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ひとりになるのが怖かった私が、ひとり旅をすることにした
夜の静けさが増した部屋で、ふと考えた。
彼氏が出張でいない間、どう過ごせばいいのか。
何度も経験しているはずなのに、彼が大きなスーツケースを持って玄関を出るたびに、胸が締めつけられる。
ドアが閉まる音が響くと、部屋の空気が少し薄くなったような気がした。
寂しさと不安が波のように押し寄せ、気づけばスマホを握りしめたまま、彼の帰りを待つだけの時間が過ぎていく。
「このままじゃダメだ」
声にならない言葉が、喉の奥で何度も反響した。
こんな自分を変えたくて、ある決断をした。
変わりたいと思った日
私は22歳、田舎に住む会社員。
社会人2年目で、彼氏と同棲して2年が経つ。
専門学校に5年間通い、そこで彼と出会った
気づけば付き合って5年が経ち、私が新卒1年目の年から同棲を始めた。
しかし最近になって、彼の出張が増え、気づけば家でひとり過ごす時間ばかりになっていた。
最初は平気なふりをしていたけれど、実際には夜になると泣いてしまうこともあった。
何より怖かったのは、彼がいないと何もできない自分になってしまいそうなこと。
不安は次第に大きくなり、ついには仕事中も考え込むようになっていた。
気づけば彼の無事ばかり気にして、何をしていても心ここにあらず。目の前のパソコン画面が霞んで、キーボードを打つ指が止まる。
『さすがにこのままではいけない』
そう思い、心療内科を受診した。
診断は "不安症" と "軽度のうつ病の可能性" であった。
実際にはまだうつ病ではないものの、このまま放置すれば、将来的に発症する可能性があると言われた。
診断を受け、頭の中は真っ白になったが、
同時に妙な安心感もあった。
”ただ愛が重いだけ”
ではなく、ちゃんと原因があるのだと分かったから。
ひとり旅という挑戦
診断を受けたあと、まずは漢方を処方してもらった。
ただ、ずっと薬に頼るだけでは、根本的なことは何も変わらない。
彼がいない時間をただ耐え続けるのではなく、少しずつでも前に進む方法を探したい。そう思い、考えた。
『彼がいない時間を、どうにかして楽しめるものに変えられないだろうか』
そんなときに浮かんだのが、ひとり旅だった。
学生時代からの友人が、先日ひとり旅に行ったという話をしていた。
「自由でいいよ。誰にも気を使わずに、好きな場所へ行けるし、好きなものを食べられるし」
電話越しに聞こえる友人の弾んだ声。その言葉が、心のどこかに引っかかった。
旅の準備と心の揺れ
そうして勢いで宿を予約したのは昨日のこと。
会社に午後休を申請し、明日、初めてのひとり旅へ出発する。行き先は温泉旅館。
最近、仕事やプライベートでも心休める時間があまりなく、温かい温泉に浸かり、豪華で繊細な和食料理を食べたいと思ったのだ。
でも、不安が次々と湧いてくる。
広間での1人の食事は、どんな顔で食べればいいのか。
極度のビビりな私は、和室でひとりで寝られるのか。
そもそも、ひとり旅はどう振る舞えばいいのか。
考え始めるときりがない。
それでも、ワクワクしている自分がいる。
書くことで残したいもの
こんなふうに、ひとり旅の準備を進めるうちに、もうひとつ思ったことがあった。
『この経験を、何か形に残せないだろうか』
ふと、小さい頃の夢を思い出した。
私は幼い頃、小説家になりたかったのだ。
中学生の頃、「魔法のiらんど」というサイトで小説を書いていた。 たくさんの人に読まれたわけではないし、今振り返ると人に見てもらうのが恥ずかしいような拙い文章だった。
でも、物語を紡ぎ、誰かが読んでくれることが何より嬉しかった。
しかし、部活や勉強に追われるうちに、書くことから遠ざかってしまった。
それでも、月日が経った今も、小説家に憧れる自分がいる。
ひとり旅を決めたとき、『これを物語のように残せたら、もっと意味のあるものになるんじゃないか』と思った。
読んでくれる誰かがワクワクできるような文章を書きたい。
後から読み返して、あのときの感情を鮮明に思い出せるようなものにしたい。
小説の正しい書き方も、小説の定義もわからない。 今書いているこの文章ですら、見様見真似で書いているのだ。
でも、私が小説だと言えば、この物語は小説になるのではないか。
だから、密かに抱いていた夢を、このnoteで叶えることにしようと思う。
次回は
次回は、どこに行ったのか、何をしたのか、そして私の旅の成果(?)について書くつもり。
さて、私の初ひとり旅はどうなるのか。
それはまた、次回の投稿で。
ここまで読んでくださり、
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れん