最近愛用している聖書アプリについて
最近愛用している聖書アプリがある。e-Swordというもので、Appleであればe-Bibleとほぼ同様の内容で、版権の切れた聖書や注解などを参照してくれる強い味方だ。もちろん細かい挙動に関しては有料のアコーダンスなどには叶わないものの、数百円のアプリ代金だけでこれだけの内容がオフラインで参照できるのは心強い。すでに信頼できる校訂本を含むアコーダンスを持っているにも関わらず本アプリを入れたのは、ニケア以前の(使徒)教父文書を読みたかったからである。この英訳テクストはアコーダンスでも購入すれば読むことができるのだが、それを揃えるには数百ドルを支払う必要があり、e-Bibleのようなものがないかと探して見つけたのが本アプリだったのである。コンテンツへの課金無しでオリゲネスのヨハネ注解が読めるのである。
さて早速、聖書アプリとしての主な使い方を紹介したい。評者は主に二通りの使い方をしている。一つは単純に聖書を一節ずつ、口語訳と新約聖書のギリシア語原文と旧約聖書の七十人訳とヘブライ語原文とウルガタ訳、それからストロング番号の付いた欽定訳と七十人訳を標準でセットしている。欽定訳のストロング番号はギリシア語新約聖書とヘブライ語旧約聖書を参照しているので、単純に本文を見るためにそれぞれの言語の聖書、それから七十人訳で用いられている単語を確かめるためにストロング番号付きのを加え、少し煩雑にはなるものの、以上のような仕様にしている。とはいえ該当しないテクストは表示されないので、思いのほかスッキリしている。参考までにコヘレトの冒頭を挙げておく。
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以上の一節ずつの表示は日々の学習にもおすすめで、好きな福音書から読み始めてみてはどうだろうか。次にテクストそのものを読み進めていくのに便利な通読モードを紹介したい。こちらは一章ごとに本文を表示し、節を選ぶと該当の節のストロング番号付きの欽定訳と参照箇所の案内が出てくる。例えばマタイ福音書冒頭のダビデの子孫、インマヌエルの誕生、幼児殺害のラケルの嘆きなどを取り上げてみよう。スクリーンショットを一読してわかるように、具体的な引用箇所の節がその場で読めるのである。
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先にも言及したように、当初は教父文書の英訳を読みたかったから入れただけだったのだが、ストロングのみならず他の神学的辞典やヘブライ語のBDBも参照できるため、一節一節を読んでいくと殊の外発見がある。例えばマタイの4章のペトロの召命で、網を繕うという動詞は「解いたものを完成させる、成就させる」という意味を含んでおり、その直前に述べられている「魚を人にしよう」という言葉とともに、一見日本語では唐突に思われるこの箇所は、この世と神の支配との並行関係を思わせる箇所なのである。
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以上のように、何気なく眺めて、わからない単語を調べるだけでも勉強になります。高額であまりにも思い通りに動くアプリよりも今の自分にはしっくり来る聖書アプリのようで日々発見がある今日このごろです。参考になれば幸いです。
何か使い方でわからないことがあれば、ノートのコメントなり、ツイッターのDMをいただければ、分かる範囲でお答えします。ここまで読んでくださってありがとうございます。