見出し画像

世界一周準備 必要な英語力について

世界一周(と言ってもまだ3カ国目だが、現時点で分かった範囲)で必要な英語力のリアルをお伝えする。

今世界一周に向けて準備している人のお役に立てば幸いだ。

英語が苦手でも海外旅行はできる。何百、何千回と言われてきた言葉だ。

「だったら世界一周だってできるだろう。だって海外旅行が連続しているだけだから」
これが出発前の私の持論だった。

実際、間違っていない。移動も食事も宿泊も、少し困ることはあっても、大体なんとかなる。

スタッフは拙い英語でも理解しようとしてくれるし、翻訳アプリを使ってでも会話しようとしてくれる。

一応お伝えしておくと、今の私がよく使う言葉はこれくらい。

Hi!チェックイン、プリーズ!(ホテルの受付で)
キャナイ キープ マイラゲージ?(手荷物を預かってくれますか?)
キャナイ ハブ ディス?(これをもらえますか?)
キャナイ ハブ ザ チェック?/チェック プリーズ(お会計お願いします)

目を合わせて、微笑みながら伝えるとなお良い。とても親切にしてくれる。

旅に欠かせない場所では対価を支払うことができる。
対価を払った瞬間からこちらはお客さんになれるのだ。

言ってしまえばお金さえあればなんとかなる。
だから英語力の低さを気にして世界一周を尻込みする必要はないと思う。


問題は、旅に影響はないけれど、英語が苦手だと悔しい思いをする場面。
プライドの問題だ。

それは安宿やツアーで出会う、同じ立場の者同士との会話。

ここからは具体例…個人的体験をお話しする。

最初に断っておくと、私は今回の旅では「人と出会うこと」を捨てている。

外国人との交流経験が少ないので、信頼できる人とそうでない人の区別がつかないことが主な理由だ。
加えてそこまで人間好きでもなし。
よって、私はその土地の歴史、文化、自然を知ることを目的として旅に出た。

見知らぬ人との会話は発生しないし、しても一言二言くらいで済むだろうと思っていた。

しかし、実際に行ってみると意外と話す機会がある。
挨拶と、どこから来たの?くらいの会話は想定の範囲内だったのだが。

まず困ったのは、ゲストハウスのキッチン。
スーパーで買ったレタスを洗っていたら「Excuse me, Could I ~~ dish ~ here? 」と聞かれた。(~の部分は聞き取れていない)

自分の汚れた皿を指差しながら話していたので、多分「あなたが使い終わるまでここに置いてもいい?」と訊かれたのだろうと思い「OK」と答えた。

彼女は頷き、皿を置いてどこかに行った。まだしばらくレタスを洗っていると、彼女はまた戻ってきて少し驚いたあと、不満そうな様子で「Oh , I said ~~~ , Could you ~~~~」と言った。

へ?だ。さすがに「Sorry?」と聞き返すと、また早口でよくわからない。ここで
「Could you speak more slowly?」
と言えれば良かったのだが、何しろこちらはレタスを洗っている。

彼女は皿を洗いたいのだろうから、まずここを片付けるのが先だと思って、手を動かしていたらそこまで頭が回らなかった。馬鹿みたいに、
「Ah...Sorry,『Could you ~ ? 』」
と彼女の言葉を繰り返して理解しようとしたら、本当に、呆れ顔を向けられた。
何やねん。英語が世界共通言語だなんて自惚れはやめてください。

大体この状況で驚くって、何なんだろう?

・私に皿を洗って欲しかったのに洗われてなくて不満なのか?そんなバカな。
・先に使わせろって?いや、なんであなたを優先しないといけないんですか?食器洗いが優先とはどこにも書いていないし。シンクの中には何もなかったから、私が横取りしたわけでもないし。
・まだレタス洗ってたのって?今日中に消費しないといけないから量が多くて…いや、たかが2,3分くらいで文句を言われる筋合いはないよ。

私はそれなりに負けず嫌いだ。
手を止めずに洗っていると、彼女はため息をつきながら首を振って英語でまた何か言った。聞き取れない。

ちょうど洗い終わったので、水気を切って「OK, I finished」と譲る仕草をした。
彼女は少し驚いた後、呆れ顔で「OK,  you finished」みたいなことを言った後、シンクを覗き込んでいやそうに指をさした。

今度はなんだ?と見ると、レタスが1枚シンクに落ちていた。気付かなかった私のミスだけれど、それにしてもなんて嫌みたらしいやり方。

むかっとしつつも、礼儀正しく「Oh,Sorry」と言って掴んだその手でゴミ箱に突っ込んだ。
後ろでまたため息を吐く声が聞こえたが、なんでそんな振る舞いができるのか不思議だ。
他の人が使用中なら、終わるまで待てばいいだけの話じゃないか。全くわからない。しかし伝えるすべはない。


それから、バスツアーでの一幕。

座席は決まっていなかった。私は1人で窓際に座っていたのだが、次第に人が多くなり、車内はほぼ満席になった。

乗り込んできた夫婦が別れて座ろうとしていたことに気づいた、同じく1人で座っていた人が「私が移動しますよ」と言って立ち「ここいい?」と言って隣に座ってきた。
この時点では好感を持っていた。

後でわかったのだが、この人、友人同士で来ているのにわざわざ離れた席に座っていたのだ。バスが停車するたびに声をかけに行くのですぐにわかった。
車内アナウンスで「家族、カップル、友人グループはまとまって座ってくださいね」と最初に案内があったのに。なんでそんなことをするのだろう、と思っていたが席の交換も持ちかけてこないし、提案するほどの英語力もないので放っておいた。

そして事件は昼食後に起きた。
食事を済ませてバスに戻ってきたら、通路側に座っているのは例の友人。窓際の私が座っていた席はまだ空いているが、さっきの人が戻ってきて座るのだろう。

目が合う。なんと言えばいいかわからない。一歩も譲る気配のない無言の眼差し。
「文句ある?」とでも言いたげな。
ええ、ええ。座席は決まっていないですもんね。頼りないパンフレットを前の席のポケットに挟んでいただけだから、取られたって仕方ないよね。
友人同士で座りたい気持ちはわかりますが、それなら最初に座っておけばいいじゃない。それか一言いえばいいじゃない。

心の中で負け惜しみをしながら、私は空いている席を探すハメになった。
しかし探すタイミングも変だし言葉も怪しいしで、年配のグループに目をつけられた。

「バスを間違えてるんじゃないか」「自分が今まで座っていた席は?」「ドライバーに確認しなさい」「あなたはどこに行きたいの?」

と一斉に詰められて、パニックになった。
うまく答えられず、騒ぎになりかけたところで誰かが「その子はあそこに座っていたよ」と言ってくれた。
軍団は席を取られたと納得して静かになったが、注目を浴びるのが苦手な私には軽い恐怖体験だった。

結局1人で来ていたご老人に荷物をどけてもらい、通路側に座ったが、眺めは悪く、先ほどの恐怖体験の反動で涙も少し出てきて、隠すために慌ててサングラスをかけた。

高いツアー料金を払って、なんでこんな目に……。

ちなみに、目的地に到着してバスから降りる時、取られた席をチラリと見ると、なんと彼女は1人で悠々自適に座っていた。
あれ?友人同士で座るんじゃ?
通路側の友人と席を代わってあげただけ?それならなんであの時、席を譲ろうともしなかったんだ?

疑問は尽きなかった。だが何もいうことはできず、そのまま眺めの悪い席に座り続けた。

しかしこれも私に交渉する勇気が、英語力がなかったため。
恐怖体験をしたのもそう。

くれぐれも、英語話者には「英語は世界共通言語で、話せて当たり前」なんて思わないでいただきたい。(負け惜しみ)

けれども、過去のイギリスの悪しき植民地化政策の影響もあり、現在、世界の最も広い範囲で話されている言語であることは事実。

これから旅に出る人へ。
英語力がないと、こういう場面で悔しい思いをする。

もちろん旅はできる。
これは自分のプライドの問題だ。あなたは耐えられるか?些細なことだと思うならそれもいい。旅は無限だ。自由だ。

私は耐えられない。というか、とにかく腹が立ったので、どこかの安い語学学校に寄り道をして戦う準備をしようと思います。

何かのご参考になれば幸いです。それでは良い旅を。

#旅の準備

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?