オランダアートひとり旅#01.始まりと計画と
1.旅のきっかけ
その想いから始まったひとり旅です。
ヨーロッパの美術館を巡るアート旅行をしたいと思っていました。しかしそれは「いつか」という言葉とともに未来に期待する夢ではなく、長時間の準備を有する特別な計画でもなく、当たり前のようにスケジュール帳に書き込むようような、そして、気軽に「ちょっと数日行ってくる」と言うような日常に近いもの・・・。
そうしたい、いや、そうするのだと、誓ったのです。
行き先をオランダにした一番の理由はレンブラントの《夜警》ですが、挙げれば他にもあります。
まず一度も訪れたことがない国に行きたいと思いました。ここでイギリスとフランス、ドイツ、デンマーク、オーストリアは除外されます。久しぶりのヨーロッパ旅行なので、ある程度小さめの街で治安が良く、英語が通じて観光の不便が少ない国が良いという希望もありました。
オランダのアムステルダムはぴったりです。
2.チケットの購入
年が明けてすぐ、飛行機のチケットを購入しました。
予算は限られているため安いチケットを探した結果、旅はサマータイムが始まって間もない3月末に行くことになりました。最も安かった2泊3日の日程にしようかと思いましたが、いざ行くとなると、多少なりとも欲が出るものです。
最終的には3泊4日の旅になりました。
3.これはアート旅行
スケジュールの組み立てに当たって最も重要なのは、この旅はアート旅行だということです。
《夜警》があるアムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)はもちろん、ゴッホ美術館は欠かせません。
その後、最近までオランダ在住でいらした Akio さんの記事を通し、国立美術館で史上最大規模のフェルメール展が開催されていることを知りました。期間は2月10日~6月4日。絶対に、観たい。しかし当初予定していた約45万枚数のチケットは販売開始からわずか2日で完売。後に追加チケットが販売されるも、アクセスが集中し過ぎてサイトがダウン。もう無理だろうと半ば諦めていましたが、特別に開館時間が延長されることになり、運良くチケットを入手することができました。(Akio さん、ありがとうございます!)
さてフェルメール大回顧展が決まったということで、彼が生涯を過ごしたデルフトに行かないわけにはいきません。フェルメール展は3日目の夜のため、昼間はデルフトに行ってゆかりの地を巡ることにしました。
さらに、旅行に先立ち中野京子氏の『フェルメールとオランダ黄金時代』を読んだことで、ハーレムにあるフランス・ハルス美術館にも行くことにしました。
ハーレムはアムステルダムから約 20㎞ ほど離れた場所にある美しい古都です。時間的に厳しそうでしたが、それでも行くと決めたのは、この《ハールレムの聖ゲオルギウス市民隊幹部の宴会》にいるおじさま方に「遅かったじゃないか~。もう始めてるぞ。早く座って一杯飲め、飲め」と言われたかったからです。
4.スケジュール
最終的に決まった行き先は以下の通りです。
◆アムステルダム(Amsterdam)
◆デルフト(Delft)
◆ハーレム(Haarlem)
◇◇◇
こうして決まった旅のテーマは――
オランダの偉大な画家たち、フランス・ハルス、レンブラント・ファン・レイン、フィンセント・ファン・ゴッホ、そしてヨハネス・フェルメールに逢いに行きます。