感想:「過去の握力 未来の浮力」出版記念イベント感想
タイトル:「過去の握力 未来の浮力」出版記念イベント
日時: 2024/11/15 Fri 19:00-
場所:本屋B&B(配信あり)
「おつかれ、今日の私」の出版記念イベントでのお二人に出会い、となりの雑談を聞いていたので今回の出版記念イベントは楽しみであった。
冒頭で今回の本は中身がかなりスパルタであると言っていたが、今回のイベントも結構スパルタだったと思う。
「過去の握力 未来の浮力」を読んだとき、これまでの放送のエッセンスをぎゅっと濃度を高めて読者にすこしでも踏み出すこと、どうするの?私たちにあなたの答えはないよ?と問うている感覚があったからだ。
それでも、二人がどんな「過去の握力」と「未来の浮力」と出会ってきたか話し、見ている人たちの握力と浮力を探すヒントを示してくれたイベントだった。
その中でも印象的だったのは、「未来の浮力」だ。
二人とも違うことを話していたけれど、苦難それ自体、または苦難をきっかけに浮力を見つけ出したように思え、それは自分もなんとなく共感できた。苦難なんて経験したくもないが、それがなかったら、自分の人間関係は大きく違っただろう。
少なくとも手放したくない経験や人間関係が今あるなら、苦難も否定がしづらくなる。もちろん、逃げてよかったと思う経験も関係もある。
そこは二人も、連続対談シリーズでも共通していて、人間関係がきつかったり、目の前の経験がきついなら、そこから全力で逃げた方がいいことは口酸っぱく言われている。
それでも、動くのが大変だと思う気持ちもある。渦中にあるときに誰かに手を引いて助けてもらいたいときもある。自分で進める力がないと感じるときもある。
それでも洗剤やせっけんを変える、靴を右からではなく左から履いてみる。そんな些細な変化が、自分の設定を変えていくきっかけになると思っていいのかもしれない。
そして、動くときは一人ではなく誰かと雑談ができたらいい。互いの世界の違いを見つめたら、自分だけの設定のゆがみに気づけることもあるのかもしれない。
となりの雑談のイベントが参加者も参加できるようにしているのはそのためだろう。二人の話を聞くだけじゃない。せっかく集まったのなら雑談のきっかけにしていきたいのかなとお二人を見ていると感じるのだ。
一方で疑問も感じていた。二人は自分たちの雑談が答えにならないように気を付けているようだけれど、やはり本になるとそれが答えのようになってしまうこともある。
雑談の中にあるあやふやさが、文字になることで理路整然としてしまうのだ。
スーさんもさくちゃんもきっとあやふやな自分を抱えて動いてきた、その結果の今を私たちに提示してくれた。きっと彼女たちはこれからも変わっていくのだろう。だから、彼女たちの言葉を正解とせずに少しずつ、たとえば作業を5分早めるとか遅らせる程度から始めていくことからでいいのかもしれない。