トランプ2.0は、大チャンス
令和6年11月5日、アメリカ大統領選挙が行われました。
結果は、132年ぶりに大統領に復帰という偉業を成し遂げたトランプ氏が当選しました。
マスメディアは、トランプ氏について”世界が不安定になる””戦争が増える”景気が悪くなる”といった文言を目にします。
しかし、
私は、トランプ氏が当選したのは超楽観的です。
大歓迎です。
むしろ、どんどん良くなると思っています。
まず、世界は、新・冷戦の局面に入っていくという前提を押さえておく事が重要になります。
トランプの誕生は、グローバル経済の歪みが生み出した。
1990年、ソ連が崩壊した後、世界は”グローバル経済”という新しい時代に入りました。
このグローバル経済では、国と国の間で自由に貿易(物の売り買い)ができるようになり、世界中が繋がります。
例えば、
ある国で安い材料を持っていると、その材料を他の国が安く買うことができます。
また、
人件費(賃金)が安い国で物を作り、その商品を先進国(アメリカやヨーロッパの国々)や人口が多い国(中国など)に高く売る、という流れができました。
このようにして、主に中国では、たくさんの物を作り、それを世界中に売ることでどんどんお金を稼ぎ、経済が大きく成長しました。
しかし、それは同時にアメリカにとって脅威(競争相手)にもなりました。
何故か?
アメリカでは多くの工場が外国へ移り、国内の製造業が減ってしまったからです。
この現象を”産業の空洞化”と言います。
つまり、昔はアメリカ国内で作っていた物が、今は他の国で作られるようになり、アメリカ国内には製造業が少なくなったのです。
こうしたグローバル経済の「副作用」として、「保護主義」という考えを持った政治家が出てくるようになりました。
それがドナルド・トランプ氏なのです。
保護主義というのは、「外国との貿易よりも、自分の国の産業や雇用を守ろう」という考え方です。
トランプ氏のような保護主義的な政治家は、「アメリカの産業を外国から取り戻し、アメリカ国内の雇用を増やそう」と強く主張しています。
つまり、ソ連崩壊後に始まったグローバル経済が、約30年続いた結果として、アメリカでは国内産業の空洞化が起き、中国のような競争相手が現れました。
こうした変化の中で、「アメリカ第一」を掲げ、自国の産業を守ろうとする保護主義的なリーダーが求められるようになり、それがトランプ氏のような政治家の誕生に繋がったわけです。
ソ連崩壊後からの約30年のグローバル経済の副作用の結果として保護主義(アメリカファースト)という流れに行き着いているので、基本的にこの方針は変わりません。
日本の失われた30年の原因
①1985年のプラザ合意と円高の影響
1985年、日本はアメリカやヨーロッパと一緒に「プラザ合意」という経済政策を決めました。
この政策の目的は、日本円の価値(ドルに対する円の価値)を上げること、つまり「円高」にすることでした。
円高になると、日本の輸出品(例えば日本車や電化製品)が海外で売りにくくなります。
円の価値が上がることで、海外の人にとって日本の物が高くなり、買いづらくなったからです。
その結果、日本の企業は、海外で安く生産できるように、製造拠点(工場など)をどんどん外国に移しました。
これにより、日本国内の製造業が少なくなり、経済成長が鈍化するきっかけになりました。
② 1990年のバブル崩壊
次に、日本では1990年頃に「バブル崩壊」という大きな経済危機が起こりました。
それまで、日本では株価や土地の価格が急激に上がり、多くの人がお金を使っていましたが、経済が一気に冷え込んで価格が下がり、会社や個人が借金を返せなくなる問題が発生しました。
このバブル崩壊によって、多くの企業や銀行が大きな損失を抱え、経済の成長がストップしてしまったのです。
③ グローバル経済の始まりと日本の影響
さらに、1991年にソ連が崩壊し、冷戦が終わると、世界は「グローバル経済」と呼ばれる新しい時代に入りました。
これは、国と国の間で自由に物の売り買いができるようになったことで、特に安い労働力がある国(中国や東南アジアなど)で生産を増やす流れが加速しました。
日本企業も、円高の影響で国内での生産コストが高かったため、どんどん海外に生産拠点を移しました。
これにより、日本国内の製造業や雇用が減少し、経済が活気を失っていきました。
④ 「失われた30年」の原因
日本の経済が「失われた30年」と呼ばれる長い停滞に入ったのは、上記の要因が複雑に絡み合っているからです。
プラザ合意による円高で、日本の企業は国内での生産が難しくなり、海外に出ていくようになりました。
バブル崩壊によって、銀行や企業が借金の返済に追われ、投資が抑えられ、経済が成長しにくくなりました。
グローバル経済の進展で、安い労働力を求めて海外に生産を移す企業が増え、日本国内での雇用や産業が減少しました。
日本は、これらの大きな変化に対して、社会や経済の仕組みを「アップデート」できず、新しい時代に適応できませんでした。
そのため、長期的な経済停滞が続くことになったのです。
保護主義による世界経済の変化
近年、アメリカやヨーロッパといった先進国では「保護主義」と呼ばれる考え方が広がっています。
これは、「外国との貿易よりも、自分の国の産業や経済を守ろう」という方針です。
この保護主義の考え方が広がることで、世界の経済は昔の冷戦時代に似た形に戻りつつあるのです。
冷戦時代とは、アメリカとソ連(現在のロシア)という二つの大きな勢力が対立していた時代で、国と国の間での貿易や経済の交流があまり進まなかった時期です。今の状況もこれに似てきており、アメリカやヨーロッパが一つのグループ、ロシアや中国が別のグループとして、貿易や経済の流れが分かれるようになっています。
日本や他の国々にとっての影響
このように貿易や経済の流れが分断されることで、いくつかの変化が起こり始めています。
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