魂の巫女 人を呼ぶ声2
「エイラのおばあさん。
エイラは今日も元気です
安心して、 天から…」
「何してるの〜??」
甲高い声が響く
「うわ!!何してるって、お前のばあさんに」
後ろにいる、エイラを見て黙り込む
…
「服…それ例の奴か?」
「うん、お祖母様に見て貰いに来たんだよ」沈黙が続く
「私は、そろそろ行くね」
「待て!!エイラ」
エイラは優しく微笑む
「なぁに??」
「お前は良いのかよ!!その服を着ること、
俺は聞いてない!!何故だ!!」
「怒るんだね、私も聞きたいな」
「意味が判らない!!なんで!!」
「私は、2代目なんだって」
エイラは顔を隠す
「意味、わかるかな」
「…わからないから聞いてるんだよ」
「私に流れる血が、災いを呼ぶんだって」
「お前が…!?」
「だから、なんで優しくするのかなって」
エイラは苦笑いで問いかけた
「!?」
「君が。」
エイラは笑う
「私、守りたいの。その為に頑張るの
テバも、守りたい」
きっと、わかってくれるよね
「貴方だから…」
「許せねぇ!!…認めねぇ、絶対に!!」
テバは激怒した
「お前、可笑しいだろ!!」
エイラは再び顔を隠す
「私は、魂の 巫女です。
逃げても、いいよ テバ」
エイラは袖を掴まれる
「俺は!!お前を離さない!!魂の巫女とか、
どうでもいいんだよ!!」
「優しいね、やっぱり」
テバは泣き出す
「この服、今、少し白くなったよ」
「うるせぇ…!!」
・魂の巫女は 巫女の血を引く者の中に
稀に生まれる希少な力を受け継ぐ巫女のことを指す。
そのものが生まれたときには髪が変色し
蒼く染まる。それは、とても淡い色に
青い髪の巫女が生まれたら必ず
伝えて下さい‐ 人を‐‐
「テバ、一緒に来てくれる?」
人を‐‐‐
エイラは再び優しそうに笑う
「何いってんだよ、行くに決まってる」
これは、千年前‐
「妾は全てを赦す、手放すのじゃ」
「トドラ様!!それはどういう」
「人はもう、妾が知るものでは無い」
トドラ
「…これで、良いのじゃ」
「トドラ様!!トドラ様…!!」
トドラ
「…!」
「本当に、良かったのですか…?」
これは、魂に刻まれた 奥深くの記憶
何処かの誰かへ 想いを込めた 大切な記憶
私で 良いのなら
こんな私で 誰かを救えるのなら
そして 何時か
誰かに 赦して 貰えるのなら
私は‐‐‐‐‐‐‐‐‐
これは心を繋ぐ 優しい巫女の物語