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<MBTI>勉強に役立つ心理機能、役に立たない心理機能について

 筆者はあまり心理機能に関しては言及しないのだが、16タイプの上級者は結構心理機能の話をしたがるので、一応はそういったビッグウェーブに乗ろうと心理機能の記事を書いてみる。

 以前の記事で仕事に役立つ心理機能と就活に役立つ心理機能について考察したのだが、今回は勉強に役立つ心理機能について考えてみたいと思う。ここで言う勉強は大学受験を中心に、小学校から社会人まで広く「学び」という行為を通して役立つものとする。

Te

 受験勉強は基本的にT型の方が有利なのだが、その理由を考えてみると、T型が人に承認されることよりも物質的な側面に焦点があたっているということに行き着く。筆者の経験ではTeは中学受験経験者に強い印象である。他にも優等生タイプやガリ勉タイプ、完璧エリートタイプなどに良く見られる。

 Teは勉強の計画を立て、自分の能力を証明し、社会での出世に役立つといった現実的・実利的な観点から勉強の原動力になるだろう。Teユーザーは計画を立てて勉強するのが得意だし、興味や感情に振り回されないので、かなり勉強には有効だ。いわば「つまらないものを勉強する能力」には長けているだろう。

 Teを使って勉強を乗り切ったタイプは社会に出てからも強い。というのも、Teの課題解決能力は仕事などざまざまなことに応用可能だからだ。Teにとっては勉強も仕事も同じ軸の上のタスクに思えるだろう。

Ti

 Teと並んで勉強では猛威を振るう心理機能である。Teが「役に立つか」という点に焦点を充てているのに対し、Tiはどちらかというと「理解したい」とか「面白い」という感情と結びついていることが多い。したがって、Teに比べるとムラができてしまったり、サボってしまったりするのが難点である。ただし、Teと比べると勉強の内容自体に興味が向いていることが多く、これはかなりのアドバンテージである。

 N型でかつTiが強烈な人間はいわゆる「学者タイプ」である。このタイプはただのゲーマーや学歴中になってしまうこともあるのだが、教科に興味が持てれば強いだろう。Teユーザーは途中で就職してしまうことが多いので、世界的に優れた学者などはTiユーザーなのだろう。S型の場合は競争心と結びついていることが多い。S型で学術系に興味があるという人物はほとんど見たことがないが、偏差値を挙げたいとかいい大学に行ってモテたいといった願望はあるので、そういった原動力でここ一番の馬力を発揮するのである。

 Tiはどの段階でも勉強には使えるが、仕事となるとTeほどの汎用性は無いかもしれない。ESTPやISTPの場合はTiが拝金主義と結びついているため、金儲けの手段としてバイタリティを発揮することが多い。一方、ENTPやINTPの場合はTiと実務があまり結びつかないので、仕事選びに苦労しがちである。

Fe

  Feは正直なところ、あんまり受験勉強には役に立ちにくい心理機能である。F型の要素が強い受験科目は現代文くらいだろうが、その現代文にしても求められる機能はどちらかと言うとNeとかNiである。Feを使うこともできるが、そこまで決め手という感じではないだろう。

  Feユーザーは相手の意図や感情を読み取るのが得意なので、内申点を取ったりするのは得意である。しかし、本格的な受験勉強となると、個人戦の色彩が強くなってくる。こうなるとFeはあまり使う場が無くなってしまう。かなりえげつない話だが、中学校の時はそれなりに優等生だったのに高校辺りからついていけなくなる真面目な女子といったテンプレが考えられるだろう。もっともFeを全面的に押し出しているタイプにそんなに学歴が必要なのかという議論はあるのだが。

Fi

  Fiに関しては勉強面で役に立つ場面はほとんどないと思われる。どちらかと言うと内面の安寧を重視する機能であり、競争社会や向上心と言ったものとは縁遠いだろう。もちろん勉強が面白いとか楽しいという感情を持つ人はいるだろうが、その多くはTiに起因している。競争に勝った達成感とか、難しい問題を理解出来た喜び、などである。Fiを全面的に押し出しているタイプはむしろ勉強嫌いが多いような印象を受ける。野比のび太は典型例かもしれない。

 勉強に限らず、Fiは目標達成に向けて努力が必要な時は封印すべき心理機能である。Fiはどうしても今この瞬間の精神の安寧を重視してしまうため、努力や結果には結びつきにくいのである。Fiを全面的に追求するのはもっと後で良いのではないかと思われる。

Ne 

 Neは諸刃の刃と言うべき機能である。適切に使えばこんなに強い武器は無いが、不適切に使えば学力がボロボロになってしまう。ENTPやINTPが受験に失敗するケースは大部分がNeの使い方を間違えた時かもしれない。

Neはアイデアの泉と言って良い。勉強が難しくなり、応用問題が増えるにつれてNeの能力は重要になってくる。例えば難関大の数学においては適切な解法のセットをその場で思いつけるかという点が求められており、Neはこうした発想には困らない。文系科目であっても、足りない情報を想像で補ったり、実生活とは関係ない知識に興味を持ったりという要素は強みになるだろう。難関大の英語や国語の題材はアカデミックな文章が多いので、題材に関してもNeは興味が湧きやすい。

  一方、Neは基礎が疎かになりがちだ。Neが勉強に生き始めるのは基礎が完全に固まったあとであり、基礎段階でNeを使用するとめちゃくちゃな理解になってしまう。勉強の基礎段階においては辛抱強い単純暗記が必要になるが、Neユーザーにとってこれはかなりの辛抱になるだろう。しばしば中高一貫校で英語が壊滅的になってしまう生徒がいるが、これはNeユーザーの負の側面だと思う。どうしても得意な算数での成功体験が邪魔をして、英語の基礎学習が馬鹿らしくなってしまうのだ。

 Neは上級者向けの機能である。初心者がNeを使ってもむしろ基礎学習の妨げになってしまうだろう。ムラができたり、自己流になりがちである。それでも基礎を完全にマスター出来ればNeは猛威を振るうので、Neユーザーは辛抱強さが必須である。

Ni

 Niもかなり使い出のある心理機能である。と言うより、アカデミックな知識体系は大体がNiに立脚している。問題を作る側の人がNiで考えているので、必然的にNiは有利になるだろう。

Neのような拡散的な思考回路は無いが、Niは物事を体系的に理解するのを好み、学術系にはかなり強い。INTJの学術面での強みはNiの有用性に起因するのだろう。NiはNeと違って基礎段階の習得にそこまで邪魔にならないので、落ちこぼれる可能性も低い。弱点はあまりないのだが、あるとすれば通常のカリキュラムをはみ出た難問はNeやTiを使わないと厳しいという点だろうか。しかし、大学以降の学問はあまりにも難しいので、範囲内をやるだけで精一杯だ。この段階になるとNiが有利である。

 Siが仕事を覚えるために有用な機能とすれば、Niは会社全体を理解したり、業界の構造を理解したりするのに有用な機能だろう。したがって、Niユーザーは組織で上になればなるほど能力を発揮できるだろう。勉強と同じで、Niは上級者向けなのである。

Se

 Seはそこまで勉強に役に立つ心理機能では無い。どちらかというとSeが発達した人間はスポーツの方を得意とするだろう。学校の勉強や座学はあんまり面白くないのではないか。

 ESTPは勉強系で高度な達成をしている者も多いのだが、その特性を見ているとSeというよりはTiに基づくものが多い印象である。ESTPはかなりバイタリティがあり、ここ一番で頑張れる者がおおいため、勉強面で目覚めると強いのだろう。また、Neと違って自己流になる可能性が低いので、スパルタ予備校との相性は良いかもしれない。

Si

 Siユーザーの一般的なイメージに漏れず、Siはコツコツとした積み重ねが必要な勉強に非常に有能である。勉強=Siというイメージで捉えている者も多いだろう。Siは無味乾燥とした単純暗記や、反復練習が必要な訓練に耐性があり、宿題等もきちんとやってくることが多い。言わば手のかからない生徒である。

Siユーザーは学校の内申点を取ったり、資格試験の勉強をコツコツ積み上げるのが得意だろう。普通の環境で求められる範囲内において勉強で困ることはあまりないかもしれない。一般的な勉強のできるヤツはSiユーザーが念頭に置かれるだろう。

 ただし、高校辺りで勉強が難しくなってくると、Siだけでは達成困難になってくる。東大受験のような難関大入試や、本格的なアカデミックな研究はSiとはむしろ相性が悪いだろう。これらの分野はNT要素が必須になってくる。

 社会人の場合はむしろSi的な学習能力は強みになるだろう。大体の資格試験は高度な応用力やアカデミックな理解は不要であり、どちらかというと重箱の隅を付くような暗記が重要だからだ。Neとは真逆の場面で有用となるのである。更にいうとSiは仕事を覚える時全般で有用となるので、社会人向きの機能だろう。

まとめ

 今回は心理機能についてまとめてみた。勉強に役に立つのはTe・Ti・Ne・Ni・Siであり、勉強にあまり役に立たないのはFe・Fi・Seである。ただし、TiとNeは使い方によっては逆効果となる。

 これらの条件を念頭に置くと、安定して勉強が得意なタイプはINTJ・ENTJであり、学校の定期テストや資格試験においてはESTJ・ISTJが強く、INTP・ENTP辺りは出力が不安定となる。一方、勉強系があまり得意ではないのはESFPやISFPである。

 ちなみに筆者は勉強は全てNeとTiで乗り切ったのだが、同級生にはTeとSiで乗り切ったタイプも多かった。この手のタイプと勉強系の話をすると筆者は本当に噛み合わず、世の中には色々な人間がいるのだと驚いたものだ。ただ、実際に社会人になってみるとNeやTiを使うような勉強は少なく、もっぱらSiとTeでゴリ押しということが多いので、どうにもうまくいかんな、という感想である。

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