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審判やりたくない問題
これはサッカー経験者であれば誰しも感じた事があると思います。
練習試合、各地域の大会に参加した時など自チーム以外の試合に審判として参加しないといけない状況ってありますよね。
そんな時、多くの人はこう思うのではないでしょうか。
”主審やりたくないな”
”副審やりたくないな”
今回はそうした“審判やりたくない問題”を掘り下げて考えてみたいと思います。
わたしは小・中・高校とサッカーを続けてきました。
社会人になってからは社会人チームでプレーしたり、高校サッカー部での外部コーチも経験しました。
そんな中で、練習試合・準公式戦・ローカル大会などで主審・副審を務めることがありました。
わたしに審判の順番が回ってきた時、やりたくないなというのが正直な気持ちです。
チームによっては、主力として試合に出場しない選手にそういった役割が回ってくるケースも多く、なおさらそういった気持ちにさせられます。
なぜそういった気持ちになるのか、わたしなりに考えてみました。
『試合中に変なジャッジをして、選手達から文句を言われないだろうか』
『自分のミスジャッジのせいで荒れた試合になったらどうしよう』
『以前審判をした際に、選手に怒鳴られた事がある』
”審判やりたくない問題”の一番の原因はこういった不安や心配を個人が抱えこむ事ではないでしょうか。
また、昨今の誤審問題の取り上げ方や世間の反応をみると、こうした感情はさらに大きくなってしまいます。
こうした不安を少しでも解消できないかと、少し違った角度からこの問題を考えてみました。
プロだけでなく、アマチュアカテゴリーにおいても、審判を行うには審判資格が必要となります。わたしもサッカー3級・4級審判を受験した経験があり、そこでは実技と講義の時間があります。
実技については、審判の基本的な動きや動作を習います。
講義については、県サッカー協会の審判部の立場ある方のお話を聞くというものです。(所属するエリアによっても、こういった詳細は違うかもしれませんのでご了承ください)
わたしが受講した際、実技については上記の通りですが、講義については、少し変わった内容でした。
『試合中にコート内に犬が入ってきたら主審はどうしますか?』
『GKが蹴ったゴールキックが風に押し返されて、自分が守るゴールに入ったらどう判定しますか?』
講義をされた方は、少しでも興味を持って聞いてもらうためにこうした内容をお話しされたのかもしれませんが、かなりレアなケースの話をされたので、わたしは困惑しながら聞いていました。
これはわたしの個人的な思いですが、3級・4級の審判資格を受験される方の多くは、審判として上を目指そうという方ではなく、審判資格者の必要に応じて所属チームから半ば強制的に受験させられた方ではないでしょうか。
そういった方が、ストレスなく前向きに審判に取り組むうえで必要なのが、前述したような不安な状況に陥らない対応策ではないでしょうか。
選手からクレームを言われた場合の声のかけ方、怒る選手のなだめ方、自分がミスジャッジした場合の対処法など、具体的な試合の事例を用いながらディスカッションしたり色々な対処法を学ぶのはどうでしょうか。
審判を行う上での不安や心配を共有し、ポジティブな気持ちになるといいですね。
これを行うには1回の講義だけでは時間が足りないと思うので、地域ごとに継続性をもって取り組む必要があると思います。
年齢・性別・サッカー経験・所属カテゴリーなど審判を行う状況は違うと思いますが、自分なりの対処法が準備できれば、不安な気持ちが小さくなり、試合に臨めるのではないでしょうか。
また3級・4級の審判資格を受験される方は、多くがプレイヤーを兼任していると思うので、こうした理解が深まれば、プレー中の審判に対する接し方も変わってくるのではないでしょうか。
プレイヤー・審判相互の理解が深まり、本当の意味で審判へのリスペクトがうまれるといいですね。