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景福宮駅周辺を歩き、イタリアンレストランで友人と過ごす
彼女と出逢ったのは、12年前のことです。
光化門(광화문)にあった職場に初出勤した日、笑顔で迎え入れてくれたのが彼女でした。同い年で、似たような時期に韓国へ留学し、そのまま現地で就職した中国人です。
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彼女とは、出逢ったその瞬間から同僚ではなく友人でした。
気が合うとはこういうことなのでしょう。働くスタイルだけでなく、好みや感性も似ていたので、気に入ったものを見つけたら、いつも報告し合っていました。
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別々の場所で働くようになってからも、その関係は変わりません。
今でも定期的に連絡を取り、数か月に一度は時間を作って食事をします。たわいのない話ばかりですが、別れるときにはいつもエネルギーが補給され、特に何があるわけではないけれど、あらためて「がんばろうっと」と、こころが呟いてしまうような相手です。
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最近は、景福宮駅(경복궁)周辺、特に西村(서촌)で会うことが多いです。
互いにアクセスしやすく美味しいお店(맛집)が多いためですが、彼女の行きつけのお店が多くあるため、店選びがあまり好きではないわたしにとっては好都合だというのは、ここだけの話です。
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ここ数年で整備された情緒あふれる街並みは、人々を惹き付けます。
もちろん、わたしもこの街の景観に魅了されたひとりで、彼女と会う日は早めに家を出て周辺を散歩するのが、小さな楽しみとなっています。
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この街は、ぜひとも夜に歩いてほしい。
メイン通りから一歩入るだけで、時代を何十年も遡ったような雰囲気に包まれます。韓屋(한옥)に囲まれた細い道は小綺麗に整頓され、静かです。
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どこに続くか分からない道を眺めながら、行って確かめたいと思いつつ、約束の時間も迫ってきているのでそうはいきません。寒さに対抗しようと、ポケットに両手をつっこんで、気持ち小走りになりながら、待ち合わせ場所のレストランへ向かいます。
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この辺りは中華料理、タイ料理、イタリアン、スペイン料理など様々な国のお店が並びます。日本食だとうどんやまぜそば、居酒屋も見掛けました。食事以外ではカフェはもちろん、ジェラートのお店もあり、どれも魅力的です。
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テハ食堂(대하식당)は、このエリアに古くからある、サムギョプサルが美味しいことで有名な焼肉屋です。
前々回に彼女と会ったときは、ここで食事をしました。おしゃれなお店が建ち並ぶなかでのこの佇まいは、むしろ目を惹きます。店内が狭いこともあり、1時間以上並ぶことも珍しくありません。それでも途切れることなく人々がやって来るのは、味もそうですが、映画のなかに彷徨い込んだような昭和感あふれる(韓国なので昭和はありませんが)ノスタルジックな雰囲気が、理由のひとつだと思います。
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そんなテハ食堂の斜め前にある CASA DI CHEF で、この日は待ち合わせました。
多忙な日々を送る彼女が、たまの貴重な休みに憩いの場として通っていたイタリアンレストランだそうで、わざわざ窓側の席を予約してくれていました。さすが、こういうセンスのあるところ、好きです。
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仕事を終えてやって来る彼女を待つ間、目の前を通り過ぎる人々の流れを眺めます。
人間観察というほどではありませんが、こうしてゆっくり人々を観るのは何年振りでしょう。温かい世界から外を眺めるわたしの瞳には、若い年代の人々やカップルが多く映りました。
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「今日はワインを飲もう!」
いつもの笑顔でやって来た彼女はエネルギッシュでクールです。メニューは焼いたナスにチーズをのせたグリル料理とベーコンのオイルパスタ、そしてポテトを頼みました。料理は期待通り、いや、それ以上に美味しくて満足でした。
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「久しぶりに過ごす金曜の夜。最高だね」
色々な話をしました。仕事のことだったり、これからやりたいことだったり。正直、代り映えしない話題ではあります。変わったことといえば、40代が迫った今、健康に関する話題が増えたことでしょうか。ただそれは、体調が優れないという話ではなく、あくまでも「お互いからだには気を付けて、無理せず、楽しく生きようね」という確認です。
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それから1,2週間して、珍しく昼の時間帯に彼女から電話が掛かってきました。そのなかで「そういえばこの前行ったイタリアンのお店覚えてる? 今はお昼しかやってないんだって」とのこと。彼女曰く、お店の方の体調が優れないせいか長時間営業するのは難しいらしいとのことでした。
しばらくはランチ営業をして、その後どうするか決めるとのことでしたが、Naver で検索しても情報が出てこないところを見ると、閉店したのかもしれません。
冬のせいか、より淋しさを感じました。
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寒い日が続きます。
皆さまも、ご自愛ください。
そして、ソウルにいらっしゃる機会がございましたら、景福宮周辺の西村エリアを散策してみてください。おすすめです。