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ダイバーシティって、めんどうくさい?

ダイバーシティ(人材の多様性)が大事って言われます。これは世界平和の根底を支える概念だと思います。もちろん、LOVOTを創造するうえでも、ダイバーシティは必須だと考えています。しかし同時に「言うは易く行うは難し」だとも実感しています。今日は、私なりに葛藤しながら辿り着いた、ダイバーシティとの付き合い方についてお話します。

以前に私は、30カ国以上の人が集まる欧州のグローバルチームで働いた事があります。これは、かなりダイバーシティが高い環境だったといえます。その中で3年以上過ごした結果、すべての人と心底「理解しあう」なんて事は、無理だ!と思いました。
それは、当時の私にとってはかなりショックでした。それ以前はまだ「人類はみんな話し合えば理解し合えるんだ!」って思っていたんですよね。

育った文化背景が違うと、常識も違うし、美意識も違う。なにより、正しいことが違う。すなわち、正義が違う。正義が違うって、厄介なんですよね。

ダイバーシティが高いというのは、民族や、性別や、肌の色や、年齢や、その他、様々な違いに基づき、様々な価値観の人がいるってことですが、結果としてそれは、それぞれの立場や経験に由来した、沢山の種類の正義があるってことに繋がりやすいんですよね。

正義のためだと人は、つい冷酷になる瞬間があります。優しいはずの人が、その人の目から見た正しさを守ろうとして、聞く耳を持たなくなる。だから、お互いが異なる正義を振りかざすと、泥沼化しやすといえます。

だからこそ僕らヒトは、かなり注意していないと、気づかないうちに自分の中の「正義の仮面を被った悪魔」が出てくる。そして、そのきっかけが多い環境が、ダイバーシティの高い環境といえます。

私はそんな、ダイバーシティが高いグローバル・チームという、「正義の仮面を被った悪魔」を呼び起こす罠だらけの環境にいながらも、最初は、まだ完全に理解し合えると期待していました。話せばわかる、と。しかし結果的には、あまりに無理すぎて、心が折れちゃいそうになったわけです。

そんな経験から私は、「理解より寛容」だと思い知りました。
お互い理解し合えなくても、許せて、仲良くなれることの方が大事なんだな、と。

つまり「完全に理解しなければならない」という高いハードルを自分や相手に期待するのではなく、「理解し合えないことすらも受け入れて寛容する」ということでした。

そうして、(ときに理解し合えない価値観を持つ人と働く機会も多い)ダイバーシティの高い環境で、相手とディベートしたり、ご飯を食べたりしながら一緒に働くと、今度はダイバーシティの高さのメリットを沢山、実感するようになります。

たとえば、ルーチンワークをする際には、それに適した性質を持つ人があつまった方が阿吽で仕事が進むし、その方が効率がよかったりします。だからダイバーシティの広がりは不要です。
でもそういうチームが一旦、壁にぶつかると、急に仕事が止まっちゃうんですよね。同質の人達では解決できないから、止まっちゃう。
でもそんな時、ダイバーシティが高いと、「理解できない思考」の誰かが、なんとかしちゃう。理解できないって、素晴らしいわけです。

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GROOVE Xも、いろいろな人がいます。

入社数カ月後の面談などで、社員から「動物園みたいですね」って、何度も聞きました。
弊社に入らなければ、一生会話することがなかったような幅広いジャンルのメンバーと、お仕事をするからなんだと思います。

たとえば、LOVOTの着る服を開発する場合にも、服飾業界出身のベテランと、玩具業界出身のベテランと、クリエイターと、評価エンジニアと、ソフトウエアエンジニアと、マーケ担当が、顔をつき合わせながら、LOVOT服を開発したりしています。
猫耳の耳が長い方が、かわいいとか、センサーに干渉しちゃうとか、つくりにくいとか、やってるわけですね。

こんな風にダイバーシティが高いと、同じ種類の言語を話しているので、通じるはず、という思い込みが呆気なく打ち砕かれます。通じるはず、という気の緩みが、罠だったりします。元の業界が異なると、同じ言語のはずなのに、その単語の意味が実は違ったりするんですよね。すると、コミュニケーションは全然「阿吽」にはなりません。だから、ときにヒートアップもしています。

でも、そんな異文化コミュニケーションに慣れると、活気が出てくるし、なにより楽しそうなんですよね。

理解できない前提で、寛容する。
これを鍛えるために、「とにかく打席に立つ」チャンスが多い環境なのが、弊社の魅力なのかもしれません。

ちなみに、そうやってつくられたLOVOTの中身を、日経ロボティクスさんが解説しすぎな大特集をしています。

日経ロボティクス 2020年4月号
※残念ながら有料会員限定です。今までの傾向から、1年後ぐらいに無料公開を期間限定でしてくれるかもしれません。

(みんな、こんなロボットをよくつくったなぁ・・・ありがとう!)

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生き物は、ダイバーシティが高い環境をつくることで、生命の進化を担保してきました。LOVOTも、ダイバーシティの高い環境で、しっかりと進化させていきますね!

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