孤高で至高

大好きな番組の一つ「プロフェッショナル 仕事の流儀」

プロフェッショナルの価値観に感銘を受けたり

プロフェッショナルの生き方から考えさせられたり

自分の仕事の流儀へのモチベーションにさせてもらったり

この番組を酒を飲みながら見る心の余裕があるときは

自分の幸福度が高い状態

今回は生き方を考えさせられた

何でもそつなくこなす主人公

努力せずともスポーツも勉強もうまくいき

教師の教える価値とは逆行しながら生きてきたそう

高校の時に夜食で作った鳥の照り焼きの料理が失敗したことから

鼻をへし折られ、一転、

調理師専門学校からイタリアン名店での修行を重ね

誰よりも努力をする人になった

イタリアンでは日本史上最高のミシュラン二つ星

それも「今の店のことじゃない。過去の状態が二つ星。どうでもいいこと」

なかなか芯の強い主人公

新メニューは試作をせず一発目からお客に出す

試作では出ない味が一発本番の集中力からは生まれるからとのこと

8時間の仕込み、お客に出す料理の全工程、閉店後の掃除(天井を3度拭きする徹底ぶり)、朝の7時から夜の0時半までの店に関わる接客以外の全てを自分一人でやる

スタッフを雇っても、掃除、洗い物、食材への向き合い方、様々な場面で一人一人自分のレベルとは違うスタッフの温度に不安を感じ

独立7年目に店をやめて ホールスタッフの妻と二人だけで新たな店を構える決断をする

そんな孤高の主人公が出す至高の料理

番組内で黒バックの中に白字で出てくる「プロフェッショナルの価値観」的言葉も孤高で至高

・集中力こそが限界を打ち破る

・ギリギリが扉を開ける

・理論より感覚(毎日のギリギリを突き詰めた自分だけの感覚がまず最高峰であり、後から理論がついてくる)

料理は凄まじい。

絶対に失敗ができない状況に追い込んで見せる集中力で

最高峰の成功を常に叩き出す環境に身を置く生き方も

凄まじい

プロフェッショナルのインタビューは基本褒め褒め系

あえて簡単な言葉で共通項を出すなら

あの人はすごい!どこがすごいかというと・・・

という型。

しかし、この主人公を描写するインタビューは少し違う

元スタッフの言葉

「毎日逃げ出したかった。妥協が一切ない(この人も現在は超一流の料理人)」

「常に音がしない張り詰めたような空気感の中で仕事をしていた」

みんな一緒に働くのはきつかった・・・という感想。

絶大な敬意を示しつつ、

かつての愚痴が滲み出てしまうようなインタビュー

それほど彼の周りにいる人は辛かったのだろう

主人公は、味を「守る」「後世に伝える」「残す」という価値観はおそらくない

だからこそ一人でできる「最高峰」を突き詰めるだけ

今スタッフを雇うと気になって不眠症になってしまうと言ってしまうほどの神経質さで(目には長年の仕事量を物語る目の下の隈)

至高(料理となると、自分の中では海原雄山を表す言葉)

その領域で仕事をする人は孤独なのだ

そして近い存在にとって

素直に評価するのが難しいほど

厳しい生き方を強いる人なのだ

とすると

一番のプロフェッショナルは

やはり妻の存在。

強制的に仕込み中の夫のコーヒー休憩の時間を作り

夫の価値観で換気扇や部屋の環境に気にかけつつ「すみません」という言葉できちんと答えを確認し

無言でスイッチを入れるための糖分補給「甘酒」を手渡し(地味にそのあと本人も奥の目立たない場所で同じものを飲んでいる姿に感動した)

一緒に退勤し(おそらく掃除は奥さんも主人公と同じレベルでやっている)

仕込みがうまくいったとつぶやく夫に

「すごい!」と

素直に褒め言葉をかける

もちろん生活の苦しい修行時代の苦しいイタリア時代を支えた日々も含め

彼女がいなければおそらく孤高ではなく孤独の

至高ではなく独りよがりの

すごい人止まりだったのかもしれない(ちょっと生意気すぎるかな・・・もちろん敬意をこめての表現です

孤高で至高

その高みに上り詰めた人は

孤独ではない

それを成し遂げさせる心の支えになる

人に優しくできる本物の存在が

必ずいるものなのだ

最初は自分が最近思う

人に優しく 温かく レジリエンス HSPを

みたいなことと対極にある生き方と思って

見始めていたが

むしろもっと色濃く普段考えていることとの繋がりがあった

家族の愛ってすごい

感性や感情が目一杯反応するためにも

思考が追いつく程度に

ビールを飲んで

酔っ払いながら見るプロフェッショナル

至高のメニュー見ながらカルパスかじる

番組とのギャップが激しい

庶民的な立ち位置にいる一人の飲み時間。

幸福度が高い時にしか味わえない時間。

幸福度を高める時間ではなく

幸福を感じている時にしか選択しない時間。

ソファの前にビールとコップを持って座るその行為を振り返って

今の自分が置かれている状況に感謝。

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