#指す将順位戦7th A級2組④ vsここのかさん戦(自戦記)
戦型予想はこちらの記事から。
先手ヤギとして、後手ここのかさんとして対局が定刻通り始まった。大方の予想通り振り飛車であるので、一回三間には振る形。こうすると個人的な経験ではお互いに攻めがすぐさま決まるというわけではなくなる。じっとりした戦いとなる。
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個人的な悩みとしては美濃囲いが硬いことである。付け加えるのであれば、きれいである。一方先手陣は陣形整備に時間を必要としており、後手は戦闘が始まって大丈夫ということである。つまり、攻めを先行させてはいけないということで、例えば▲8八玉とすると、△2二飛車として、▲2八飛車とすると△3五歩とされて小瓶を狙われそうで自信なし。
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先の戦いではここのかさんは向かい飛車を用いて快勝しておるので、向かい飛車は持ち球の一つであるので、ただ、先手としては▲2八飛車はあれである、アイデンテテーの終焉である。今はこの飛車を戻すわけにはいかない。アイデンテテーで将棋は指せないのはわかっているけれども。本譜は、かっこつけて自陣角。
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ただ、ここからさき、後手の研究が光る。自然な△6四歩に囲いの▲8八玉そして△6三角。
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こちらとしては動けないので成り行きを見守るほかないのである。
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この銀をとられるのは意外であった。△4五銀だと▲6四銀があれなのか。
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これも意外であった。ただこんな餌をまかれて飛びつかないヤギなどはいないのである。メヘヘ。飛車は切っても▲4九金に期待をかけて。ちなみに同歩だと別の将棋になりそう。
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局面進んで、こちらの割打ちに同飛車と取り、前の味を占めて角を出たところ。個人的にはほっておかれて△2八飛車を重点的に考えていた。先手からの▲4一角はこのタイミングでどこまで得になるのかわからない部分が多かった。本譜では△1四歩。やはり▲4一角が気になったらしい。こちらとしては▲4一角の最後のチャンスとして▲2四角があるのだが、あきらめているのですごすご逃げる。より働きのよさそうな▲4八角へ。後手は桂馬を活用してくる。これは振り飛車党の命。
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▲4一角は2三角との比較の結果。ただ、ここで▲2三金も考えていたのだけれども、例えば▲2三金△4二飛車▲3二金としてはあまりにも攻め駒がなくあかん。と思い立って、▲8五角成として見るも△7四銀とされて絶望を感じる。
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とりあえずあとはいやらしく迫るしかないはずであるけれども。飛車のこびんを何とかしたい。先に5四歩はわかりやすい手順前後であるので、▲6六角とする。
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相手が優勢を意識していなければ、冷静に△4四銀だったけれども、この勢いで△6五銀打である。これには『おっ』と思った。▲同桂馬△同歩▲7七角として△8五銀▲同歩に落ち着いたように見える。
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依然として▲5四歩は残っているので、これを対処しないといけない分、手番としては先手に回ってきそうである。後手は受けに回っている場合ではないと判断した。△4五桂馬である。すかさず▲5四歩として自己満足をするも、△4四角に▲5五銀として、ここで△5七桂馬成と踏み込み、▲4四銀△同歩▲5三歩成として馬を捕縛された時よりかは光が見えた形となっている。
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先手玉の薄そうなところは6七の地点で、後手の薄そうなところは端などである。または8四からの食いつきである。△5六銀▲5八銀のやりとりはそういう風に進むところで、後手からの割打ちの銀を喰らうことを思い描くもこれは、桂馬を手持ちにできる分、美濃の攻略としては問題なさそうである。しかしながら△6六歩が飛んできた。これは7四桂馬が絡んでくると思われる。
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▲同角に△7四桂馬を読んでいたのだけれども、これは幻であった。5七取れるんですね。△5八成桂から▲同金に△6九銀の割打ち。ここで▲8四歩といちゃもんをつけにいく。
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ここでようやく同等に戦える気分となった。王手がかかるかどうかはとても大事である。このあとじりじりとした戦いが進んで下の図である。
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この飛車が取れないことに気が付いてなんとかなったかと感じた。そして△9三玉▲8二飛車成として投了となった。
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馬が封じられてその次の開き直りが銀打ちを引き出したことで流れが変わったような感覚を覚えた。観戦対局ありがとうございました。
これで星取が2-2となり成績としては5分に戻した。この後も引き続き戦っていきたいところである。(了)