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卒業旅行でルーヴル美術館に行く大学生に向けて。
どうも、初詣に向かって歩いているうちにしれっと年越しを迎えてしまった旅人とらっしゅです。
みなさん、明けましておめでとうございます。昨年はお世話になりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
#お世話になりましたとか言えるほど投稿してない。
みなさんはどのように年越しを過ごされましたか?私は地元を離れての年越しだったので、友人に年越しそばならぬ年越しラーメンを奢ってもらってその足で地元の神社に初詣に行きました。
#友人が自ら提案した男気じゃんけん。
#大体言い出しっぺが奢る運命。
個人的に日付が変わるタイミングでの初詣は人生初でしたが、やはり年越しとともに初詣をされる方は一定数いるものですね。人の多さに驚きました。
そんなこんなで新年を過ごしておりますが、今日は卒業旅行を楽しみにしているであろう大学生の皆様に向けて書くことにしました。
#もちろん他の方も大歓迎だよ♡
かくいう私も卒業旅行で海外に行ったのは比較的最近のことです。スペイン、イタリア、フランスの3カ国を回りました。この辺りの国には憧れがあり、行ってみたいという方も多いのではないでしょうか。そして旅行につきものなのが、限られた時間で何をするか問題。とりあえず美味しいものを食べて、有名な場所を訪れたいですよね。ヨーロッパだと特に、行きたいところリストに入り込んでくるのが美術館です。パリだけでも、ルーヴル美術館・オルセー美術館・オランジュリー美術館の三大美術館があります。
#個人的にはオルセーが好き
#ルーヴルは広すぎる
#オーランジュリーはほぼ睡蓮
しかし、美術にも歴史にも精通していない私のような一般的な大学生(皆さんの方がお詳しいかもしれませんが)の感想は、「きっとすごくて意味のある絵なのだろうけど、何がすごいのかもわからないし、いかんせんたくさんあり過ぎて途中で飽きてきちゃうよ」なんて感じ。皆さんもわかりますよね、この気持ち。
他の国でもいくつかの美術館を巡った私ですが、その経験から言えるのは「すべての作品を鑑賞するのは到底不可能」ということです。ルーヴル美術館なんて一つ一つ見たら一日あっても足りません。せっかくの旅行なのだから、ルーブル美術館だけにフルコミットするのではなく、ぜひ色んな場所で色んな経験をした方が良いと思います。
その前提の上で、美術館での時間をより充実したものにするのに大切だと思うことがあります。それは、「作品の背景や意味を理解した上で鑑賞すること」です。それも、全部じゃなくていい。一作品だけでも何か知っていると、鑑賞する楽しさが倍増します。
そこで今回は、特に訪れる人が多いであろうルーヴル美術館から『民衆を導く自由の女神』(ドラクロワ/1830年)にまつわるエピソードを紹介したいと思います。
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#参考文献は中野京子さんの『名画で読み解くブルボン王朝12の物語』(光文社新書)です。面白いのでぜひ読んでみてくださいね!↓↓↓
この作品はとても有名なのでみなさんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。私はこの作品を一番の楽しみにしてルーヴル美術館を訪れたのですが、残念ながら修復中でお目にかかることができませんでした。
#ぴえん
まぁそんなことは置いておいて、この作品は1830年に起こった七月革命を描写した作品です。長くなるので省略しますが、ルイ16世と王妃マリー・アントワネットがギロチンで処刑されたフランス革命を皮切りに、フランスでは革命が繰り返されるのですが、七月革命はルイ16世の末の弟シャルル10世の暴政への不満が爆発して起こった革命です。
なんと言っても目を引くのは、画面中央の女神でしょう。民衆の中にいるこの女神は、実は「自由」という概念を擬人化したものなのです。
#作品の正確なタイトルは『民衆を導く<自由>』
擬人像としての自由は元来、フリジア帽(先端の垂れた円錐形の帽子)を被った女性として描かれるのが決まりだそうで、この由来はローマ時代に遡ります。解放された奴隷が女神フェロニアの神殿でフリジア帽を与えられたことからきています。ルイ16世が処刑されたフランス革命では、宮殿に押し寄せた民衆がフリジア帽をルイ16世に無理矢理被せて嘲笑する、という事件もあったそうです。
そして、女神が持つこの旗。今ではフランス国旗として何の違和感もないトリコロールの旗ですが、青=「自由」、白=「平等」、赤=「博愛」とそれぞれの色に意味があります。この旗は、ルイ16世とシャルル10世の間に即位した、ルイ18世(三人は兄弟)がフランス革命後の王政復古に伴い使用を禁じたものですが、再び王政廃止を求める民衆の象徴として描かれています。
ちなみにこの作品の中には他にもフリジア帽の他にさまざまな種類の帽子が描かれていますが、これらは学生や労働者、小ブルジョワなどの各階級を象徴しています。
そして、この女神何かに似ているとは思いませんか?そうです。ニューヨークにある自由の女神像に似ていますよね。ご存知の方もいるかと思いますが、自由の女神像はアメリカ独立百周年を記念して、フランス国民の募金によってフランスからアメリカに贈られたものなのです。これはフランスの「自由」を追求した歴史にも起因するんですね。
#フランスとアメリカの縁についてはまたの機会に。
このように少しだけでもバックストーリーを知っていれば、ただただ眺めるよりも幾分か楽しんで鑑賞できると思います。私はルーヴル美術館を訪れた当時これらの知識を持ち合わせていなかったので、みなさんは私よりも楽しんでいただけるのではないでしょうか?
#まぁ見れてないんだけどね、うん。
近々ルーヴル美術館に行く予定がある!という学生の皆さん、学生に限らず私のnoteを読んでくださっている方のお役に少しでも立てていれば幸いです。
それでは、アディオース!