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4話 恐怖の猫家具開発会議 ~食卓編~

◼︎主な登場人物
猫女:猫に狂った企業の代表(チェルシーの翻訳者)
猫男:猫に狂った企業の社員 / 進行役
ディレクター K:LOWYAの酒好き女性Staff(犬派)
ライター J:没個性的な30手前ライター(無論犬派)

怒涛の連チャン猫会議が終わり、やっと一息つけるねって思ったのも束の間、そう。第三話をご覧いただいた皆さんならお分かりだろう。ついにこの日が来た。来てしまったのだ…。紛れもない罰ゲーム、人生最大のはずかしめ。犬派の私が猫耳をつけて仕事をする日が…。
(WEB会議を繋ぐ前に一応、鏡の前で格好つけたのは内緒。)

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画面には安定の猫耳猫男とチェルシーwith猫女、ディレクターKが映っている。Kよ、猫耳似合ってるやないか。本人もまんざらでもないらしく、ご機嫌な表情を浮かべている。どうやらは私以外は全員平常運転らしい。

そうこうしているとニャンバサダー @mashu.0415 さんがやってきた。非常にスローというか、まったりとした時間の中で生きていそうな彼女は、怪しげなコスプレ集団を前に柔らかい表情と声で挨拶をしてくれた。

猫男がいつものことながら概要などの説明をしている。彼女の話を聞いている素振り、雰囲気を見てニュートラルというか真面目というか?私はこの企画に参加してから初めて安堵した。今日の開発会議は最後までついていけそうな気がする。。と。

@mashu.0415 さんは食卓系家具担当だ。
まず第一に、猫狂いの方々は“エサをやる”という言葉が嫌なようで、“ご飯を食べさせる”で統一していこう。と猫男、猫女、ニャンバサダーが謎の結託を見せた。なんでもいい気がするが、そこが大切なようだ。

食卓というからには、“ご飯を食べさせる”台ではなく、一緒に食事を取っているという雰囲気作りができれば。と @mashu.0415 さんは言う。
(なぜだか、彼女が言うとすんなり入ってくるから不思議だ。)
うんうん。と私が珍しく真摯な表情でニャンバサダーの話を聞いていると、猫男が鋭い切れ味でカットイン。

「猫がご飯を食べている気持ちを知るために、最近地べたに皿を置いてキャットフードを注いでそこから食べているんですが、どこか寂しい気持ちになるんですよね…。」
(いや、ちょっと待ってww ボケ?ボケだよね?)

ディレクター Kの方にそっと目をやると、堪えきれず下を向いて、肩を揺らして爆笑している。
(だめだ。誰か助けて…。)
すかさず猫女が喋り始めた。
(ナイス!猫女ナイスフォローだ!)

「そうなんですよ。私も食べてるんですけど、自分だけ違う空間でご飯を与えられてる感じがして…。」

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(あんたも食ってるんかーい!フォローどころか引っ掻き回してるし、猫だけに引っ掻き回す。ってやかましいわ!)
ディレクター K は継続して笑い続けている。
(使い物にならんなコイツは…。)

イカれ具合が青天井の二人はそっとしておこうと思ったのか、おもむろに @mashu.0415 さんが切り出した。
「猫ちゃんがご飯を食べている姿ってせっかく可愛いのに、食べている空間が今のところ可愛くないから映える写真が撮れないんです…。」
(そう!そういうのが聞きたかった!)
猫メインにインスタグラムで紹介しているからこそ出る案だと納得した。ん?なんか私猫家具に関して、前向きになってない?と変な気持ちになったがそれはスルーして、話の続きを聞く。

「キャットフードはもちろん、収納スペースが備わってて、愛らしいキャットタワー的なインテリアとしても楽しめるもの。それでいて実用性も完備して、そこに“ご飯”を置けて着脱可能で水洗いもできちゃうみたいな。」
とのこと。
(結局みんな要望モリモリなのな。)

「猫草も生やせたらいいですね!」と猫男。
「箱形にして連結させて猫マンションみたいにするのは?!」と猫女。
(猫草は自分で買うなり栽培してくれ、猫マンションは、、ちょっと可愛いな。)

多頭飼いの場合、食いしん坊と遠慮がちな猫が同居しているとどうしても食いしん坊猫に“ご飯”を横取りされる案件が発生するらしいので、
(文字通り泥棒猫!!だな。)
そこらへんも考慮したアイデア出しなど気がつけばかなり熱量の高い議論が交わされていた。

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食卓系猫家具のゴールは収納がたっぷりで見た目も可愛い、遊び要素もありつつ全猫が安心してご飯が食べられて、人間の食卓と目線が合ったキャットタワー的テーブルを作ることでまとまった。

猫男猫女の狂気のカットインを除けば、今回は初めて無事に、すごくちゃんとした会議だった気がした。
(まさか猫耳のおかげ?なのか…)
あと残すは遊び場系家具か…。次回も有意義な会議になることを願う筆者であった。


第五話に続く…。

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