
コメニウスが考えていた教育の目的
タケさんの教育談義
オヤジブログ怪気炎 vol.303
近代教育の出発点の一つに、コメニウスの「平和な世界を実現するためには、万人に必要な知識を教育が必要である」という思想があります。コメニウス自身が戦禍の中で暮らしていましたし、その体験に裏打ちされた思想なのです。教育の目的とは世界平和の実現であることに、おそらく異論を唱える人はいないでしょう。
コメニウスの教育思想の主な特徴は次のとおりです。
* すべての国で、男女が同一の言語で学べる単線型の学校体系を提唱した
* 階級差別のない学校体系を提唱した
* 普遍的知識の体系を学ぶ必要を説いた
* 教学印刷術(教刷術)と呼ばれる教育方法を提唱した
* 徳性と敬神を学識と並ぶ教育の三大要素と考えた
コメニウスの教育思想は、近代教育学とくに教授学の祖といわれています。
コメニウスの教育思想の具体例としては、次のようなものがあります。母親学校=母の膝の元、母国語学校、ラテン語学校、 大学。
しかしながら、彼の思想が学校制度として各国に立ち上がるまで200年近く、そして現代まで400年の時間が流れました。
ほぼ万人に近代教育が行き届いた結果、平和な世界が訪れたのか、それは現実の世界が示しています。コメニウスの理想は未だに未完のままなのです。