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アルバイトの思い出

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古本屋などでもアルバイトの思い出。
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エッセイ#37『古本屋の思い出-後篇-』

店長 私のアルバイト史上最大の転機が訪れたのは、大学4年の初夏のことである。これまで店長を務めていた船橋さんが、職場を移動することになったのだ。  いつも通り漫画の棚入れ作業をしていると、80円コーナーの本の何冊かが背表紙を上に向けた状態で置かれていた。また誰かがイタズラをしたか、本が独りでに動き始めたのだろうと思い、元の状態の戻すと、全く面識のない男性に声を掛けられた。  「おーい、それ戻しちゃ駄目だよ~」  そう言ったのは「エリアマネージャー」を名乗る人物で、スマホのよ

エッセイ#35『古本屋の思い出-中篇-』

きっと本は生きている 1年程アルバイトを続けてわかったこと、それは「本は独りでに動く」ということだ。  皆さんも書店や古本屋で経験したことがあるのではないだろうか。本棚に並べられた本の上部の隙間に、その売場とは関係のない本が横たわっていたり。平積みされた本の上に、数ブロック隣の本が置かれていたり。それはきっと、本が勝手に動いたことが原因だろう。  一度、私はこんなことを考えた。お客さんが一度手に取った本を、やっぱりいらないからと別のコーナーの本棚に置いたのではないか、と。しか

エッセイ#34『古本屋の思い出-前篇-』

まえがき 本日をもって古本屋のアルバイトを辞めた。初出勤は大学1年生の夏のことだったので、もうかれこれ3年半の月日が経過したことになる。  始めた理由は本が好きだからでも、家から近いからでも、時給が良いからでもない。ただただ人との会話が苦手だからだ。居酒屋やコンビニは「見知らぬ相手との会話」が必ず発生する上に、何だか業務内容も大変そうだ。私には絶対に務まらない。「人との会話が少なさそう」を条件に求人サイトを見ていたところ、目に留まったのが古本屋のアルバイト募集だった。  先程