【1/25追記】昔は脱腸と呼ばれた、そけいヘルニアになるなんて。痛くも痒くもないのに、手術?!
インターネットがある今、こういう時にはつくづく便利だと感じる。
「なんか、ここ、ぷっくりしてない?」
お風呂に入る前に夫が、お腹と脇腹の間あたりを気にしていた。そこまで気になるほどではなかったが、「お腹と脇腹の間 ふくらみ」「そけい部 ぷっくり」などと検索すると、出てくる出てくる。
ザ・鼠径ヘルニア
ソケイヘルニアノートというサイトもあり、多くのひとがかかっている割に知られていないし、どこかで聞いたことがある「脱腸」というのが、これということも、そもそも「脱腸」がなんなのかも、正しくは知らなかった。
とりあえず、自然治癒はしないということ、手術しない限りは、いずれ痛くなって、緊急手術になるという説明を見て、とにかく、病院にゴーだ。
ふだん、よほどでない限り病院に行かない夫なので、外科でCT検査ができる病院が確実なようなこと、偶然にも数ヶ月前に私がさくっと行って、すぐCT検査をしてくれたクリニックに行くように言った。
そもそも私がCT検査を行った理由は、毎年健康診断で、胃外石灰化像ありと言われていたからだ。
これは、バリウム検査で、胃を見た際に、胃ではない場所に白い影があることを言い、どこか痛くなったり何かあればすぐに受診するようにと言われていた。とはいえ、たいていはカルシウムとかの沈殿物で問題はないと聞いていたので、気がつくとそのまま10年以上経過していた。
おととし、足をくじいてしまった際に、足と腰が痛くなり、整形外科でレントゲンを撮った。その時、院長先生に、これなんかあるね、結構大きいし、何かのついでに見てもらったほうがいいよ、写メとっておきなと言われた。
え、そうなの?
ちょっと焦った私に、まあ、石とか塊の場合もあれば、砂みたいにサラサラしたものの場合もあるけどね、でも、、、と言われ、ちょうど昨年の健診時にそれを内科医に見せてみたのだ。
すると、確かに場所的にもいろんな可能性があって微妙だし、一度どこに何があるのか確認したほうがいいですよ、CTがある病院に行ってねと言われた。さすがに、、、これを機に一度はっきりさせようと決意した。
とはいえCTってどこで受けられるんだろうとあれこれ調べては、遠いな、不便だなと見ていたが、脳のCT検査を除くと、あっさり近所のクリニックが出てきた。念の為、電話で確認の上出向き、先生にレントゲン画像を見せると、本当だね、そしたらCT撮らせてねーと。
え?今すぐ?
なんとなく、今日の今日でCTは撮れるものではないと思い込んでいた。あの、横になって、巨大なドーナツみたいなのに入っていくわけだけど、結構あっさり。指示に従って、息を止めたりしたっけな。
で、結果ももちろんその日。
先生は、軽やかに、これ腎臓にあるけど、良性で問題ないよ。放置で大丈夫。と。そして、まあ、せっかくCT撮ったから、上から見ていこう!と。
うんうん、何も問題ないねー、今日のお昼は何を食べたのかな、麺類かな?とか、なんだか楽しそうに話してくる。ここは胃ねー、ここ腎臓ねーなどと説明しながら、うん、どこも何も問題なし!と。ほっ。
よかったぁと安堵と、なんだか楽しい先生だったなという印象が残った。
そんなわけで好印象だったのもあり、夫にもそのクリニックを薦めた。
帰宅した夫にどうだった?と聞くと、
やっぱり、そけいヘルニアだってよ〜
CT撮ったの?と聞いたら、いや、見ただけで、あ〜これは鼠径ヘルニアだね〜って。
見ただけで?!
この時はまだ、本当に、大きめ絆創膏程度に、うっすらぷっくりしてるだけだったけれど、見てわかるんだねと。
でさー、先生が、「手術します?」って聞くんだよ。
だから、え、手術しなくてもいいんですか?って言ったら、
「手術はしないと治らないねー」って。
じゃあ、しなきゃじゃないですか。
手術するなら紹介状書きますということで、
まあ、簡単な手術なんで、結構ね、研修医とかが最初によくやったりするんですよー、あ、この紹介する病院はそんなことないよ、ちゃんとした先生がやるよ。って。おいおい。
夫もつい、じゃあ、盲腸みたいなもんすかね?
そうそう、そんな感じ。中高年男性は4人に1人はなってますからねって。
まあ、難しい手術でないのは何よりだけれど、インプラントもやっている最中の夫。しばらく通院で忙しそう。
そうして2ヶ月経った頃、ようやく紹介された病院に行った。そこできちんとCT検査も行われ、間違いなく鼠径ヘルニアと診断。
しかも、両側。
見た目には片側だけと思えたが、大抵は両側同時になることが多いらしく、同時に両側とも手術するとのこと。
ネットで見ると、日帰り手術もあるようだが、ここでは3泊4日入院。テレビドラマではお馴染みの腹腔鏡手術というのをやるそうだ。
手術日を決める前に、各種検査と、肺活量のトレーニングなど、それなりにあり、この辺りのことは詳しくはわからないが、どうやら腹腔鏡手術というのは、炭酸ガスを体の中に入れて膨らますことで作業空間を作ってやるもののようだ。なるほどなぁ。
最初に気がついたのが、昨年の9月の初め、急がないといけない病気とは違ったのと、何かと予定もあり、紹介された病院に行けたのが11月中旬、手術をいつにするのか考えつつ、検査等をして、結果年明け早々の入院、手術となった。
そしてこの年明けの頃には、誰が見ても、それどうしたの?という大きさにボコッと膨らんでいた。横から見るとテニスボールが入ってるんじゃないかというくらいに。この頃にはさすがにちょっと押したり何かするといてっと、軽い痛みもあったりした様子。
夫の場合は体型的にも、偶然早めに気づけたが、場所的にも気づかぬままという人も少なくないのではないかと思う。
また、偶然にも、夫の勤務先には、子供の頃に鼠径ヘルニアで手術したという女性もいた。子供心に、結構痛かった思い出らしい。
それにしても、子供でも大人でもなるのに、本当にこれまで聞いたことがなかったなあ。ま、重病ではないので、あえて話すこともないし、聞くこともないのかもしれないが。
入院初日は、シャワーを浴びて、あとはゆっくりと過ごすのみ。元気なのに病院食なので、相当お腹が空いて、睡眠薬をもらって眠ったらしい。翌日が手術当日、飲食なしのまま全身麻酔に入る。
何かあれば家族に連絡が入るのでと、これから3時間くらいの予定で手術開始すると連絡が来たまま、6時間が過ぎた。
麻酔で眠ってるんだろうなと、LINEだけ送ってしばらくすると、今起きたとの連絡。思った以上にお腹が痛いらしい。
術前に調べたりしなかったが、おへそを中心に左右2箇所と、おへその部分の3箇所を切っての手術だった。
絆創膏を貼られているだけ程度のお腹の傷だが、痛み止めを飲んでも、もちろん痛みはある。そして意外にも、両肩周りがひどく痛むとのこと。さらに寝てばかりいるので腰も痛むなど、なかなか辛かったようだ。そして4日目の朝、退院してきた。
その後も肩周りの痛みはキツく、本人はきっと傾けた状態にして手術してたんだなどと言っていたが、それはさすがにないだろうと。早速google先生に聞いてみると。
腹腔鏡手術をするにあたり、どうやら医療ガスを体内に入れて膨らませているらしい。そうして空間を確保して手術をしていると。
なるほど〜。確かに。器具を操作するのに、空間は必要だ。傷口を小さくすることで術後の回復を早めるためには、そういう工夫が必要だったのか。
その際、ガスが横隔膜やその神経を刺激して、肩こりのような症状を起こしているらしい。実際退院から数日後、その痛みは消えたようだ。
一番辛いのは、不意のくしゃみ。それだけはうまくコントロールできず、お腹に痛みがくるとのこと。
花粉症の人などは、手術の時期に注意が必要かもしれない。
退院から帰宅した夫は、即、腹へった〜〜、とにかくジャンクが食べたいとビッグマックを買ってきた。まあ、元気なのは何よりだ。
とはいえ。
入院中、若い看護士さんにいろいろお世話されたことを振り返ると、絶対絶対、いつまでも健康でいるんだ、寝たきりとかにならないように、健康体でいるんだ!と、決意したという夫。
というのも。
全身麻酔の手術ともなれば、予想がつく方も多いと思うけれど、手術室に向かう際、紙のパンツを履いて手術着になる。そして、全身麻酔で眠った状態で手術は終わり、気づいたらベッドの上。
意識は戻ったものの、なんとなく手術着がはだけているような、心もとない気がするものの、手を動かそうという気にもならず、ぼーっとしているしかなかったようだ。
そこへ、看護士さんがやってきて、
「起きました?パンツはきます?」
え? ちょっと待って、俺パンツはいてねぇの?
「は、はきます」
「どこにありますか〜?これかな?」
手際よく、ささーっと、パンツを履かされてしまい。
その衝撃は、その直後も、退院後も、今なお、残っているらしい。。。
おわりに。
今回、医療保険を初めて使うことになった。
どうやらこういう比較的よくある手術などは診断書などは不要で、ふつうにもらう診療明細書で良いそうで。県民共済はコピーが必要だが、他はWebで画像アップで請求できるなんて。簡単〜〜!
サクッと請求も済ませられてスッキリ。
改めて、今年は「健康」を合言葉に行こう!!
と終わりにしたのも束の間、病院からA4封筒が届いた。
え?なに?
と思って開封すると、、、
ジャジャーン!
病院と消防本部からの感謝状が届いた。
一体何をしたのかと思ったら、麻酔科医の指示のもと、救急救命士が気管挿管を行うという実習に協力、、、したとのこと。
わかりやすいところで、下記の記事があった。
検索ボックスには、救急救命士 気管挿管と入力すると、事故などと例示も出てきて、そうすると、ちょっと怖くなるけれども。要はこのような実習がなければ成り立たないし、救急救命士が指導医のもとで学ぶ機会を持つことで、実際の救命活動に役立てられるのであれば、それは大切なこと。
ひとりでも多くの方の命を救う仕事をされている救急救命士の方にも、改めて感謝と敬意を払いたいと思った。
鼠径ヘルニア手術から学んだこと、知ったこと、想像以上でした。感謝。
追記の追記:(1/25)
漫画原作の火曜ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』の第2話を見ていたら。初期研修一年目は、内科6ヶ月、外科3ヶ月とかある程度決まっている中で、なんとか外科での研修中に手術したい!というセリフもあるなか、見事に執刀医をやることに。
(芳根京子さん演じる主人公:若月まどか)
そして!その内容がこちら。
うわ〜〜〜。
クリニックの先生が言っていた通り(笑)
これこそ、研修医の最初の一歩というやつだ。リアル!
カンファレンスの内容を聞いたときに、あれ?と思ったけれど、何の手術かは説明がなく、でも、鼠径部切開とか、メッシュとか聞こえてピンときてしまった。
noteの記事って、いつでも編集できるからついつい追記してしまうけど。最初に読んでくださった方には届かないのかな。タイトルに記載してみよう。