32漬物(終)日野菜と津田かぶと殿様
上記画像は、畑で自作した日野菜を刻み漬であっさりと食そうとした、
私だけのご褒美逸品である。日野菜はなかなか真っ直ぐに伸びないので、
何かしらの工夫や作業が栽培時に必要であるかと思って、多少の曲がりや変形はあきらめていたが、最近、F1種で真っ直ぐに伸びる品種が開発されて種子が発売されて、そのF1種を試作したら、好結果を得た。漬物にして抜群の美しさと風味をアピールできる品種を開発したブリーダーの長年の意地に感謝である。
さて、長々と漬物を中心の話題として、記述を続けてきたが、そろそろ自身でも飽きてきた。この項を持って漬物に中心をおいた記述を一時中止をしたく思う。で、ちょっと、話がそれるかもしれないが、滋賀県日野町の特産野菜である日野菜と、島根県松江市津田地区特産の津田かぶに付いて記述したいと思う。後半に記述する参勤交代を含む記述内容は、江戸時代の話になるのだが、その信憑性に関しては責任を持たないので半々の内容である事を御了承いただきたい。
《日野菜漬》
滋賀県日野町原産のカブラの一種を漬けたものである。日野町から鈴鹿山脈をはさんで三重県側でも原料野菜は生産されていたように記憶するが、現在はどうであろうか不知である。ただ、鈴鹿市石薬師には、日野菜漬メーカーが有ったのは記憶にある。一般的にさくら漬とか呼ばれる酢漬に関しても、原料は日野菜であったように記憶が有る。大根を加工したものもあるようであるが、着色料で染めたもので、原料野菜のカブラ首部の紅色が酢液に滲んで全体を着色したものとは大きく違うものと言えよう。私は、*フスマに調味液を練り込んで下記画像の様に2日間だけ漬け込んで浅漬を製造していた。ぬか漬も正当な製品で有るようだが、見た目がイマイチなので、美しいふすま漬にしていた。知る人ぞ知る的な漬物なので、神戸・大阪でよく売れた記憶が有る。利益を稼げる商品であったが、原料野菜の入手が順当では無くて、結局は、自身が農業事業を始めるようになった時には、漬物事業をしなくなっていたので、自身の分だけを漬ける事だけで、商売としても中途半端で終了してしまったことへの反省が有る。
*フスマに関しては、この頁の後半で説明します。
《津田かぶ》
牛の角型のかぶらを付けた、葉の形も色合いも上記の日野菜に似ている野菜を見つけたので、興味を持っていて、種が手に入ったので懇意にしている農家さんに育ててもらって製品化をしてみた時の画像である。
島根県松江市津田地区の特産農産物であるらしい。残念ながら、其の現地を訪問した事は無いのであるが、調べてみるとそのように記述が有るものばかりであるからそうなのであろうかと思う。
昔話で信憑性はいかがなものかと思うが、松江の殿様が、参勤交代の途中に日野菜の種を持ち帰り城下で広めて、今も生産しているのが、この津田かぶの発祥であると説明される事が多い。たぶん先祖は滋賀県の日野菜と同一なのかもしれない。日野菜と同じように、調味フスマで浅漬で仕上げてみた。
カブ部分に加工に日野菜より太いので少しの工夫が必要であるが、風味は日野菜ふすま漬よりも、苦味+ツンとした辛み味の癖が少ないように感じた記憶が有る。
《フスマに付いて》
フスマ=小麦を製粉するときに除かれる外皮部と胚芽の事で、一般的な用途として消費されているのは家畜飼料としての利用である。
漬物用としては、乾燥させたものである。パサパササラサラで、のこぎりで木材を切った時に発生する大鋸屑(おがくず)に似ている。
調味液をこの乾燥フスマと食品添加物(増粘多糖類とベーターガム)を加えたモノに注いで拡販して調味フスマを製造する。調味液は、水に昆布を2晩超えた出汁ベースに食塩と醸造酢と味醂と白醤油でバランスを考えて沸騰させて冷ました調味液である。調味液を注ぎ拡販を丁寧に続けると、独特の粘りが発生し香りも良くなり、水分を吸収した質量は、だいたい2倍になる。
これまで少し長々と漬物に関して記述を続けてきたが、今回を以て、
漬物に関する記述をひとまずは終了します。
もっと優先すべき記述や内容を整理して記述するべきであったと反省しなければならない。
理解し難い稚拙な文章でありながら、お付き合いいただいた各位様には、
厚く御礼を申し上げます。
さて、次回からの記述内容の主たる話題を何に定めようかを悩む現在である。全く、突拍子もない話題になってしまうかもしれない。
既に脳内は混乱混線していて整理不能の状態かもしれないと自覚もある。
では。今回はここまで。