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韓国佛教#11.玄通寺~自然に囲まれた、かわいい寺院~

 前々回記事の続きです。

 ソウル市鐘路区ジョンノグ(종로구)付岩洞ブアムドン(부암동)の白沙室渓谷(백사실계곡)を歩きました。朝鮮時代の文化史跡である白石洞天(백석동천)を観た後は、さらに下ります。


玄通寺(현통사)

 玄通寺ヒョントンサ(현통사)は登山の途中で寄るのもいいですが、最寄りのバス停「洗剣亭セコムジョン小学校(세검정초등학교)」からもアクセスでき、バス停からは徒歩10分程度で到着します。

 玄通寺の歴史は不明な点が多いものの、高麗時代からこの場所に存在し、朝鮮時代までは「ジャンウィ寺(장의사)」と呼ばれていたことが分かっています。その後、朝鮮戦争で寺院は焼失し、1958年には名前を「ボムン寺(보문사)」へ変更しました。再建工事が1967年に始まると、1971年には現在の姿になり、そして1987年には寺院を「玄通寺」に改称しています。

The Historyより一部抜粋・翻訳

◆渓谷から眺める寺院

白石洞天から渓谷に沿って山道を下って行くと、鮮やかな色の提灯とともに寺院が現れました。
寺院はまるで自然の一部であるかのような姿で佇んでいます。


◆門(문)

渓谷を渡って階段を上ると寺院に到着します。
「三角山の玄通寺」


◆お出迎え

門を潜ると、ふくよかな仏様(で合ってるのかな?)が朗らかな笑顔で迎えてくれました。
その斜め前には石灯篭がーー。
中には火ではなく水晶玉のようなものが光るものが確認できます。
写真をさらに拡大したものです。
分かりにくいですが、玉の中には仏様の姿がありました。
どのようにして作ったのでしょうか・・・気になる。


◆梵鐘閣(범종각)

梵鐘閣です。
つり鐘など仏教では欠かせない鳴り物が収められています。


◆大雄宝殿(대우보전)

大雄宝殿です。
釈迦如来を中心に、左右には文殊菩薩と普賢菩薩が祀られているそうです。
御堂の中ではお寺の方々が作業されていたので、仏様へのご挨拶は外から簡単に済ませました。


◆斉月堂(재월당)

こちらは斉月堂です。
「月」が横になっていて可愛らしいです。
このような遊び心は、参拝者を楽しませてくれます。


◆七星閣(칠성각)

寿命長寿の神(수명장수신)である七星を祀る七星閣です。
七星は、もともと中国で道教信仰と深く結び付いて形成され、その後韓国に伝来しました。当初は単純な守護神として受け入れられましたが、再び本来の寿命長寿神としての姿が強調され、仏教化されました。それにより、独立した建物の「七星閣」で奉安されることになります。七星閣は韓国仏教寺院特有の殿閣の1つで、韓国仏教の土着過程を伝える貴重な資料と考えられています。
韓国民族文化大百科事典より一部抜粋・翻訳)


◆山神閣(산신각)

可愛い「星」の字が書かれた七星閣の奥に見えるのは、山神を奉安する山神閣です。
韓国仏教の初期および中期の寺院では確認されず、朝鮮時代に入ってから徐々に増えていきました。山神閣は山岳崇拝信仰と深い関わりがあるものの、元来山神は仏教とは関係のない土着神です。しかし仏教の信仰に対して受容的だったことから護法神衆となり、後代では本来の性格を仏教の中で取り戻すことになりました。七星閣同様、山神閣も韓国寺院特有の殿閣で、仏教の土着化の過程を示す貴重な資料と考えられています。
韓国民族文化大百科事典より一部抜粋・翻訳)


◆灌仏会(부처님 오신 날)の準備

この日は灌仏会を翌日に控え、寺院は大忙しの様子でした。
アジュンマ(おばちゃん)の「何でそこに人がそんなにいるの! こっちにも手伝いに来なさい!」という怒鳴り声を聞きつつも、同じように作業をしていたもう一人のアジュンマの半分呆れたような、でもどこか落ち着いた声で発する「間違ってはいないんだけど、言い方がねぇ・・・」という一言に、私は共感を抱きながら寺院を跡にしました。


◆◆◆

 玄通寺は緑溢れる山に囲まれ、目の前には清らかな渓谷が流れる、こじんまりとした愛らしい寺院でした。

 次回来ることがあれば、もう少しゆっくりと過ごしたいと思います。

 ではでは。

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