見出し画像

銀世界を流れる

雪が降り一面が白く染まる銀世界。冬の絶景は美しいが、目にするためには寒さに打ち勝ち外へ出る気力が必要で、一年で一番、自分を律して暖めた部屋を出るのがこの厳冬期と言って良いでしょう。

2025年は10年に1度と言われる寒波が到来し、各地で大雪が降っているとヌースが伝える中、誰もが部屋に籠もりたくなる状況で、玄関から勇気ある一歩を踏み出すのでした。

向かうは日光。積雪が特別でないこの地でも、近年まれに見る大雪とそんな銀世界を流れる滝たちを巡る旅が始まります。


霧降の滝

都会で雪を見るのは難しい昨今だが、日光であれば積雪自体は珍しいことではない。大抵冬になれば20cmは積もっている。だが木々まで白く染まるような銀世界に出くわすかは運次第だ。

霧降の滝までの道中

まずは『霧降の滝』を目指して歩き出す。駅から滝への道中は木々まで白く染まり、過去一番の積雪にこれから見る光景に期待が膨らむ。

1時間ほど雪道を歩き目的地の観瀑台にたどり着いた。わずかに雲が切れて滝に光が差し込む。そこで見た、期待以上に白く染まった山肌を流れ落ちる水の姿に言葉が出ない。

霧降の滝

華厳の滝

日本一の落差で知られ、観光地ともなっている華厳の滝。この時期は人の姿があまりない。

エレベーターで滝下まで下り、その全容を眺める。一部は氷瀑し、厳しい寒さを体現する。水量のせいか雪のせいか、夏場のような轟音は心なしか響かない。

華厳の滝

滝坪から流れる水は一年で最も青く、雪化粧が映える。この滝は冬が最も美しい。

滝壺より下

龍頭の滝

この日は地吹雪が激しい戦場ヶ原へ向かった。湿原散策の始まりにいつも立ち寄るこの滝は、普段であれば二手に分かれる流れが特徴的だが、片側全てが雪に埋もれていた。

積雪に埋もれる龍頭の滝(2月)

できれば水の流れは止めないで欲しかったが、翌日には雪に泥が混じって綺麗な滝の姿を見ることはできなかった。

1月に訪れたときには水の流れはあるものの積雪は物足りなかった。理想というのは難しい。

龍頭の滝(1月)

湯滝

戦場ヶ原を渡って轟音とともに大瀑布が現れる。外国人から決まって写真をお願いされるこの場所に、この日は人の姿はない。

滝の横から階段を上って上流側から滝を覗くことができるのだが、この日は腰上まで積雪している上に、激しい地吹雪でひどく後悔した。

湯滝(全貌)

引き返して帰る道中、振り返ると微かな晴れ間が滝壺に横たわる白帽子を照らしていた。

湯滝(滝壺)

ということで、2025年、冬の滝たちの光景でした。

滝だけをピックアップしようとは考えていなかったのですが、初めに紹介した『霧降の滝』があまりに美しかったので、滝だけでまとめてみようと思った次第です。

水の流れと積雪というのは代表的な冬景色の一つで、自分自身もその光景に見せられた一人です。まだまだ冬が続いて欲しい気持ちもありつつも、あっという間に雪解けの時期に・・・。

また来年、今年以上を期待して冬を待ちたいと思います。

それではまた、次のnoteで👍

いいなと思ったら応援しよう!