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チェインフェリス-幸せの再定義#8

会社設立をして7年がたった。オフィス移転をして社員数が200人まで増えて、社長として表に立つことが増えた。なので、秘書をつけることになり、飯村美理を採用した。秘書歴は5年で、ベンチャー企業での仕事は初であるがバリバリ仕事ができ雄大は社長職に集中ができるようになった。

また、事業責任者とデザイン責任者そして、開発責任者をたてて、
淳平と廣瀬はマネジメントに周るようになった。
そんなある役員会議にて廣瀬が

「今、幹部が3人でやっておりますが僕たちまだ全員20代で経験値が少ないですよね。だから経験を積んでいる方を採用したほうが良いんじゃないかなと思ったんですけどどうですか?」
「うーん、、、たしかに今社員数が200人まで増えていて今後増えていくと思うから、この成長企業で経験している人を採用したいな。雄大はどう?」
「必要だと思うけど、企業文化を壊さない人がいいな。その経験した固定概念で語られると幅がなくなるから」
「そうだね。じゃあヘッドハンティングで採用するか。そのフェーズについにきたかあ」
採用することを決めてその日の会議は終わった。

そんなある日ある記事がバズった。元大人気俳優の中島敦が芸能界を引退した後何をしているかのインタビューだ。今現在フリーランスとして仕事をしており、苦悩はありながらも生きがいを持っているという内容だ。薬物・不倫など激動の芸能界から脱して、田舎でフリーランス生活をしている彼は幸せを感じているらしい。
この記事は新聞にも掲載されるくらい人気になり、記事のシェア数が1万件を超えた。結果としてメディアの知名度はかなり上がり、ダウンロード数も急上昇1位になった。

結果アプリメディアPVランキングは日本で10位までの規模となった。また、規模が多くなっていくにつれて、批判も増えてきた。

『偽善者』
『神様になった気分ですか』
『良いことをしているかもしれないけど、金稼ぎたいだけだろ』

雄大はエゴサーチをよくするので、心が疲弊していた。
夜誰もいないオフィスで淳平に
「淳平。世界の人幸せになっているかな」
「社長どうしたんだよ。」
「いや、批判的なコメントがあるからさ。みんなチェインフェリスで
 幸せになっている人少ないじゃないかなと思ってさ」
「批判している人間は幸せなんだよ」
「そういう人間は本当の不幸を感じていないから、そんなこと言えるんだ
 だから批判できるんだよ。甘いものばかり食べていたらそれが本当
 に甘いかどうか判断できなくなるだろ。だからいつかその人が不幸に
 なった時うちのメディアに来てくれるよ」
「不幸、、、なるほどね」

そのことはすぐに証明された。中部地方で大規模な豪雨が起きた。堤防は決壊し、1,000人以上の方が亡くなり仮設住宅に住む人はのべ1万世帯になった。日本でも類をみない甚大な被害だ。
そこでチェインフェリスは、『#幸せを日本へ』を合言葉でメディアを発信し続けた。その結果PV数は格段に増え日本3位まで増えた。平和の象徴とまで思ってくれるユーザーも増え、多くのありがとうの声がコメントで届いた。
雄大は『不幸は幸せを渇望する』ということを学んだ。

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