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灼鋼の蒼海 ~異説・海底軍艦~
死闘の大洋編【1】■祖国への帰還
空母「A・リンカーン」率いる叛乱艦隊との戦いに勝利はしたものの、轟天号も無傷ではなかった。ドリル突撃はむろんのこと、なにより島で受けた空襲による傷が思った以上に大きく、ドックに入渠しての修理と調整が必要だった。
報告を国防総省経由で知った大統領は米海軍のドックと資材、必要とされる人員の提供を申し出るが神宮司はこれを固辞する。
深海帝国の本格的侵攻が始まった
灼鋼の蒼海 ~異説・海底軍艦~
謀叛海域編【3】■計画再始動
時は経ち昭和27年――。
大戦終結から七年、深海帝国は世界の各国政経軍各所の要人やこれはと狙い定めた人物を、ある時は富を餌に籠絡しある時はクローンと入れ替えていった。
これを察知した“組織”は桔梗率いる秘密戦グループを用い、様々な手段を使ってその陰謀を叩き潰すべく活動を続けていた。有名な下山国鉄総裁事件も、桔梗たちの仕業だった。
一方、天才工学士・丘見丈児博
灼鋼の蒼海 ~異説・海底軍艦~
謀叛海域編【2】
■世界人口調節審議会
都内某所。黒澤をはじめとする、戦後日本を裏から牛耳ってきた老人たちが集まっていた。楠見が何者かに誘拐されそうになったことを知った彼らは、世界人口調節審議会が“敵”の手先に違いないと判断、いよいよ戦いの時が近づいてきたと口々に囁く。
「勝てるかな、我々は?」
「さてなぁ。事が露見すれば安保反対どころの騒ぎではなくなることは間違いない。敵を前にして国内世論を
灼鋼の蒼海~異・海底軍艦~
前書き
本作は小説とプロットの中間層に位置する、喩えるならばゴジラのような作品であり、かつてMixiで公開し好評を得た過去を持つ。
当時交友関係のあった大艦巨砲漫画家飯島祐輔氏が気に入り「僕がイラストを描くから絵物語風にしよう」とまで言ってくれた。
家が近いこともあり打ち合わせを重ねたが、氏の急逝により絵物語化は頓挫してしまった。
その後、仮想戦記を出していた版元の編集氏が飲み会で「変わ
昏き闇斬り裂く眩き光~異・ウルトラマンA~
空想(こういうヤツが見たかった)特撮シリーズ
第2回 ベロクロン逆襲<1>
二次元でもなければ三次元でもない、どこか次元の狭間。
そこは筆洗い様の容器に赤や青、様々な色をぶち込み描き回している様な、不安定且つ奇妙な空間だった。
そこは少なくとも人間の住める様な場所ではないだろう。真っ当な感覚を持つ人間なら、その奇妙な混濁とした色をした異様な空に、いや、地面に、空間そのものに耐えられないは