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教えて! プロタゴラス先生

世界史の「この人、気になる!」4

オヤジブログ怪気炎 vol.162

「何が真理なのか」よくわからないのは、古代ギリシアも現在も似たようなもの。
「人間は万物の尺度である」プロタゴラス先生、よくぞ言ってくださいました! 一人ひとりがそれぞれ正しいと感じたことを主張し合うのは「みんな違って、みんないい」にどこか似ている。真理や正義を上から目線で押し付けられるより、だいぶマシな気がします。
しかし「何かのように思える」とか呟きながら、圧倒的に不利な状況下でも自説を曲げない態度にも通じるわけでして、その弁論が詭弁と呼ばれるのは、無理からぬ成り行きだったのかもしれない。
ソフィストとして真っ先に名前が上がるプロタゴラス先生ですが、弁論術や自然科学の知識を教えて報酬を得ていたのがすごい。民主政のボリスで生き抜くためには、ます自説が伝わるように、そして相手に言い負けないようにする技が必要だったのでしょう。その技は一部煽動的な論者に利用されたこともあったでしょう。さらに長いスパンで見れば、多くの政治家は少なからずソフィストの横顔を持っている気がします。
現在では生成AI自身がソフィストを演じることさえ可能な気がします。プロタゴラス先生がおっしゃるように己の知覚を磨いて、真理の仮面を被った情報に振り回されないように気をつけなければならないと思います。

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