埼玉県営の水上公園での水着撮影会中止騒動について。その7「『一般市民』からのご意見」。
前回その6で「公文書開示請求を出しているが行政不服審査申し立ての期限までには開示されない」旨を書きました。
これですね。こちらは埼玉県庁都市整備部へと行った公文書開示請求の「公文書開示決定等期間特例延長通知書」の当該部分です。
7/16付けで開示請求を出していて、「60日以内に開示決定等を行い」と規定されているので9月中旬には「公文書見せるか見せないか」を決めて通知しないといけない、というお知らせですね。
そしてこちらが9/13分の「公文書部分開示決定通知書」です。
このうち今回整理しようと思うのは最後に書かれたこちらになります。
その1で時系列に整理をしてありますが、6月8日(木)に共産党埼玉県議団の申入れが埼玉県都市整備部へと行われ、当日中に県庁→指定管理者→主催者までの「水着撮影会の中止」に関する指導や行政処分が行われました。
ご存じの通りこの処分に関してはネットなどを中心に炎上。県庁が休みの土日に埼玉県知事がコメントを発するまでの事態へと展開し、水着撮影会主催者への「不利益処分」はわずか3日で撤回されたのでした。
これに関して県公園緑地協会は2023年(令和5年)7月19日付けで公式サイトにて「お知らせ」で経緯を説明しています。
「水着撮影会騒動」についての顛末を説明したこのお知らせでは、そもそもの6/8の「『施設使用許可処分』の取消し処分(不利益処分)」を行った端緒として「『一般市民』からのクレームの存在」を協会は挙げています。
これについては、6月に撮影会騒動が報道された際にも「クレームの存在」が言及されていました。
この水着撮影会騒動では共産党の「申し入れ」のインパクトが先行していましたが、申し入れに先駆けて「一般市民」がクレームを当該役所などに入れる行為はこれまでの他の事例でも散見されており、「どうせまた関係者が『一般市民』をうたって先にクレーム入れたんだろうな」と私は思っていました。
ただ、明確な根拠が無く「クレームと申入れの因果関係」についての発言をすると、名誉棄損やらで攻撃を喰らう恐れも十分考えられます。なので「事実適示」ができる様に私は公文書の開示請求を掛けた訳です。「何か出てくればラッキー」と思って。
ナ ニ カ が 出 て き ま し た 。
なので以下で「誰でも閲覧ができる公文書」をお見せしたいと思います。
以下で「事実適示」を主に並べてみたいと考えています。
まずはこちらは「4月下旬」に県営しらこばと水上公園の管理事務所へと入ったクレームを記録した公文書です。おそらく水着撮影会関連では最初のクレームにあたると思われます。他の公文書から類推すると4/30に送られてきたものかと。
記録によると「一般人男性(年齢不明)」より「休日に水着イベントは勘弁してほしい。子供たちがこばとんの森が好きで遊びに行くので、公序良俗に反するイベントは慎んでほしい」という内容がメールで送られています。
他の公文書から類推すると、この男性は「政治的背景の無い『本当に近所の人』」である線が濃厚だと思われます。
これに対してしらこばと公園管理事務所は2023年(令和5年)5月2日に以下の返信を行っています。
うん。常識的な内容の回答ですね。
また、しらこばと公園管理事務所からは埼玉県庁都市整備部公園スタジアム課(県営プールの指定管理者の所管)と大宮公園事務所(指定管理者の県公園緑地協会の本部の上長)へも以下の報告を同日に行っています。
このクレームの段階では、管理事務所は「水着撮影会を中止する」という考えが無かった事が分かります。前身の組織から50年近く公園管理を行っている管理者なので、極めてまっとうかつ適切な対応をしている、という印象です。
そしてほぼ1か月後の2023年(令和5年)5月29日に、しらこばと公園管理事務所へ再びクレームのメールが入ります。今度は「一般人女性(年齢不明)」の方からです。以下がそのクレームを記録した公文書。
こちらが「公文書」として記録されている、5/29(月)のメール内容の公文書です。
まず冒頭の「■■■をしている者です。」が印象的なメールです。
いきなり3文字の肩書(と思われる)を開陳しています。
「しらこばと水上公園を開催場所とする」「以下の『撮影会』イベント」は公文書なので黒塗りされていますが、他の公文書などから類推して「近代麻雀水着祭(2023年6月24日、25日使用許可)」となります。
この「撮影会」について、児童ポルノ法の条文を挙げて「撮影会が『児童ポルノ』に該当」という指摘をしています。
児童ポルノ法2条3項3号とは以下の内容です。
一般人はいきなり法文を用いて適示をしたりしませんから、普段から法律に関わっている人間がこのメールを書いてるんじゃないかな、と個人的には思います。あくまで推測ですが。
そして「公園が許可を出していない」ならば主催者へ早急に連絡をして対応する事を求め、「公園が許可を出している」場合は「大変な問題」であるので「許可理由の教示」を求め「公園の使用許可は取り消されるべきである」と述べています。
「■■■(三文字)です」からの法律適示をされて要求をされたら、一般人はビビりますし、リスクを嫌うお役所ならばぞんざいには扱えません。
しらこばと公園の担当者はメールの翌日(5/30)に県庁と県公園緑地協会の上長へと報告を入れています。クレーム主へは6/2(金)に以下の返信を行っていますが、担当者の管理課長ではなくしらこばと公園の所長からの返信となっています。
ちなみに民間人扱いで黒塗りになっていますが、公園の所長は埼玉県庁から出向してきている都市整備部付の課長級の県庁公務員です。
あー、クレーム主は●●●●だから4文字の名前の女性で、■■■(3文字)の肩書を持つ人なんですねー(棒読み)
返事のメール内容をご覧いただければ分かる通り、この時点(6/2)でも県公園緑地協会は撮影会を中止するつもりは全く無かった事が分かります。
しらこばと事務所の対応も妥当なもので丁寧に対応しており、何ら問題があるとは思えない内容でしょう。
し か し 。
■■■の●●●●さん(クレーム主)はこの対応が大変お気に召さなかった様です。以下はこの連絡についての県庁と協会本部への報告メールです。
6/2(金)のしらこばと公園所長の返信に対して、なんと■■■の●●●●さん(クレーム主)は翌日6/3(土)に電話凸を敢行します。
以下はその電話内容を記録した公文書です。
(※怖いので覚悟して見て下さい。僕は泣いちゃいました)
■■■の●●●●さん(クレーム主)は前日のメールでも県公園緑地協会が「撮影会は中止にさせる」と申し出ず、「適切な指導監督を行い開催する」という返事をした事に大変ご立腹な様子がうかがえます。
これに対してしらこばと公園の所長の対応は負けておらず適切に応対している様子が分かります。電話をしても県公園緑地協会から「水着は中止」の言質を取れなかった■■■の●●●●さん(クレーム主)。
■■■を名乗ってメール→電話凸とやったのに指定管理者が「水着撮影会を中止しない」のは失当なのでしょう。
「写真をメールで送る」と言っていた、電話の後のメールが以下です。
■■■の●●●●さん(クレーム主)はかなりご立腹の様子で、畳みかける様に詰問する内容のメールをしらこばと公園所長へと返信しました。
児童ポルノ法2条3項3号がお好きな様子で、このメールでも条文を丸ごと引用して意見を展開されてます。ご覧いただければ分かりますが「水着撮影会を意地でも中止に追い込む」という強い意志を感じる内容です。
そしてメールの最後には「しらこばと公園管理事務所の人権についての認識が大変低い」と断じ、「本件に関心を持つメディア関係者や議員などにもお知らせして本件の問題について世論喚起をはかっていきたい」と述べられています。
・ ・ ・ ■ ■ ■ の ● ● ● ● さ ん 怖 い 。
このメールは「6/3にお電話でうかがった」と冒頭にある事から、
おそらく6/4(日)かそれ以降に作成送信されたメールなのであろう、と思われます。
そして今回の水着撮影会騒動の中心イベントである「日本共産党埼玉県議団の申入れ」が6/8(木)に埼玉県庁にて県都市整備部の部長へと行われました。共産党の公開している「申入書」は6/7(水)の日付になっていますので、少なくとも前日には申入書を作成していたのだと思われます。
■■■の●●●●さん(クレーム主)が電話凸したのが6/3(土)11時頃でしたが、それから4日後には共産党が申入書を作成、5日目に申し入れが行われたんですね。出来事を時系列に並べると。メールの返信から考えると3日くらいのインターバルでしょうか。
■■■の●●●●さんのメールと、共産党の申入れの因果関係については私には分かりません。繰り返します。共産党の申入れと■■■の●●●●さんの因果関係については私は分かりません(大事な事なので2回言った)。
ただ、■■■の●●●●さんが「議員などにもお知らせして」とメールに書いた3日後に本当に議員が突入してきた訳です。これは単なる事実です。
そしてこちらは共産党埼玉県議団が自身のWebサイトで公開している「申入書の内容」です。埼玉県に公文書開示をしてもらった「県都市整備部が受け取った申入書」では黒海苔の部分もそのまま公開しています。
これによると「6月23、24日に」とある事から共産党の申入れが「近代麻雀水着祭(しらこばと水上公園・2023年6月24日、25日使用許可)」をピンポイントで指していることが明らかな訳です。
普通に考えれば、水着撮影会を県営プールという「公の施設」で行う事を問題視して県議が県庁に申し入れまでしてる訳ですから、「埼玉県のプールで予定されてる水着撮影会は全部中止」くらいを申し入れないと不自然だと思うんです。でも何故か共産党は「近代麻雀」のみをピンポイントで申し入れました。事実、県公園緑地協会は県営プールで予定する6社全部を一旦処分の対象としている訳ですし。
でも「近代麻雀」のみしか申し入れてない。そういえば■■■の●●●●さんも「近代麻雀」の水着撮影会「のみ」を執拗に糾弾しクレームしてました。
奇妙な符合ですね(事実適示を棒読み)。
そして共産党の申入れ日の6/8(木)当日中に、水着撮影会主催者6社に連絡が行って「プール使用許可処分、の取消し処分」といいう行政処分が下った訳です。
こちらは公文書開示をした「水着撮影会主催者への『県営プール使用許可処分』の取消し処分」の通知書です。「他社が許可条件違反したからお前のとこも含めて全員もうプールは貸さへんで」とされてますね。
そして「6/9までに返事ください」とメールに記していた■■■の●●●●さん(クレーム主)へ対しても、しらこばと公園所長からご覧の返信がされました。
6/3(土)の電話の時点では「今後も撮影会は指導監督して開催する」という立場を堅持していたしらこばと公園所長は、6/8(木)の共産党申入れを経て、翌日の6/9(金)のメール返信では「水着撮影会は今後全て中止」という「■■■の●●●●さん(クレーム主)の希望通り」へと180度スタンスを変換した訳です。
埼玉県庁の課長級公務員であるしらこばと公園所長なので、申し入れを受けた県庁都市整備部長(部長職)や県公園緑地協会理事長(上長であり埼玉県庁の部長級からの出向)の意向には逆らえないのはやむを得ないですね。
共産党の申入れを経て、■■■の●●●●さんは大勝利の状況となった訳です。
しかし共産党の申入れの翌日以降、ネットのSNSなどを中心に「水着撮影会中止」の処分を批判する声が殺到して大炎上となったのはご存じの通りです。
炎上を受けて埼玉県知事は即座に事態に対応。「水着撮影会の中止要請の撤回」を指導し、週明け6/12(月)の定例会見で言及するに至りました。
こちらは「水着撮影会に関する中止要請の撤回について(通知)」という公文書です。6/8(木)に下した「使用許可処分の取消し処分」取消し処分を指導する通知書を作成する為の稟議決裁の記録ですが、6/11(日)起案で同日決裁となっています。
ちなみに埼玉県庁はお役所ですから、6/10(土)と11(日)は土日でお休みです本来ならば。休日に県庁の部長クラスの決裁を即日取って県知事まで連絡する、というのはいかに異例の出来事であるかはお分かりいただけるでしょうか。
決裁されて県公園緑地協会へと通知された指導です。こちらも開示された公文書となります。
これによって「水着撮影会をドタキャンさせられた6社」のうち4社については不利益処分が撤回されることとなりました。
■■■の●●●●さん(クレーム主)の野望は6/8に認められ、6/11に潰えました。「三日天下」という言葉がありますが本当に三日でした。明智光秀は「三日天下」と言いつつ13日もちましたから、■■■の●●●●さんは光秀越え達成です。
さて、以上が埼玉県での水着撮影会の一連の騒動での、「共産党埼玉県議団の6/8申入れ」の前後の出来事を時系列に整理し並べたものとなります。
ちょろっと「個人の感想です」が混じってますが、基本的には「事実を適示し並べたもの」です。リーガルなタップダンスを踊ったので、極力注意を払いましたし気疲れしましたw
これまで我々は「申し入れ」に先立って「一般市民のクレームがあった」という情報は報道などで「クレームがあった事」を知るのみでしたし、内容についてはほとんど知らされませんでした。
「前後に何があったのか」「どのような『クレーム』が指定管理者へと入れられたのか」を知る事は、今回の水着撮影会騒動の背景や事の起こりを理解するには重要である、と考えて私は公文書開示を7月に掛けていた訳ですが、その結果埼玉県より開示された公文書を整理し並べて皆さんにお見せした訳です。
並べただけです。事実をそのまま適示しただけです。時系列に並べただけですよホント。ですから論評とかしません。ご覧いただいたみなさんが各自で理解判断して下さい。私は知りませんw
そういえば別件ですが、5/21(日)に「colabo弁護団」の一員である太田啓子弁護士がこんなTweetをしてました。
2条3項3号ですか。なんか最近よく聞いた気がするなあ(独り言)
デジャヴを感じるんですが、影響力のある方のtweetですからきっと賛同する方が似たような事を書いたのを、どっかで私は読んだんでしょうかね。知らんけど。でも、みなさん「近代麻雀水着祭」に言及するの好きっスね。
では。