世界での豪雨水害事例(その1)
前回は地球規模での自然災害の発生件数についてまとめましたが、自然災害は「身近な現実のこと」として備えておくことが必要だということを再認識しました。今回はその自然災害の中でも近年水害被害が大きかった事例の紹介を2回にわたっていたします。
事例1:2011年タイを中心に発生した豪雨災害
2011年7月にタイを中心に発生した豪雨では約800人が死亡、被害総額は40億ドルに達しました。特にバンコク市内では広範囲にわたる浸水が発生し、多数の住宅や店舗が被害を受けました。水害により約10万台以上の車両が被害を受けたとされています。復旧には半年から1年半の期間を要したといわれています。
特にタイの首都バンコクでの大規模な浸水は、市内の一部地域で水深が数メートルにも達したことから、建物が完全に浸水し住民は屋上に避難することを余儀なくされました。また交通機関も麻痺、多くの道路や鉄道が不通となりました。またタイはアジア地域での工場生産の拠点でもあったことから水害の影響は工場にも及び、例えば自動車メーカーの日産やトヨタ、家電メーカーのパナソニックが工場を構えていた地域では、浸水によって製造ラインが止まり生産に大きな影響があったといわれています。
事例2:2021年西ヨーロッパを中心とした豪雨災害
2021年7月に西ヨーロッパを中心とした豪雨によってドイツ、ベルギー、オランダなどの地域で甚大な被害が発生しました。特にドイツでは、約200人以上が死亡し数百人が行方不明となりました。また、多数の住宅や店舗が流され、約10万台以上の車両が水害により被害を受けたとされています。
ドイツ、ベルギー、オランダなどの地域では多くの河川の氾濫と住宅地や町村の浸水や倒壊、建物や道路の崩落や交通網の寸断、鉄道の運行停止などが発生しています。その復旧の財源確保のため、ベルギーやオランダでは緊急財政措置がとられたほどでした。
これらの復旧には数か月を要しましたが、その主な要因として被害の深刻さに加え、道路や鉄道の寸断、倒壊した建物の撤去、浸水したトンネルの排水にあったといわれています。
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