埼玉県営の水上公園での水着撮影会中止騒動について。その9「太田啓子弁護士のTweetと資料を並べて勉強してみる。その2。」
さて、引き続き太田啓子弁護士の水着撮影会関連のTweet(現ポスト)を並べて勉強していきたいと思います。
その8(太田弁護士その1)はこちら。
こちらは共産党埼玉県議団の6/6(火)に投稿されたTwitterのtweet(現ポスト)です。この日に共産党埼玉県議団は埼玉県庁へ「水着撮影会についての申入れ」を文書にて行っており、6月8日に埼玉県庁の一室で山科昭宏都市整備部長へと対面の申入れをしています。
報道された「申し入れ」は6/8の対面のものとなります。県営プールの管轄は県庁都市整備部の公園スタジアム課であり、山科部長は都市整備部を統べる部長職です。
申入れた共産党埼玉県議団のWebサイトによると、山科都市整備部長は「2日前にこの問題を把握した」とコメントしています。
6/8(木)の二日前は6/6(火)で、これは共産党埼玉県議団が申入れ内容を県庁に出した日です。
「■■■の●●●●さん」が13ページにわたる「中学生がビキニで開脚したりしてる写真資料」を県公園緑地協会へと送りつけたのが6/4(日)と見られますが、状況的に見ると山科都市整備部長は「6/6(火)の共産党の申入れで初めて水着撮影会問題を把握した」と思われます。それまでは現場レベルで対応されていてた、と考えられる状況でした。
こちらは6/9(金)大野元裕埼玉県知事がしたTweet(現ポスト)です。共産党埼玉県議団が行った申入れをメディアが報道した事で「撮影会ドタキャン処分」に対する主に批判的な意見が出始めた中での県知事の投稿でした。
共産党埼玉県議団も申入れの翌日6/9(金)の午前中に「指定管理者より主催者に中止を申し入れた」と県庁都市整備部公園スタジアム課に確認した旨をTweetしています。
そしてこの6/9(金)の夕刻には、5月下旬より何度もクレームを入れていた「■■■の●●●●さん」に対してしらこばと公園管理事務所所長よりご覧の返信メールがされています。
これにより「今後の水着撮影会の中止」の方針である事が述べられています。「■■■の●●●●さん」の申入れ望んだ結果が見事に成就した訳です。
ちなみに指定管理者であり「■■■の●●●●さん」のクレーム対応をしていた埼玉県公園緑地協会のしらこばと公園管理事務所所長は、6/8の共産党の申入れ前までは「指導管理を徹底して撮影会を開催していきたい」との立場でした。
このしらこばと公園の所長は埼玉スタジアムの管理事務所所長などを歴任している指定管理業務の経験が豊富な専門家でした。そして前任地は消防学校の校長で、2022年(令和4年)4月の埼玉県人事異動によってしらこばと公園へと着任している埼玉県庁の課長級の公務員(都市整備部付)という肩書の人物です。
しかし県庁都市整備部の部長が共産党の申入れを受けた事で、「今後の撮影会は中止とする」と表明するに至った訳です。時系列で整理をすると、間違いなくこの「都市整備部長に共産党から話が行った」事が潮目が変わる契機だったのです。
課長級の出向公務員の所長が現場で抵抗していたものが、県庁所管部署の部長の意向によって意見を翻さざるを得なかった、という図式が見えてきます。
----------------------------------------(ここまでが共産党の申入れで撮影会が中止になったの前後経緯についての説明)--------------------------------------
こちらは6/8(木)に投稿された、埼玉県営プールで水着撮影会を開催予定であった主催者が「撮影会中止」を告知するTweetです。
直前での中止の経緯が「共産党の申入れ」によるものであった事はSNSなどで瞬く間に拡散される事となります。
「埼玉県で『水着撮影会』という表現の場が共産党の申入れによって潰された」という現実によって、表現の自由に興味のある人々からは批判的な声が巻き起こります。一報で「破廉恥や撮影会は女性蔑視」といった観点などからフェミニズムを支持する勢力が撮影会の中止決定を擁護。ニュースで報道され始めた事もあり、SNSなどで大きな反響を呼ぶことになります。
こちらは6月9日(金)の早朝5時半ごろに投稿された太田啓子弁護士のリツイート(現リポスト)です。すでに6/8にネットで大騒ぎとなっていた撮影会中止についてですが、このtweetには太田弁護士の主張が簡潔に込められていると思います。
「3人の中学生が出演予定でした。」
これが水着撮影会についての太田弁護士の主張の芯です。
この後太田弁護士は様々な人と議論を繰り広げる事になりますが、この「中学生が撮影会で撮られている」という事が「誰もが反論できない事実」でありどんな反論もこの事実の前には無意味、と恐らく本気で考えている様子がうかがえます。
この6/9早朝の太田弁護士のTweetには興味深いレスがついていますので、そのツリーを以下に引用して見てみたいと思います。
フェミニストの太田弁護士にレスをつけたのは小口幸人弁護士。沖縄で基地抗議活動を支援している弁護士の方で、原発関連などでも名前が見られる方です。
以下でそのレスのツリーを細かく分解しながら見てみたいと思います。
「開催直前の水着撮影会」に対して「中止要請」を県庁および指定管理者が出したという事例に対して、県営公園の利用規約を探した小口弁護士。
「規約に基づかない利用拒否」は「目的がどんなに正当であっても、手段としては行政府による権力濫用を即すもの」なので「まずい」と思う、と述べています。至極まっとうな意見だと思います。
これに対して太田弁護士は「貸出規約は見当たらないが、撮影規約はあった」と返答しています。
こちらがそのしらこばと公園の撮影規約です。
「公序良俗に反する」といった記述は見られますが、未成年の参加を制する記述は特に見当たりません。
そして太田弁護士は投稿で持論の「未成年が参加してたら全部アウト!」論を展開します。しかし明確な禁止の記述が出てこないので、「『未成年はアウト』って規約があるに決まってるから、貸出条件に違反してるに違いない」とおっしゃってます。
「プールの貸し出し禁止を申入れた!」という話に
「規約に基づかない利用拒否は不味いっスよね?」と言われて
「(規約は確認できてないけど)『未成年の出演』は常識的に考えて『ダメ』って書いてあると思うの。」
と答えた太田弁護士。
これに対して小口弁護士は「えっと…、」と絶句の表現を書いています。
既に貸してるプールをドタキャンで「やっぱり貸さない」って言うには、「規約や条件違反があったからダメ」っていうのが前提で、書いてない話で「やっぱ貸さない」はダメっスよね?
という至極常識的な弁護士としての回答を小口弁護士は書いています。
これに対して太田弁護士は「中学生が出演しちゃってるんだから『貸し出し条件違反』があるに決まってるでしょ!知らんけど!規約は確認してないけど、埼玉県はそのへん説明すべき!」とおっしゃりました。
ご覧の通り弁護士なのに「ロジックにお気持ちで返した」のです。
お気持ちに正面からレスする無意味は弁護士さんなら重々承知でしょう。
角度を変えて「共産党は『都市公園法第1条』とかトンデモない事言ってるくらいだから、規約違反じゃない気がしますけどね?」とレスがされました。
これに対して太田弁護士は「私も都市公園法の問題ではないと思います」と返しました。さすがに弁護士さんなので、ボケたら不味いところはご承知の様子で都市公園法第1条を強弁する愚は犯しません。
しかしその後は「『中学生の出演が認められる』とかある訳が無い」という持論を繰り返し、「でも私の推測ですけど」と答えています。
そして太田弁護士は「あ!埼玉県青少年健全育成条例なら違反になるんじゃない?」と議論を別の角度へと導き始めています。「不利な問いには答えず話を逸らす」という、特に水着撮影会の話で見られる太田弁護士のスタンスがここでも繰り出されました。
「青少年育成条例に『水着撮影会』が抵触するか」については、2日後の6/11に太田弁護士自身が「難しい」とご覧の通りTweet(現ポスト)しています。
「埼玉県青少年健全育成条例に反しないでしょうか」というリポストに対する小口弁護士のリポストがこちら。
「それがそう(水着撮影会が青少年健全育成条例に抵触)でも、(水着撮影会への会場の)貸出はそのままで、お巡りさん巡回、という話ではないかと。」と述べられています。これは私も全面的に同意しますし、至極まっとうな意見だと思います。
「予防拘禁のような理屈で貸し出さないとするのは…。」
予防拘禁とは「常習犯などを犯罪者予備軍扱いとして治安上の理由で自由を束縛」する事です。「水着撮影会を犯罪者予備軍扱いして『集会の自由』という自由を束縛する」ことである貸出禁止はまずいのではないか、という事が述べられたと考えて良いでしょう。
背景等を考えないで述べれば、普通に憲法第21条「表現の自由」という基本的人権の侵害だと私も思います。
これに対する太田弁護士のリポスト(回答)はこちら。
「4月に中学生が出演してたんだから『公序良俗』の規約違反と思われる」という「中学生が出演していたのだから反論の余地無く悪」という主張を太田弁護士はここでも繰り返しています。
「規約は(公開されているものが見当たらないので)確認していない」と太田弁護士が述べているのはご覧の通りですが、にも関わらず「許可条件を決めながらその遵守を確認せず漫然と許可」した埼玉県が問題だ、と言っている訳です。
いやいや、「それってあなた(太田弁護士)の想像ですよね?(ひろゆきの形相で)」
そしてこちらは6/3(土)に「■■■の●●●●さん」がしらこばと公園管理事務所所長へと入れたクレーム電話の記録の冒頭です。
ご覧の通り太田弁護士と非常に似通った内容の主張を「■■■の●●●●さん」も展開されているのが分かると思います。別人なのにこんな事もあるとはおもしろいですね。
こちらが今引用した太田弁護士のツリー最後のリポスト。
この発言は6月9日の午後のものです。
こちらは6/4に「■■■の●●●●さん」がしらこばと公園管理事務所へと送ったメールの末尾付近です。「6/9までにご回答下さいますよう」と記されています。うーん。。。
沖縄の基地問題や原発関連など「リベラル寄り」の活動が多く、弁護士である、という人物からの問いかけなので、太田弁護士もその返事には敵意の様なものは見られません。疑問を呈されながらも、きちんとした答えを返さざるを得なかったのだと思います。
そしてそんな状況のやり取りのツリーを見ていても、太田弁護士の回答は「中学生が出演している」から「規約違反を犯しているに違いない(確認は取れていない)」の繰り返しに終始しています。
弁護士さんなので、これが法廷でのやり取りであればさすがにこの様な「お気持ちの表明」の返事はしないのでしょうが、SNSでのやり取りという事もあってか、終始返事は「中学生」となる状態なのはご覧の通りです。
そしてあいかわらず「■■■の●●●●さん」と太田弁護士の主張の内容が酷似しているのも途中で補足させていただいた通りです。
この後はその3へと続いて、今度はリベラルサイドではない方との太田弁護士のやり取りを整理検証してみたいと思います。
では。
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