オランダアートひとり旅#07.デルフトはとっても可愛い古都だった
サマータイムが始まり、時差は7時間。
旅行中は中途半端な時差ボケのおかげで、夜は何時に寝ようとも朝は必ず5時前に起きてしまう早起き人間となってしまいました。まあ、帰国後すぐに2度寝大好き寝坊助さんに戻ってしまいましたが・・・。
さて、この日も朝早くからスタートします。
ホテルを出ると辺りはまだ薄暗く、聞こえて来るのはトラムの音だけ。人々が活動する前の静けさは、街を照らす黄色い灯りと冷たい風の影響で、より一層強く感じられました。空は所々分厚い雲に覆われていますが、陽が昇れば一日中晴天のもとで過ごせそうな予感があります。
目指すは、デルフト(Delft)です。
自動券売機を使うのは2度目なので、もうお手のもの。あっさりと列車のチケットを購入しました。アムステルダム中央駅からデルフトまでは、普通座席(セカンドクラス)で16.3ユーロ。うち1ユーロは、IC チップが埋め込まれたチケットに対する追加料金です。
ヨーロッパの駅は、日本や韓国(筆者は韓国在住です)のそれとは違い、長くてデカくて、開放感がありますよね。
この雰囲気、大好きです。
座るのはもちろん、窓側の席。
旅行前に読んだ本に書いてあった通り、オランダは平坦な土地がどこまでも続いていました。広大な大地の上に広がるのは、さらに広大な空。雲が、とても自由に、好きなように漂っているのがとても印象的で、なぜかビートルズを聴きたくなりました。
そう、ヨーロッパの風景は、ビートルズを呼ぶのです。
デルフト(Delft)
1時間ほど列車の旅を楽しんだ後、デルフトに到着しました。
なぜデルフトかというと、フェルメールの故郷だからにほかなりません。ただ、本記事では、街並みを中心にお届けしたいと思います。フェルメール関連は次回以降ということで・・・。
デルフトは、アムステルダムをきゅっとして可愛らしさをプラスしたような古都でした。
◆旧教会
駅から歩いて約10分。デルフトで最も古い教会の旧教会は、1246年に建設されました。この教会には、フェルメールを始め、微生物学の父と呼ばれるアントーニ・ファン・レーウェンフック、80年戦争ではスペイン艦隊とスペイン・ポルトガル大艦隊を撃破した海軍の英雄マールテン・トロンプなど、オランダの偉人たちが多く眠っています。
また旧教会は、オランダ版のピサの斜塔としても知られています。写真では分かりにくいですが、75メールの高さを誇るこの塔は、地盤沈下の影響でちょっぴり傾いているとか。地上と塔の上部で2メートルほどの差だそうです。そう言われれば、そう見える気がしてくるから不思議です。
◆市庁舎
旧市街の中心部にある市庁舎は、1620年に建設されました。その前にあった庁舎は1618年の火災で燃え、鐘楼だけが残ったそうです。そのため、再建された現在の建物はルネサンス様式ですが、鐘楼は当時のゴシック様式のままです。
◆マルクト広場
市庁舎の前には、マルクト広場が広がります。
この日はマーケットが開かれ、たくさんのお店が並んでいました。見ているだけでとても楽しく、特にパン屋さんとシーフード屋さんが美味しそうでした。
◆新教会
マルクト広場を挟んで市庁舎の向かいにあるのが、新教会です。フェルメールが洗礼を受けたという記録が残る教会で、オランダの独立運動を指導し、オランダ祖国の父と呼ばれるオラニエ公ウィレム1世が埋葬されています。
空に向かって見事にそびえ立つ塔の高さは、108.75 メートル。ユトレヒトのドム塔に次いで、オランダで2番目に高い教会の塔です。1536年には落雷を受けたそうで、時計のあたりが黒いのはそのせいかと思っていたらそうではなく、酸性雨の影響だそうです。酸性雨ってすごい(ちなみに、酸性雨で禿げることはないらしいですよ)。
この塔には、上ることもできます。376段の階段を登らなければならないので大変ですが、空気が澄んでいればロッテルダムやハーグの街まで見渡せるそうです。この日は天気が良いので上りたかったですが、時間がなかったので断念しました。体力に自信のある方はぜひ挑戦を。
◆デルフトの青いハート(Blue Heart of Delft)
新教会からすぐ近く、古い街並みに囲まれた場所に、ひと際目を引く現代アートちっくな青いハートのオブジェクトがあります。1999年に設置された「デルフトの青いハート」は、ここがデルフトの中心地であることを表しているそうです。
◆運河が行き渡る街
デルフトは至る所に運河が流れる可愛らしい街でした。アムステルダムほどの豪華さや煌びやかさはないですが、歩くだけでるんるん楽しくなるのは同じです。
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