アブラソコムツを食べてみた
それは、ひとつのツイートから始まった。
イースト菌さんがバラムツを釣るオフ会を開催したらしく、同船をしていた人からアブラソコムツを貰ったらしい。
そんな中で私が一言。
という訳で、ニゴロブナのふなこくとアブラソコムツを物々交換するという珍妙なオフ会が開かれる事となりました。
こうして、始まった企画が当企画である。
アブラソコムツとは?
そもそもの話、アブラソコムツとは一体なんぞやという所から掘り下げていきましょう。
アブラソコムツとは深海魚の一種でありマグロ、特に大トロに似て美味とされますが、有害な魚です。
日本においてはバラムツとともに販売禁止に指定され(食品衛生法第6条2項:有害な物質を含むもしくはその恐れのある食品)判例もこれを支持しているため、市場には流通していない食品です。
要する所、市場に回すと違法になるという魚になります。
具体的にどう有害なのかと言うと、魚の油脂成分がワックスエステルで構成されており、ヒトには消化できず尻から直接油が出てくるという害があります。
酷い症状だと下痢が重症化して脱水や昏睡に陥る場合もあり、クエという名の高級魚と偽ってアブラソコムツを流通させた「アブラソコムツ事件」というものがあったり、色々と人騒がせな魚です。
個人で釣って食べる分には違法ではないので、今回は実体験として記事を残してみようという趣旨のものになります。
用意したもの
冷凍のアブラソコムツ100グラムを貰ったので、一気に食べます。
尻から油が出る事に備えて大人用紙おむつも買いました。
食べてみた
焼くと油が落ちそうなので、全部刺身にして食べます。
見れば見る程妙な魚です、身が真っ白で包丁とまな板が油まみれになりました。
刺身には包丁を入れて醤油の乗りを良くしました、ブリなんかでもされる手法ですね。
味はというと、凄く美味いです。
英語圏でホワイトツナと称されるのも納得です、大トロよりも脂が乗っています。
異様に脂が多くてワサビを効かせるのが大変でしたが、味わいは兎に角濃く、それでいて魚の旨味が口の中いっぱいに広がります。
これがまた米によく合い、一切れ食うだけで沢山米が食いたくなりました。
魚に脂が乗っているよいうより身そのものが脂のような魚です、焼いたらさぞかし脂が落ちるに違いない。
なんというべきか食べた事の無い味です、マグロとも違いますし偽って販売されたクエとも違う、なんとも不思議な魚です。
ただちょっとしつこい味、食った後は胃がもたれました。
体に悪いもの程美味いと言われていますが本当ですね。
食べた後
アブラソコムツは食べると人としての尊厳が失われるといいます、今回はより低みを目指して画像をアップロードしました。
因みに、アブラソコムツを食ったのはクリスマスイブだったりします。
おめでたい日の前日に何をやっているのか・・・
その後ですが、48時間経過しても何も起きず、大便も普通に出ました
警戒しておむつは着け続けていたものの、問題は発生しませんでした。
個人差はありそうですが、100g程度であれば体に害は無いようです。
終わりに
最後まで記事を読んで頂きありがとうございます。
アブラソコムツは大変美味しい魚でしたが、食べるにしても5切れ程度にしておいて下さい、沢山食べる場合は自己責任でお願いします。
今回は貰い物でしたが、次回挑戦する際は自分で釣った奴を食べたいと思います。
可能であればバラムツとアブラソコムツを並べて食べ比べをしてみたいものです。
最後に、スイスの哲学者であり詩人、アンリ・フレデリック・アミエルの名言を借りてこの記事を締めたいと思います。
「暴君は暴君でも、一番危険なのは、生命がひとつ、胃袋がひとつしかない暴君ではなく、破壊されることのない、飽くことのない暴君、自分の欲望、自分の憤怒にすべてを打ち込む賤民である」
いつかバラムツも食べてみます、絶対に真似しないで下さい
スペシャルサンクス
アブラソコムツの提供者イースト菌さん