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#おむすびの本棚 『青を抱く』

おむすびの本棚では私が読んだ本を紹介します。
お気に入りの本とあなたがむすばれますように。


どもども。おむすびです。



『青を抱く』 (一穂ミチ)

を紹介します。


感動系BL小説です。


あらすじ

訳あって実家のある海辺の街に暮らす和佐泉
海岸を歩いていると、水難事故で2年前から植物状態となっていた弟靖野にそっくりな男に出くわします。
叶宗清という彼は長期休暇をとっていてしばらくこの街に滞在するらしい。
彼の人柄に惹かれていく泉だが、どうしても想いに応えられない理由があってーー。


感想

泉、靖野、宗清。
彼らの繋がりが明かされたときは衝撃でした。
あとかなりがっつりBLだったことにも衝撃(照)。

泉が自分の生活を疎かにしてまで靖野に尽くすワケ。
宗清が特に何もない海辺の街に訪れたワケ。
2人の1人で背負うにはとても重すぎる思いに胸がギュッとなりっぱなしでした。
そして近づきたいけど近づけない関係がもどかしい。

2人の他にも父、母、幼なじみの真帆ちゃん、居酒屋のマスター。
お互いを思うがゆえの遠慮が切なくも心地よかったです。


むすびのひと言

泉は「わからない」と言う。わかっているかもしれなくても。
だってそっちのほうが安全じゃないか。

現実、理由、気持ち。
そう、大体のことはきっとわかってる。
だけど向き合ってしまったら何かが壊れてしまいそうで怖い。
だったら「わからない」とウヤムヤにしてしまったほうが楽なんです。

優しく真面目な泉の心の葛藤がよく伝わってくる一節だと思いました。


ここまで読んでくれてありがとう!

ではまたね。