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N響C定期 打楽器が大活躍!!圧巻の「パリの喜び」

2025年2月21日、NHK交響楽団のC定期を聴きました。華やかなプログラムと圧巻の楽器。特に「パリの喜び」は最高でした!次々と場面が切り替わっていく、まるでディズニー映画を見ているような錯覚に陥る、いつもとは全く違うN響を聴くことができました。

1. 軽快に幕を開けたスッペ「軽騎兵」序曲


最初の一音からオーケストラの響きに引き込まれました。特に金管セクションの勢いが素晴らしく、テンポの良い展開に胸が高鳴ります。ティンパニのアタックも効果的で、曲のダイナミズムを支えていました。そしてトランペットが奏でるお馴染みのメロディー、でも、とっても新鮮に響き、N響のアンサンブルの精度の高さを改めて実感しました。

2. サン・サーンス「ヴァイオリン協奏曲第3番」— 三浦文彰さんの繊細かつ情熱的な演奏

ヴァイオリン独奏はあの、三浦文彰さん。NHK大河ドラマ「真田丸」の演奏でもおなじみの日本有数のバイオリニストです。三浦さんの登場で雰囲気は一転し、幻想的な世界が広がりました。第1楽章の冒頭は力強くも流麗な旋律が印象的で、その響きに引き込まれます。三浦さんのヴァイオリンの音色は非常にクリアでありながら、豊かな表現力を兼ね備えており、特に第2楽章では静寂の中に漂うような美しさを感じました。オーケストラとの掛け合いも見事で、最終楽章では華やかさと躍動感が融合し、演奏が終わると客席から大きな拍手が送られました。

3. スッペ「詩人と農夫」序曲 — しっとりとした序奏から一気に軽快な展開へ


「軽騎兵」と並ぶ名序曲として親しまれているこの作品。冒頭のチェロによる旋律はしっとりと歌い上げられ、そこから徐々に音楽が動き出します。中間部では牧歌的な雰囲気が広がり、後半は疾走感あふれる展開に。ティンパニのアクセントが効果的で、特に終盤の盛り上がりは圧巻でした。

4. 圧巻の「パリの喜び」— 打楽器が大活躍!

この日のハイライトは、何と言っても「パリの喜び」。最初から最後まで打楽器!打楽器!!打楽器!!!
7人の打楽器の皆様、本当にお疲れ様でした。N響団員はお2人だけでしたが、エキストラの5人、おなじみのエキストラの方々も何人もいらっしゃいましたが(そのうちのお一人は、学生自体、合宿でご指導いただいたフリー奏者の方でした)、全員最高でした!!

まさに祝祭感あふれる演奏。カスタネットが華やかに響き、小太鼓やウッドブロックの軽妙なリズムが音楽を引っ張ります。大太鼓やシンバルの炸裂するポイントも多く、それぞれが楽曲のアクセントとなっていました。4人がラチェット(回すとギリギリ音がする楽器)を同時に使ったり、至る所で、曲のどこかで打楽器が鳴る。そしてティンパニの力強いロールが音楽に勢いを加え、全体を一層華やかに彩っていました。

オーケストラ全体が生き生きとした演奏を繰り広げ、まるでウィーンの舞踏会、いやディズニー映画を見ているかのような感覚を覚えました。特に終盤、音楽がどんどん加速していく場面では、コンサートマスターの郷古さんを中心にバイオリンもノリノリ。いつもとは全く違うN響だと思いました。帰路では、「今日のN響面白かった!」とおっしゃっている方もいらっしゃいました。私も全く同感で、本当に客席も熱気に包まれていました。打楽器奏者の皆さまのエネルギッシュな演奏には胸が熱くなり、何より「打楽器の魅力がここまで詰まった曲はなかなかない」と改めて実感しました。

5. 吉川武典さん、最後のN響定期公演

この公演は、トロンボーン奏者の吉川武典さんがN響メンバーとして定期公演に出演する最後の舞台でもありました。演奏後には、会場から温かく力強い拍手が送られ、その姿を目にしながら、長年にわたるご活躍に思いを馳せました。

私が学生の頃から第一線で活躍されていた吉川さん。その演奏を何度も聴きました。そんな吉川さんがN響を退団されることに、感謝の気持ちとともに寂しさを感じずにはいられませんでした。しかし、最後の公演でも変わらぬ確かな音と存在感を示され、改めてその偉大さを実感しました。

まとめ

ウィーンとパリの華やかな音楽が詰め込まれた今回のC定期。軽快な序曲、ロマンティックな協奏曲、そして圧巻の「パリの喜び」と、バラエティに富んだプログラムが楽しめました。そして何より、打楽器の魅力が存分に発揮されたコンサートだったのが嬉しいポイントでした。リズムが音楽を支え、響きの豊かさが際立つ時間。改めて打楽器奏者の皆さまの素晴らしい演奏に感動し、まさに音楽の喜びを感じることができた一夜となりました。

そして、N響を支えてこられた吉川武典さんの最後の定期公演を聴くことができたことも、忘れられない思い出となりました。長年にわたる素晴らしい演奏に心からの感謝をお伝えしたいと思います。

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