アニメ『LISTENERS(リスナーズ)』3話音楽元ネタ考察
私はアニメだと新世紀エヴァンゲリオン、ゲームだとファイナルファンタジー7が人類史上最高唯一無二というタイプなので、当然内向きで地面見て歩きがちな少年だったのですが、
そんな「セカイ系根暗男子」にぴったりなシューゲイザーという音楽がありまして。
ゴワーー!!とした激しいギターと、キラキラしてスペイシーな美メロギターが同居して、リバーブがたっぷり乗ったアンニュイなボーカルが特徴的なジャンルです。
日本でいうと「LUNA SEA」がメジャーでは結構それっぽい曲を出してます。SUGIZO・INORAN共に好きなんじゃないかと。↓こんな感じのやつです。
元々「シューゲイザー」は「シュー(靴)をゲイズ(眺める)する」からきてまして。
ギタリストが多数のエフェクター(ギターの音色を変える機械。いっぱいあるとギタリストはドヤれます)を駆使してこの轟音、スぺイシーな音色を出すわけですが。
まぁその元祖にして至高、最高上位存在とも言えるのがMy Bloody Valentine(マイブラ)なわけですね。
前置きが長くなりましたが、LISTENERS(リスナーズ)第3話はそのMy Bloody Valentineを全面的にフィーチャーした回となっております。
3話タイトル「ユー・メイド・ミー・リアライズ」
⇒マイブラの代表曲の一つ、「You Made Me Realise」より。
代表曲の一つで、この曲をきっかけに「シューゲイザー」というスタイルを確立したようなんですが、いかんせんアルバム未収録のシングル盤のみの曲で、日本では未発売なので、昔は手に入りませんでした。
2枚のアルバムはどこののTSUTAYAでも借りれたんですが、この曲は探しても無かったので今は無きお茶の水のジャニスまで高校生の頃に探しに行った記憶があります。
ライブだと2番目のサビの後、10分近くひたすら轟音を鳴らしまくる、かなりヤバいパフォーマンスで人気の、定番のラスト曲です。前回も書きましたが、私は2008年フジロックの復活公演で最後生でこの曲を聴いて本当に涙して、「俺は今美しい、愛無き世界に一人佇んでる…」とかそんな気持ち悪いことをぼそぼそ呟いてた気がします。
ケヴィン・ヴァレンタインとビリン・ヴァレンタイン
⇒マイブラのリーダー、真ん中に立つケヴィン・シールズと、メインボーカルを務める右端のビリンダ・ブッチャーからきてます。
まず声優が強すぎるんですが、どちらも雰囲気結構踏襲してますね。
ちなみに彼らが乗っている飛行船は「トレモロ技研」っていうらしいのですが、これは「トレモロ奏法」という、音をゆらゆら反復させる弾き方と、彼ら自身のミニアルバム「Tremolo」のダブル由来かと。
Luna Seaと並んでシューゲイザーを実践しているV系バンド「Plastic Tree」のトレモロ っていう可能性は…ないですね。
伝説のプレイヤー ジミ・ストーンフリー
⇒ビリン達との話の中で明らかになる伝説のプレイヤー兼エコヲが目撃したプレイヤー名鑑に名前のない謎のプレイヤー、ジミ・ストーンフリーの元ネタは伝説の早逝の天才ギタリスト、ジミ・ヘンドリックスと、彼の楽曲Stone Freeです。
かっこいいですね…そしてじんさんがめちゃくちゃ好きそうなギターだなと思いました。
どことなく影響感じませんか?
「非常に若くして亡くなった、後世に影響を残しまくった天才」というジミヘンの設定はジミ・ストーンフリーさんにぴったりな気がしますね。髪色的にもミュウと色々関係ありそうな気はしますが…
消え去るよりも燃え尽きた方がいい
⇒ケヴィンが登場シーンで言うセリフ、「突然何言い出すんだ…」と思った方も多いと思いますが、ちゃんと元ネタがあります。次の4話でもフィーチャーされる、「もう一人の若くして亡くなった伝説的な左きき天才ギタリスト」、Nirvanaのカート・コバーンの遺書が元ネタです。
ニルヴァーナの話は次回4話でたっぷり出ると思うので割愛するとして、カートがショットガンで頭を撃ちぬいて自殺した際、「It's better to burn out than to fade away(消え去るよりも燃え尽きる方がいい)」と書かれていたようです。
このフレーズ自体は同じく偉大なロックミュージシャン、ニールヤングの楽曲「Hey Hey, My My」の歌詞からの引用みたいです。
ちなみにこの曲はニールヤング本人が歌ってるよりoasisが歌ってる方が印象深いかもしれませんね。
ケヴィンのエフェクターボード
⇒プレイヤー名鑑でケヴィンのエフェクターボードの写真が出るんですが、それぞれどれをベースにしているのか分かりません。というのも、実際のケヴィンシールズのエフェクター多すぎなもので…
特定した人いたら教えてください。
ヴァレンタイン夫妻のAMP sue
⇒使用アンプはケヴィンシールズが使っている左上の赤いHIWATTのアンプです。
ロボット形態の名前「sue」はマイブラの1stアルバム「Isn't Anything」の8曲目「Sue Is Fine」から。
ちなみにロボット形態の必殺技を出す時にビリンとケヴィンが突然「アイキャンシーイット バットアイキャン フィールイット!」と言い出しますが、これは同じアルバムの12曲目「I Can See It (But I Can't Feel It)」からきてますね。
この回の戦闘シーンでかかってる劇伴は完全にマイブラオマージュで、sueのマイブラカラーの光具合も相まって、最高です。
今後出てくるプレイヤー達
⇒最後に、何人か今後出てくるプレイヤー達がシルエットで紹介されました。それぞれの元ネタを探っていきます。
⇒「ザ・ウォール」に住むロズさん。服装の由来が不明ですが、おそらくプログレッシブロックの代表Pink Floydのベーシスト、ロジャーウォーターズが由来です。
「ザ・ウォール」というピンクフロイドの有名なアルバムがあって、髪がピンク色=ピンクフロイド かな…と。服装のネタ分かる方いたら教えてください。
プログレはいじりやすいネタのオンパレードなので、他にどんなプログレネタがこの国で飛び出てくるのか今から楽しみです。タルカスが襲ってきたり、恐怖の頭脳手術が行われたりしてるところに、ロズがシベリアンカタールを持って出てきたりするんでしょうか。
⇒殿下はその名の通りPRINCEが元ネタですね。一緒にいるのはプリンスのバックバンドPRINCE & THE REVOLUTIONの面々でしょうか。プリンスはあまり詳しくないので自信ないです。
⇒サリートミー共にThe Whoのロックオペラ、「TOMMY」の登場人物の名前そのままですね。サリーはモッズコートを着てるし、トミーは見た目はポールウェラーそっくり、二人ともStyle Councilからの引用と思われる「カウンシル部隊」所属と、モッズ一色の国になりそうです。
その他小ネタ
⇒トレモロ技研で宙を舞ってるギターパーツみたいなやつ、よくみると「MBV91」って書いてますね。91年はマイブラのセカンドアルバム「loveless」発売の年です。
ちなみに1カット「MEV」になってるところ見つけちゃいました。ブルーレイで修正お願いします!
動きが若いわ、チェルシーガール
⇒ビリンがミュウのことをチェルシーガールと何度か呼びますが、Velvet Underground & NicoのNicoのアルバム「Chelsea Girl」からですかね
3話は音楽ネタ盛沢山の最高回でした。次の4話は予告編からしてKISS、カート、キムゴードンが出てきてアメリカンスクールライフが描かれそうなのでこれまた期待です。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?