3話 恐怖の猫家具開発会議 ~寝室編~
猫女:猫に狂った企業の代表(チェルシーの翻訳者)
猫男:猫に狂った企業の社員 / 進行役
ディレクター K:LOWYAの酒好き女性Staff(犬派)
ライター J:没個性的な30手前ライター(無論犬派)
二日連チャンで、WEB会議に招集されている…。
あの猫狂い達(おっと、言葉が過ぎたか。)猫を偏愛した方々と連日顔を合わせている私は、胸がムカムカするというかなんというか、胃もたれ?胸焼け?しているような感覚だ。
今日は寝室系の猫家具を担当するニャンフルエンサーの@03uni24 と@cote_chacha のお二人とご対面するらしい。正常な人であれ〜。正常な人であれ〜。と祈りながら私はWEB会議に入った。が、ニャンフルエンサーのお二人はまだログインしておらず、ひとまずそっと胸を撫でおろした。画面には、ディレクター Kと猫女と猫男の計三人が昨日同様映っていた…?
いや、待て。確実に様子がおかしいのが一人いる。
一人いるぞぉぉぉぉぉぉお!!
あろうことか、ギリギリノーマルというかまとも寄り?と勝手に思っていた猫男の頭から耳が生えているじゃないか。
(どうした。どうしちゃったの?サクサク進行してた最後の砦的ポジションのあんたがそんなんなったら、もはや誰がまともなの?)
まぁ、これは触れた方が良いよね?人として。と思い、私は猫男に声をかけた。
「猫男さん、ど…どうされたんですか?なんかの呪いですか?」
私のこの問いに対して
「生えてきちゃいました。」と猫男。
「(いや、気でもふれたかあんたは。)そうなんですね〜。」
と最速の変わり身の術でかわして、猫女にも挨拶をしていると、続々とニャンフルエンサーがログインしてきた。
さっそく化け猫に呪われてしまった猫男がサクサク進行し始めたが、そんなのはどうでもよくて、可愛らしい女性二人の出現に私はドギマギしてしまった。
(騙されるな。この人らは猫の回し者だ。)
と自分に言い聞かせて冷静を装い、何食わぬ顔で会議の行先を見届ける。
さて、今回は寝室系の猫家具とのことで、猫と一緒に寝る。もしくは猫を眺めながら眠れるインテリアを開発したいとのことだ。
@cote_chacha さん曰く、猫はお家の中で冷たい場所と暖かい所を見つけるのが上手らしい。こてつと茶々丸は、夏は大理石的な冷たいタイル(猫用に買ったらしい)の上、冬は布団の端っこなどで寝ていることが多いのだそう。@03uni24 さんの愛猫うには、寒い、暖かいよりもとりあえず高いところが好きみたいで、収納の天井まで登って寝ているらしい。
つまり、この寝室チームのゴールは、夏は涼しく、冬は暖かい少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ。
(カブトムシなっとるがな。)
やや高さのある、猫用ベッドを作ることに決定したのだ。
次にアイデア出しのパートに入ったが、私は驚愕した。
ニャンフルエンサーのお二人はそれぞれ相当高いモチベーションで、本企画に参加してくれているようで、第一回目にも関わらず、かなり精巧なラフスケッチや猫ベッド的な参考画像を携えてきてくれた。
(いや、初回よ?熱量どうなってるん?)
用意してくれたスケッチは、非常にクオリティが高く、ロケットを模したのぞき窓も備えられている屋根付きベッドや、ナチュラルなウッドを使用したログハウス調のものなど。さらに、参考画像として持ってきてくれた
吊るす式のラタン製のベッドに関していえば、犬派の私としたことが不覚にも、そこで幸せそうに眠ったりじゃれている猫を見て可愛いかもと思ってしまった。
(毒されるな。毒されるんじゃない。)
「吊るす式も小さなお家型も可愛いですねー。」
と私以外の面々(少し私も浮かれた)が盛り上がっている中、猫男がニャンフルエンサーのお二人に
「どっちがいいか猫ちゃんに聞いてみてもらえますか?」
と言った瞬間に鳥肌がブワッとたったのはここだけの話。
ひとまず、ニャンフルエンサーの猫への暑苦しい熱意を豪速球で食らって疲弊している私をよそに本日も猫男がまとめに入っていた。
今回の会議の概要と寝室チームの目指すべきゴールを伝えて、次回はさらに精度を高めていきましょう。と寝室チーム第一回目の会議を締めくくった。と思ったが、それまで静かにしていた猫女が突然口を開いた。
掛け声を作ってきたから最後に復唱して士気をさらに高めようと言い出したのだ。私の掛け声の後に「にゃー」と言ってください。とのこと。例によってチェルシーと二人羽織スタイルになったと思ったら、突然大きな声で
「ALL FOR CATS!!」
はい、みなさん。みたいな顔をしている猫女。
続け様に猫男が「にゃー」。
さらに遅れてディレクターKとニャンフルエンサーの二人。戸惑う私はなす術なく、キョロキョロうろたえていると、「お疲れ様でしたー。」と2人のニャンフルエンサーは満足したようなニコニコ顔で退室していった。
今回は特に振り返り的なものはなかったが、またも猫男が衝撃の一言を言い放った。
「ライターJさんとディレクターKさんも次回の会議までに猫耳買ってきて次の会議からつけてくださいね。」
(嫌じゃ!!!!!!!!!!!!)
心の声が喉元を通り過ぎて前歯ギリギリまで出かかったが噛み締めた私ととぼけた顔のKと目を見合わせて、「あ、は…はい…。」
第四話に続く…。
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