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#おむすびの本棚 『たゆたえども沈ます』
おむすびの本棚では私が読んだ本を紹介します。
お気に入りの本とあなたがむすばれますように。
どうも〜、おむすびです。
『たゆたえども沈まず』 (原田マハ)
を紹介します。
有名画家、フィンセント・ファン・ゴッホに関する史実をもとにした創作小説です。
あらすじ
19世紀後半、パリ。
兄のフィンセントは無名の画家。
彼が描く絵は当時人気だった神々が描かれた絵とも、それに比べて侮辱されていた“印象派”と言われる絵とも違いました。
しかしその魅力を信じ、彼を精神的にも金銭的にも支えてきた人物がいます。
それが画商の弟のテオ。
そんなファン・ゴッホ兄弟は注目され始めていた日本美術に憧れを抱いていました。
そこで出会ったのが日本人画商で日本美術を取り扱っていた林忠正と加納重吉。
彼らはフィンセントの絵の良さを理解してくれる人物でした。
美術を通して、それぞれが結びつきを強めていきます。
そこから生まれるのちの“名作”とはーー。
感想
とにかく胸が熱くなりっぱなしの小説でした。
まず、彼らの美術愛。
熱量がハンパないから、素晴らしい作品を見たときの衝撃もハンパないのでしょう。
興奮がひしひしと伝わってくる描写が圧巻でした。
そして、ファン・ゴッホ兄弟の絆。
彼らはまさに2人で1つ、お互いが大切な存在でした。
それゆえに支え合うこともあれば苦しめあうことも......。
そのすれ違いがもどかしくて、切なくて。
特にラストには胸がギュッとなりました。
さらに、ファン・ゴッホ兄弟と林&加納の交流ですよ!
表面上には表さなくても、ちゃんと思い合っていることが伝わる言動がとってもカッコいい......!
こういう絶妙な距離感に憧れるなぁと感じました。
むすびの一言
「考え込んでも、どうにもならないことだってあるさ。どんな嵐がやって来ても、やがて通り過ぎる。それが自然の摂理というものだ」
嵐が吹き荒れているときに、どうしたらいいのか。ーー小舟になればいい、と重吉は言った。
「強い風に身を任せて揺れていればいいのさ。そうすれば、決して沈まない。......だろう?」
何をやってもうまくいかないこと、ありますよね。
そんなときは足掻くのをやめて、流れに身を任せてみるのも1つの選択です。
嵐の渦中にいるときは本当に終わりが来るのか、とにかく不安で苦しい。
でもいつか必ず終わるときが来ます。
そうしたらまた立ち上がればいい。
そのときまで、沈まないことだけに意識を向ければいい。
まさに“たゆたえども沈まず”ですね。
最後まで読んでくれてありがとう!
ではでは〜。