性として0じゃない世界。

なんで、すごいやりがいがあるんだよね。そのためには、時間も問わないし、ハードワークも問わない。


ー伊藤さんのこだわりはありますか?

僕は、人の真似をしないんです。
料理を作ってく上で先端やトレンドはあんまりこだわらない。

ーSNSとかは見ないんですか?

逆に、なるべくみないようにしてるね。見ると真似しちゃうから。
人間なんて弱い生き物だし、しんどい時とかインスタグラムとかみちゃうと、やっぱりそっちにいっちゃいますよね。

ーわかります、、笑

でも、自分で悩んで考えて、生み出してどう表現するか、ってことが僕は大事だと思う。


若者へのアドバイス

”自分で制限をかけない”


ー今の若者に、アドバイスがあれば教えてください

ちょっと興味持ったらやってみる、いろんなこと悩んでしんどい思いするのが一番だと思う。

ーなるほど。

しんどいとことは早ければ早いほうが良い。
20代の努力と30代40代からする努力って全く重さが違うからね。

ーそうなんですか?

20代でどんだけキツいことしても、後にすごく繋がる。
どんどん膨らんでいく、経験が増えていくからね。

でも30代40代になってからだと、頭凝り固まってるし限界も知っちゃってるから、伸び代がない。決してそれも悪いことではないけれどね。

ー確かにそうですね。

あと、大事なのはのめり込むこと。騙されても利用されても良い。その中でもいい経験ができればいいやって割り切ったほうが良い。
誰がどう思うか気にしないでいい。日本人特にそうなんだよね。

ー気にしちゃいますね、、、。

誰かにこう思われるかなとか、今までこうしてきたから…とか。
自分に制限かけちゃう。でも、なるべく考えないほうがいい。

ー制限をかけないことですか

僕の46年の人生の中で言えることは、自分で制限をかけないこと。
やりたいと思ったらやる。その上で、責任とリスクはなにをしてもつきもの。

ーなるほど

若さは1番の武器です。経験が増えてくると、保守的になってくる。
失敗しても良い、外野は黙っとけ。やりたいことやれば良いと思うよ。


インタビューを終えて

インタビューを終えて、私は伊藤さんの言葉ひとつひとつに圧倒された。
若い頃の惜しみない努力と経験が、今の伊藤さんを作り上げているんだろう。

今しかできない、20代の私にしかできない経験を大事にしたい。やりたいことはしんどくてもやろう。って、心から思えた。

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