ごめんねぼくは。 #書き手のための変奏曲
おかあさん、若くていいよね。
そんなことを、昔から言われてきました。
ぼくは母が20歳のとき、帝王切開で生まれました。生まれたときの体重は、4,500g。当時その産院で生まれた赤ちゃんの最重量記録だったそうです。子どものころ、母のおへそから下に走る一本の線を見ては不思議に思っていました。ぼくにはないのに、女のひとにはあるのかな。漠然と、そんなふうに思っていました。
ある日、だれかに何気なく言われたのをおぼえています。妹は普通に生まれたのにね、と。なんとなく、思ったのだと思い