見出し画像

#おむすびの本棚 『サファイア』

おむすびの本棚では私が読んだ本を紹介します。
お気に入りの本とあなたがむすばれますように。


ども、おむすびです。



『サファイア』 (湊かなえ)

を紹介します。

全7編の短編集です。


あらすじ

近所の住人と親しくなる。
脱走した猫を探し当てる。
誕生日プレゼントをおねだりする。
ちょっとした出来事が思いがけない展開にーー。

出会いと別れ。
愛と罪悪感。
”から見えてくる真実とは。


感想

湊かなえさんの作品は“嫌な気持ちになるミステリー“、“イヤミス”のイメージが強かったのですが、本作には先の希望も見出せるストーリーのものもあってちょっと意外な感じがしました。
そこにますます作家さんとしての力を見せつけられた気がします。
でも相変わらず人間のドロドロした部分が強調されてて。
短編だけどどのお話からも違った衝撃を味わえて、満足感もありました。

一人称の小説の面白さは、語り手の視点によって見えてくる世界が違ってくるところにあると思います。
人それぞれ歪んだメガネをかけているから、見えている情報にかたよりがある。
だから意外な真実が明かされると自分の思い込みに気付かされ、黒い部分が浮き彫りになる。

この魅力はなんとも言葉で表現しづらいですね(笑)。


むすびのひと言

「なりたい自分は解らなかったけど、なりたくない自分は解ったの。
だから、その反対を目指してやればいいんだって。
この指輪が似合わない女になってやろうと決めたのよ」

アンケートをもとに心理カウンセラーがその人本来の美しさを分析し、世界的デザイナーがデザインに落とし込んだオーダーメイドの指輪。
59万円でローンまで組んで買ったその指輪はとてもその額に値しないものだった。
つまり、悪質商法に引っかかってしまったのだ。
これはその女のひと言です。

人生が輝いている人とそうでない人の違いは、いかに自分を変えようとするかだと思うんです。

自分の失敗や恥を他人に押し付けたり、他の出来事のせいにする。
そうすることで気持ちは収まるかもしれない。
手っ取り早く楽になれるかもしれない。
でも、自分は全く変わっていないからまた同じことを繰り返す

ここで事実と向き合い、真実を正しく見抜ける人こそ誰もが羨む人生を送れるのだと思います。

とか偉そうに書いてる私はまだまだ弱っちいんですけどね......(恥)。
明日は今日より形のいいおむすびになっていたいです。


ここまで読んでくれてありがとう!

またねー!