気になる、日本のジャズピアニスト
はてなプログ(ジャズ遊戯三昧)から
Noteへの移行途中であるが、
最新記事として、ぜひ、
平倉初音に触れておきたい。
最近まで、生で聴いたことのなかった
平倉初音。
初めて聴いたのは、
12月10日に兜町で開かれた
「JAZZ EMP@Tokyo Financial Street」
での演奏。
ベースに須川崇志、ドラムに中村海斗と組んだピアノトリオ。
それまで、You tubeや、
アルバム「Wheel of Time」を通じて、
「ジャズが好きで堪らない」感がすごく伝わってくるアーティストとして、注目していて、
随分、いろいろオフラインで
聴いていたものだから、
この兜町でのライブは、ある意味、
想定内の素晴らしい演奏であったが、
今回、読者の皆さんにお伝えしたい事は、
平倉初音の懐の深さについてであり、
次の三つの動画を、
ぜひ見て欲しいと思ったからである。
余談だが、
この日のライブの時に初めて知った、
Taka Nawashiroさんも素晴らしかった!
(1)まず最初は、アルバム「Wheel of Time」のメンバーで録音したアルバムには
収録されていないブルース曲を聴いて欲しい。
平倉の溢れるブルースフィーリングを
感じて欲しい。
もう少し分析してみると、次の通り。
・池田篤の素晴らしくタイム感のあるソロにおける平倉のバッキングセンスの良さ。
・わざと無骨感を出している感じさえするピアノソロなんだけど、何とも私好みのドライブ感に体が揺れる。
・ベースソロの後の交互バースも、このユニットの相性のよさ、コール&レスポンスの醍醐味が秀逸。
(2)続いて、キャノンボール・アダレイの「WABASH」の演奏。
ワンホーンカルテットにおける演奏。
ある意味平凡なハードバップの、リラックスした演奏なのだが、平倉のスイングへのこだわり、愛着を感じ取って欲しい。
このテナーサックスの曽我部泰紀というプレイヤーも、実にいい。
曽我部の気の衒わないストレートなフレーズが本当に気持ち良い。
曽我部のソロに続く平倉のソロは、技巧的な巧さ云々と言うより、ジャズが好きで好きで堪らないというエネルギーに満ちている。
こういう姿勢を見せられると、思わずニンマリしてしまうのである。
(3)最近見つけて、驚いた動画。
これまた私好みのスモールアンサンブルで、何とボーカルまで入った実験的なユニットによる演奏。素晴らしい試みである。
そもそも、平倉はバップイディオムをはじめジャズピアノの伝統的な奏法もしっかりマスターして、自分のものにしているが、モーダルな奏法においても、テクニカルな面だけでなく、
そのダイナミズムと繊細さは、舌を巻くほど素晴らしいので、私も若手の中で、一番注目しているのであるが、
この動画を見て、彼女の懐の深さというか、
彼女の飽くなき音楽への探究心みたいなものが垣間見れて、余計に、ゾッコンとなってしまった次第なのです。
もし、平倉初音さんがこの記事を見てくださっていたら、是非、グレン・ザレスキーのアルバム「Smoke and Mirrors」なんかを聴いて欲しいなあ。