緊張する?指導主事になる「試験」は何をするの?
どんな「試験」があったの?
指導主事になって、よく聞かれる質問です。
指導主事の「試験」、正確には「専門的教育職員選考」といいます。
これは、毎年通知される実施要綱に基づいて選考が行われています。
私は都道府県の指導主事ですので、市町村の指導主事とは内容が違いますし、他の都道府県とも違うでしょう。
私の自治体では「調査票という名の”事前提出小論文”」と「面接」がありました。
私は、この「調査票」と「面接」がこれまでの自分の履歴、教育観を見直すきっかけになるものになりました。
「何度も書き直した調査票」と「ど緊張の面接」を振り返ります。
調査票「あなたは何をしたいの?」
面接「あなたはこれまで何をしてきたの?」
選考を受ける時の心構え
1.調査票「あなたは何をしたいの?」
以前は面接と同日に「小論文」として、選考試験に組み込まれていたようですが、私の時は”事前提出”という形でテーマが与えられました。
字数は1200字~1500字、横書きで所定の用紙A41枚に手書きです。
私が受験した時のテーマは、「その都道府県の目指す教育について、あなたは何をしていきたいか」でした。
ポイントは、「あなたは何を」の部分です。
どの自治体であっても「教育行政執行方針」があります。都道府県によっては大綱などの形で「〇ヶ年計画」で示しているのもあります。
その中のキーワードを自分なりに解釈し、自分のこれまでの経験と照らし合わせながら、「何をしていきたいか」を書きます。
教育関連書籍に載っていることだったり、教育評論家が述べるような上っ面の教育論だけではなく、より具体的な事例を書くことが大切。
提出した調査票を読む人は、教育のプロフェッショナル。繕っても確実にバレます。
あとは、誤字・脱字、段落分けなど、基本的な文章の書き方が身についていれば大丈夫です。
私は自分が指導主事としてやりたいことについて、2事例書きました。
それまで、巡回指導教諭として多くの学級を見て、多くの学級担任とお話ししてきた経験があったので、自分が指導主事になったとき、何をしたいのかはある程度明確にすることができました。
困ったのが「基本的な文章の書き方」です。
普段から「手書きで書く練習」をしておけばよかったと思いました。
2.面接「あなたはこれまで何をしてきたの?」
面接は1対3。
後で知ったことですが、3人の内訳は以下のとおり。
・指導主事を経験している教育委員会幹部
・行政職の経験がある現職の校長
・事務系の仕事を中心に行う教育委員会職員
3人がそれぞれ”役割”をもって質問をしてきます。
質問の一部を箇条書きにすると以下のとおり。
・これまでの実績、学校現場で何をしてきたか(校務分掌、公開授業)
・指導主事の立場についての知識
・過去に出会った指導主事の印象
・学校に対してどんな指導助言をしていきたいか。
・趣味、ストレス解消法、ストレス耐性
・考え方の合わない職員との付き合い方
ある程度、答えを準備しておける質問が6割、その場で考えて答える必要のある質問が4割の印象でした。
特に多いのが「これまであなたは何をしてきたのか」の質問です。
私は、巡回指導教諭をしていたので、「何を考えながら学級担任と接しているか。」「若手の先生に声をかける時は何を意識していたか。」「巡回指導教諭として自己研鑽のために何をしたか。」など、など回答したことに質問を重ねる形で”深掘り”されました。
面接というよりは対話という感じ。
私は面接官と話をしながら、自分の略歴が整理されている感覚になりましたが、それでは不安という人は、普段から1on1の対話トレーニングをしておくといいと思います。
あと意外と回答に困るのが「ストレスの発散方法」の質問です。
改めて聞かれると「寝ること」以外思い浮かばない・・・。
この質問については常識的な範囲内でのストレス解消法についての「回答例」を準備しておいた方がいいかもしれませんね。
3.選考を受ける際の心構え
選考を受ける時、意識しておきたいことは自分のやってきたことに自信をもつことと躊躇せず自分をよく見せることです。
選考を受ける際には、管理職などからの推薦が必要です。
ということは、選考を受けている段階でそれまでの実績がある程度認められているということを意識しておくことが大切です。
もちろん自信過剰はダメですが、謙遜しすぎもよくありません。
また、相手に対してよい印象をもってもらえるようにすることは何においても大事。
特に、ミドルリーダーくらいの年齢で「面接」を受けることはなかなかありません。
私は、教職について10数年経った自分は、相手からどう見えているのを「調査票」や「面接」から見つめ直すことができました。
教員としてのキャリアとして、将来的に管理職になることをを考えている人は、普段から相手に与える印象を考えておくのがよいでしょう。
終わりに
教員は「ミドルリーダー」の立場になると、これまでの自分は何をしてきたのか、これからの自分は何をしていきたいのかを見つめ直す時間が必要になります。
私は、指導主事の試験がそのきっかけになりました。
今となっては、自分にとってベストタイミングだったなと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。