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#おむすびの本棚 『まほろ駅前多田便利軒』
おむすびの本棚では私が読んだ本を紹介します。
お気に入りの本とあなたがむすばれますように。
ど〜も、おむすびです。
『まほろ駅前多田便利軒』 (三浦しをん)
を紹介します。
全3冊ある『まほろ駅前』シリーズの第1弾。
第135回直木賞受賞作です。
(第2弾はこちら↓)
(第3弾はこちら↓)
あらすじ
東京の南西部、神奈川県へ突き出した場所にあるまほろ市。
便利屋として働く多田は高校時代の同級生・行天と偶然の再会を果たす。
どうやら行くあてもないらしい行天は勝手に多田のもとに居座るようになる。
一緒に便利屋の業務にあたるようになる2人。
ペットの預かり、塾の送迎、納屋の整理、掃除の手伝い......。
なんてことない依頼のはずが、なんだかややこしい状況になってーー。
感想
どうにもできない現実を見せつけられるような、どこか虚しさの漂う小説でした。
でも、そんな世界だったとしても生きていく人々に希望の灯りを灯してもらえたような気がします。
お節介な多田と突拍子のないことをしでかす行天。
正反対の経験をしてきた2人。
その、ひと言では言い表せない複雑な関係が特に印象に残っています。
少しバランスが崩れただけで消え去ってしまいそうな、けど何があっても必ず繋がっているような、そんな風に感じました。
第2弾、3弾ではどんなエピソードがあるのか、楽しみです。
むすびのひと言
幸福は再生する、と。
形を変え、さまざまな姿で、それを求める人たちのところへ何度でも、
そっと訪れてくるのだ。
一度失ったものは完全に元通りにはならない。
一度起こってしまったことは二度とやり直せない。
悲しいけど、これが現実。
でもきっと再生する。
まったく元通りでなくても。
消せない過去を抱えていたとしても。
別の形で戻ってくる。
幸福の形は1つじゃないから、明るい未来を待つことを諦めないでほしいです。
今幸せでなくても。
幸せだったはずなのに失ってしまったとしても。
誰もが幸福を掴むチャンスを持っていて、必ずなれるから。
ここまで読んでくれてありがとう!
またー。